HOME 学生長距離

2023.12.19

【Playback箱根駅伝】第53回/日体大が1区・石井隆士の飛び出しから首位譲らず 大東大・大久保初男は4年連続5区区間賞の金字塔
【Playback箱根駅伝】第53回/日体大が1区・石井隆士の飛び出しから首位譲らず 大東大・大久保初男は4年連続5区区間賞の金字塔

第53回箱根駅伝/日体大は1500m日本記録保持者の1区・石井隆士が序盤から独走。このあとフィニッシュまで日体大の前を走るチームは現われなかった

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第53回(1977年/昭和52年)
早大・瀬古利彦が箱根デビュー 各中継所での繰り上げスタート採用

第53回大会から交通規制の時間短縮のため、各中継所での「繰り上げスタート」が採用された。拓大が3年ぶりに箱根路へ復帰した。

広告の下にコンテンツが続きます

3連覇を目指す大東大と、10人の10000m平均タイムが29分34秒8と戦力充実の日体大の優勝争いが予想されたが、結果は日体大の完全優勝となった。

1区は主将で1500mの日本記録保持者だった石井隆士がロケットスタートを決める。石井は2kmで集団からただ一人抜け出すと、従来の区間記録を1分13秒も縮める1時間4分09秒をマーク。2位には1分22秒の差をつけた。

3区では1年生・中村孝生も区間1位で首位をキープ。往路は5時間46分29秒で日体大が4年ぶりに制覇し、芦ノ湖では2位の東農大に2分49秒差をつけた。

1区13位と出遅れた大東大は2区の森田義三、3区の塩野一昭がともに4人を抜き、5区の山上りでは大久保初男が4年連続の5区区間賞で往路3位まで押し上げた。

広告の下にコンテンツが続きます

復路6区は日体大の塩塚秀夫が2年連続で区間賞を獲得。続く7区も萩谷隆司が区間賞。8区の小沢信一は区間2位、9区の斗高克敏が区間賞と日体大は9分3秒の大差をつけて、1年生アンカーの伊藤哲二へ。伊藤は腰痛で区間13位となったが、日体大は1区から1度も首位を譲らずに往路、復路、総合と完全制覇。全区間首位での優勝は第43回大会の日大以来10年ぶりの快挙となった。

アンカーの岩瀬哲治が区間賞で東農大が往路、復路、総合と2位フィニッシュ。3連覇を懸けた大東大は復路5位と追い上げられず、総合3位となった。

後にマラソンで2度の五輪出場を果たす早大の瀬古利彦が2区で箱根デビューを飾り、1時間16分58秒で区間11位だった。早大は総合13位。3年ぶりに出場した拓大は最下位となった。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

広告の下にコンテンツが続きます
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第53回(1977年/昭和52年) 早大・瀬古利彦が箱根デビュー 各中継所での繰り上げスタート採用

