2023.12.29
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第93回(2017年/平成29年)
6区・秋山清仁が大会MVP 2区が再び最長区間に
青学大が前回大会まで2連覇を達成し、10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝も制覇。久保田和馬、神野大地、小椋裕介ら強力な世代が卒業したが、それでも圧倒的な優勝候補に挙げられていた。
93回大会は4区と5区の区間リニューアルが最大のトピックスだった。それぞれ2005年までの距離に近い20.9km、20.8kmとされ、山上りの5区を担う選手の負担軽減が図られた。
1区は東洋大の服部弾馬(4年)が区間トップに輝いたものの、その10秒以内に6位までが、1分以内に16位までが続く大混戦。全日本大学駅伝で2位に入って勢いのあった早大が3位、さらに1秒差で4位に優勝候補の青学大が続いた。
2区では東洋大、青学大、東海大、早大、神奈川大、駒大による6校が先頭集団を形成。18km付近で神奈川大の鈴木健吾(3年)が単独首位に立ち、チーム史上初めて往路戸塚中継所をトップで通過した。鈴木は1時間7分17秒で区間賞も獲得。38秒遅れて青学大が続き、さらに17秒差で駒大が追った。
3区では前年この区間で区間賞を獲得している青学大の秋山雄飛(4年)が猛追。13km過ぎで逆転すると、後続に1分22秒の大差をつけてトップ中継。秋山は2年連続で区間トップに輝いた。2位以下は大きく順位が変動し、早大が6位から2位に浮上。神奈川大が3位に沈み、2区で8位に順位を落とした東洋大が4位まで上げてきた。
青学大は全日本6区区間賞でMVPを獲得した森田歩希(2年)を4区に起用し、早大との差をさらに7秒広げる。
青学大は5区の貞永隆佑(3年)が、一時2位の早大に2分近い差をつけていく。しかし、早大の安井雄一(3年)が終盤に驚異の追い上げを披露。その差を33秒まで縮めたが、その背中をとらえることはできず、青学大が3年連続の往路優勝を達成した。
5区の大塚祥平(4年)が区間賞を獲得した駒大が5位で往路を終えた。
6区では青学大の小野田勇次(2年)が区間2位と好走し、その差を2分08秒まで拡大。7区では青学大の田村和希(3年)が終盤に脱水症状を起こして失速したものの、早大の井戸浩貴(4年)もその差を1分21秒にまでしか縮めることができず、反撃がストップ。
青学大は8区の下田裕太(3年)が圧倒的な区間1位の快走で独走態勢を築くと、9区の池田生成(4年)が区間2位、10区の安藤悠哉(4年)が区間4位と安定感のあるタスキリレーで見事大会3連覇を飾った。出雲、全日本と合わせて史上4校目の学生駅伝3冠達成の瞬間でもあった。
後続は9区の野村峻哉(3年)が区間トップの快走を見せた東洋大が2位を死守。中盤で青学大に迫った早大が3位に入り、往路で健闘した順大と神奈川大が4位、5位に入った。神奈川大は12年ぶりのシード権獲得だった。
6区で秋山清仁(4年)が2年連続の区間新記録となる58分01秒をマークした日体大が7位。法大が8位で4年ぶりにシード校へ返り咲いた。また、オープン参加の関東学生連合で10区を務めた照井明人(東京国際大4年)が区間1位だった順大・作田直也(4年)のタイムを2秒上回り、“幻の区間賞”として話題を呼んだ。
大会最優秀選手に贈られる金栗四三杯は日体大の秋山が受賞。優勝校以外の大学から選ばれるのは2011年大会の東海大・村澤明伸以来6年ぶりだった。
第93回(2017年/平成29年) 6区・秋山清仁が大会MVP 2区が再び最長区間に
青学大が前回大会まで2連覇を達成し、10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝も制覇。久保田和馬、神野大地、小椋裕介ら強力な世代が卒業したが、それでも圧倒的な優勝候補に挙げられていた。 93回大会は4区と5区の区間リニューアルが最大のトピックスだった。それぞれ2005年までの距離に近い20.9km、20.8kmとされ、山上りの5区を担う選手の負担軽減が図られた。 1区は東洋大の服部弾馬(4年)が区間トップに輝いたものの、その10秒以内に6位までが、1分以内に16位までが続く大混戦。