日本陸連が将来有望なアスリートが国際人となるべく継続して育成サポートをしていく日本陸連ダイヤモンドアスリートの第10期認定式および修了式が行われた。
第10期(23-24年)ダイヤモンドアスリートには、9期から継続して栁田大輝(東洋大)、佐藤圭汰(駒大)、西徹朗(早大)、北田琉偉(日体大)、澤田結弥(浜松市立高・静岡)に加え、新規認定に3000m障害高校記録保持者の永原颯磨(佐久長聖高・長野)と、合計6人が選出された。
栁田にとっては飛躍の1年となった。7月のアジア選手権では100mでは日本歴代7位タイとなる10秒02をマークして優勝。8月のブダペスト世界選手権は個人初出場を果たし、100mで準決勝進出を果たした。
ダイヤモンドアスリートは高2だった7期から選ばれて4シーズン目となる。「最初は下の年齢で話にどうにか混ぜてもらう感じでしたが、今は高校生もいるので集まった時には話しやすい雰囲気になるように意識しています」と笑顔を見せる。
冬季練習はすでに1クール目が修了。「メニュー自体は大きく変わっていませんが、セット走でも3セットでぶっ倒れていたのが余裕を持てるようになってきました。ウエイトトレーニングも冬季修了時くらいの重さを上げられている」と成長を実感している。さらに、今季からより本格的に取り入れている補強トレーニングも週1回行い、さらに成長を目指して「自分でプラスアルファしている」と語る。
パリ五輪の参加標準記録は10秒00。これを切るには9秒台が求められるが、「風があればアジア選手権でも出ていたと思います。9秒台は出せる力があると感じています」と壁とは思っていない。前回の東京五輪は高校生ながら4×100mリレーメンバーとして同行。走ることはなかったが貴重な経験を積んだ。3年経ち、今は「代表の座を狙われる立場になったと思っています」。
ダイヤモンドアスリートの先輩でもあるサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が2大会連続でファイナルに進出。「次は一つ上のラウンドを現実的な目標としてやっていけたら」と見据えている。
高2から日本選手権ファイナルを経験している若きホープは、ダイヤモンドアスリート集大成となる来季、パリで新たな一歩を刻む。
同じく継続認定となった110mハードルの西徹朗(早大)は、「同期(栁田)も先輩も後輩も、素晴らしい結果を残しているので負けないようにやっていきたい」とケガからの完全復活を誓う。男子棒高跳の北田琉偉(日体大)は「今年の世界選手権出場という目標からは遠いまま終わったので、まずは自己ベストを更新していきます」と目標を掲げていた。
来年、大学4年生となる走幅跳・110mハードルの藤原孝輝(東洋大)と砲丸投のアツオビン・ジェイソン(福岡大)は修了生として送り出され、藤原は「オリンピックに届くような位置まで戻って来られた。ダイヤモンドアスリートにふさわしい選手だったと思われるように頑張りたい」、アツオビンは「やり投の北口榛花さんのように砲丸投で世界の扉を開ける選手を目指します」と語った。
日本陸連ダイヤモンドアスリートは東京五輪決定をきっかけに、競技力はもちろん、「豊かな人間性を持つ国際人となる人材」の育成を目的に2014-15年にスタートした制度。さまざまな分野の人を講師に招いてのリーダーシッププログラムや、海外遠征や語学面、栄養面を定期的にサポートしている。
これまで、女子やり投の北口榛花(JAL)や男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)、男子走幅跳の橋岡優輝(富士通)らが修了生として世界を舞台に活躍している。
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