第53回大会から交通規制の時間短縮のため、各中継所での「繰り上げスタート」が採用された。拓大が3年ぶりに箱根路へ復帰した。 3連覇を目指す大東大と、10人の10000m平均タイムが29分34秒8と戦力充実の日体大の優勝争いが予想されたが、結果は日体大の完全優勝となった。 1区は主将で1500mの日本記録保持者だった石井隆士がロケットスタートを決める。石井は2kmで集団からただ一人抜け出すと、従来の区間記録を1分13秒も縮める1時間4分09秒をマーク。2位には1分22秒の差をつけた。 3区では1年生・中村孝生も区間1位で首位をキープ。往路は5時間46分29秒で日体大が4年ぶりに制覇し、芦ノ湖では2位の東農大に2分49秒差をつけた。 1区13位と出遅れた大東大は2区の森田義三、3区の塩野一昭がともに4人を抜き、5区の山上りでは大久保初男が4年連続の5区区間賞で往路3位まで押し上げた。 復路6区は日体大の塩塚秀夫が2年連続で区間賞を獲得。続く7区も萩谷隆司が区間賞。8区の小沢信一は区間2位、9区の斗高克敏が区間賞と日体大は9分3秒の大差をつけて、1年生アンカーの伊藤哲二へ。伊藤は腰痛で区間13位となったが、日体大は1区から1度も首位を譲らずに往路、復路、総合と完全制覇。全区間首位での優勝は第43回大会の日大以来10年ぶりの快挙となった。 アンカーの岩瀬哲治が区間賞で東農大が往路、復路、総合と2位フィニッシュ。3連覇を懸けた大東大は復路5位と追い上げられず、総合3位となった。 後にマラソンで2度の五輪出場を果たす早大の瀬古利彦が2区で箱根デビューを飾り、1時間16分58秒で区間11位だった。早大は総合13位。3年ぶりに出場した拓大は最下位となった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第53回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 日体大 11時間31分11秒 2位 東農大 11時間34分05秒 3位 大東大 11時間38分45秒 4位 順大  11時間39分04秒 5位 日大  11時間46分37秒 6位 東海大 11時間49分49秒 7位 駒大  11時間51分47秒 8位 中大  11時間52分27秒 9位 東洋大 11時間57分19秒 10位 専大  12時間00分31秒 11位 亜細亜大12時間03分11秒 12位 国士大 12時間08分23秒 13位 早大  12時間12分23秒 14位 法大  12時間21分05秒 15位 拓大  12時間22分04秒 ●区間賞 1区 石井隆士(日体大) 1時間04分09秒 2区 山本吉光(東農大) 1時間15分07秒 3区 中村孝生(日体大) 1時間05分28秒 4区 山岡秀樹(東農大) 1時間04分31秒 5区 大久保初男(大東大)1時間11分48秒 6区 塩塚秀夫(日体大)    58分56秒 7区 萩谷隆司(日体大) 1時間05分52秒 8区 竹本英利(順大)  1時間07分51秒 9区 斗高克敏(日体大) 1時間17分38秒 10区 岩瀬哲治(東農大) 1時間06分31秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.04.27

男子400mH・渕上翔太が自身初の49秒台で大会新V! 女子800m・西田有里が金メダル/U20アジア選手権

◇第21回U20アジア選手権(4月24日~27日/UAE・ドバイ) 3日目 U20アジア選手権の3日目が行われ、男子400mハードルで渕上翔太(早大)が49秒97の大会新記録で金メダルを獲得した。 広告の下にコンテンツが […]

NEWS ダイヤモンドリーグ蘇州400mに久保山晴菜が追加エントリー!女子短距離で初

2024.04.27

ダイヤモンドリーグ蘇州400mに久保山晴菜が追加エントリー!女子短距離で初

◇ダイヤモンドリーグ蘇州大会(4月27日/中国・蘇州、オリンピックスタジアム) 世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)の第2戦・蘇州大会の最終スタートリストが発表され、女子400mに久保山晴菜(今村病院)が登録された。女 […]

NEWS ダイヤモンドリーグ蘇州、4/27開催!北口榛花シーズン初戦、泉谷駿介、桐生祥秀、真野友博が参戦

2024.04.27

ダイヤモンドリーグ蘇州、4/27開催!北口榛花シーズン初戦、泉谷駿介、桐生祥秀、真野友博が参戦

◇ダイヤモンドリーグ蘇州大会(4月27日/中国・蘇州、オリンピックスタジアム) 世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)の第2戦・蘇州大会が今日、4月27日に開かれる。日本からは女子やり投の北口榛花(JAL)、男子110m […]

NEWS 男子100mに坂井隆一郎、多田修平、桐生祥秀がエントリー! 走幅跳に橋岡優輝、400m佐藤風雅、400mH黒川和樹ら有力選手勢揃い/木南記念

2024.04.27

男子100mに坂井隆一郎、多田修平、桐生祥秀がエントリー! 走幅跳に橋岡優輝、400m佐藤風雅、400mH黒川和樹ら有力選手勢揃い/木南記念

日本陸連は4月26日、5月12日に開催される第11回木南記念(ヤンマースタジアム長居・ヤンマーフィールド長居)のエントリー選手を発表した。 男子100mには昨年の日本選手権で優勝を飾った坂井隆一郎(大阪ガス)をはじめ、多 […]

NEWS お詫びと訂正(月刊陸上競技2024年5月号)

2024.04.27

お詫びと訂正(月刊陸上競技2024年5月号)

月刊陸上競技2024年5月号の内容に一部誤りがございました。 P90 3段目下から2行目 「庄司高司(勝瀬中→西武台1埼玉)」とありますが、正しくは「庄子高栄(勝瀬中→西武台1埼玉)」でした。 関係者の皆様にお詫びをし、 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top