全日本大学駅伝で2位に入って勢いのあった早大が3位、さらに1秒差で4位に優勝候補の青学大が続いた。 2区では東洋大、青学大、東海大、早大、神奈川大、駒大による6校が先頭集団を形成。18km付近で神奈川大の鈴木健吾(3年)が単独首位に立ち、チーム史上初めて往路戸塚中継所をトップで通過した。鈴木は1時間7分17秒で区間賞も獲得。38秒遅れて青学大が続き、さらに17秒差で駒大が追った。 3区では前年この区間で区間賞を獲得している青学大の秋山雄飛(4年)が猛追。13km過ぎで逆転すると、後続に1分22秒の大差をつけてトップ中継。秋山は2年連続で区間トップに輝いた。2位以下は大きく順位が変動し、早大が6位から2位に浮上。神奈川大が3位に沈み、2区で8位に順位を落とした東洋大が4位まで上げてきた。 青学大は全日本6区区間賞でMVPを獲得した森田歩希(2年)を4区に起用し、早大との差をさらに7秒広げる。 青学大は5区の貞永隆佑(3年)が、一時2位の早大に2分近い差をつけていく。しかし、早大の安井雄一(3年)が終盤に驚異の追い上げを披露。その差を33秒まで縮めたが、その背中をとらえることはできず、青学大が3年連続の往路優勝を達成した。 5区の大塚祥平(4年)が区間賞を獲得した駒大が5位で往路を終えた。 6区では青学大の小野田勇次(2年)が区間2位と好走し、その差を2分08秒まで拡大。7区では青学大の田村和希(3年)が終盤に脱水症状を起こして失速したものの、早大の井戸浩貴(4年)もその差を1分21秒にまでしか縮めることができず、反撃がストップ。 青学大は8区の下田裕太(3年)が圧倒的な区間1位の快走で独走態勢を築くと、9区の池田生成(4年)が区間2位、10区の安藤悠哉(4年)が区間4位と安定感のあるタスキリレーで見事大会3連覇を飾った。出雲、全日本と合わせて史上4校目の学生駅伝3冠達成の瞬間でもあった。 後続は9区の野村峻哉(3年)が区間トップの快走を見せた東洋大が2位を死守。中盤で青学大に迫った早大が3位に入り、往路で健闘した順大と神奈川大が4位、5位に入った。神奈川大は12年ぶりのシード権獲得だった。 6区で秋山清仁(4年)が2年連続の区間新記録となる58分01秒をマークした日体大が7位。法大が8位で4年ぶりにシード校へ返り咲いた。また、オープン参加の関東学生連合で10区を務めた照井明人(東京国際大4年)が区間1位だった順大・作田直也(4年)のタイムを2秒上回り、“幻の区間賞”として話題を呼んだ。 大会最優秀選手に贈られる金栗四三杯は日体大の秋山が受賞。優勝校以外の大学から選ばれるのは2011年大会の東海大・村澤明伸以来6年ぶりだった。第93回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 青学大 11時間04分10秒 2位 東洋大 11時間11分31秒 3位 早大 11時間12分26秒 4位 順大 11時間12分42秒 5位 神奈川大11時間14分59秒 6位 中央学大11時間15分25秒 7位 日体大 11時間15分39秒 8位 法大 11時間15分56秒 9位 駒大 11時間16分13秒 10位 東海大 11時間17分00秒 11位 帝京大 11時間20分24秒 12位 創価大 11時間20分37秒 13位 大東大 11時間23分45秒 14位 拓大 11時間24分22秒 15位 上武大 11時間24分45秒 16位 國學院大11時間28分45秒 17位 山梨学大11時間29分17秒 18位 明大 11時間29分17秒 19位 日大 11時間30分38秒 20位 国士大 11時間49分18秒 関東学生連合11時間31分29秒 ●区間賞 1区 服部弾馬(東洋大) 1時間03分56秒 2区 鈴木健吾(神奈川大)1時間07分17秒 3区 秋山雄飛(青学大) 1時間03分03秒 4区 栃木渡(順大) 1時間03分36秒 5区 大塚祥平(駒大) 1時間12分46秒 6区 秋山清仁(日体大) 58分01秒 7区 石橋安孝(東海大) 1時間04分42秒 8区 下田裕太(青学大) 1時間04分21秒 9区 野村峻哉(東洋大) 1時間09分47秒 10区 作田直也(順大) 1時間11分00秒
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