HOME 駅伝

2023.10.23

岩谷産業がトップで3年連続クイーンズ駅伝へ!若手からベテランまで「チーム一丸」全日本シード獲得へ意欲/プリンセス駅伝
岩谷産業がトップで3年連続クイーンズ駅伝へ!若手からベテランまで「チーム一丸」全日本シード獲得へ意欲/プリンセス駅伝

23年プリンセス駅伝1位の岩谷産業(アンカー・青木奈波)

◇第9回全日本実業団対抗女子駅伝予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津/福岡県宗像市・宗像ユリックス前発着、6区間42.195km)

第9回プリンセス駅伝が10月22日に行われた。各チームの応援団が色とりどりののぼり旗などを掲げ、熱い声援を送った今大会。コロナ禍前を上回る大声援が背中を押したレースは、大会スポンサーを務める岩谷産業が初めて制した。

今大会を制覇してきたチームを振り返ると、至近3年は1区で1位、4位、1位でタスキを渡している。1区から主導権を握ることが、その布石になっていた。

過去の傾向を受けて岩谷産業の廣瀬永和監督は、1500mからハーフマラソンまで今シーズン好調を維持した川村楓を1区にエントリー。「どの区間でもいける川村なら、いい流れができるはず」と自信を持って送り出した。

川村はその期待通り、5000mのベストが30秒上回る三井住友海上・樺沢和佳奈の仕掛けやスパートに何度も対応。9月の全日本実業団対抗選手権1500mで4分20秒28の自己新をマークするなど、ラスト勝負にも自信を持っていた川村は、樺沢にわずかに先着されたものの、22分39秒の同タイムの2位でリレー。チームはここで一気に波に乗った。

3区の若井莉央でトップに立つと、外国人選手が集まる4区でも首位をキープ。5区・中野円花の区間賞で独走態勢を築き、創部メンバーのアンカー・青木奈波がVテープを切る。まさに、狙い通りの継走だった。

広告の下にコンテンツが続きます

数々のトップランナーを育成してきた名将・藤田信之氏の右腕として、野口みずきを2004年アテネ五輪金メダルへと導いた廣瀬監督の指導力もさることながら、「20歳から33歳までの幅広い年齢層の選手が在籍しているのが強み」と話すのは中野だ。

「若い選手はエネルギッシュだし、ベテランは経験豊か。年齢層が幅広いことが、本当にプラスになっています。“チーム一丸となって”という言葉をよく使ってきましたが、ここ最近は本当にチームが一丸になっていると感じます。それが今回の駅伝でも発揮できました」

11月26日に待つクイーンズ駅伝は、初出場だった一昨年が20位で、昨年は15位。シード権獲得となるトップ8に入ることの難しさは実感している。

だが、廣瀬監督は「個々の走力を上げて、今年こそは(8位入賞の)クイーンズ8を目指したい。もうワンランクレベルを上げたいですね」。1位通過でつかんだ喜びと自信を、飛躍へのステップにつなげるつもりだ。

◇第9回全日本実業団対抗女子駅伝予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津/福岡県宗像市・宗像ユリックス前発着、6区間42.195km) 第9回プリンセス駅伝が10月22日に行われた。各チームの応援団が色とりどりののぼり旗などを掲げ、熱い声援を送った今大会。コロナ禍前を上回る大声援が背中を押したレースは、大会スポンサーを務める岩谷産業が初めて制した。 今大会を制覇してきたチームを振り返ると、至近3年は1区で1位、4位、1位でタスキを渡している。1区から主導権を握ることが、その布石になっていた。 過去の傾向を受けて岩谷産業の廣瀬永和監督は、1500mからハーフマラソンまで今シーズン好調を維持した川村楓を1区にエントリー。「どの区間でもいける川村なら、いい流れができるはず」と自信を持って送り出した。 川村はその期待通り、5000mのベストが30秒上回る三井住友海上・樺沢和佳奈の仕掛けやスパートに何度も対応。9月の全日本実業団対抗選手権1500mで4分20秒28の自己新をマークするなど、ラスト勝負にも自信を持っていた川村は、樺沢にわずかに先着されたものの、22分39秒の同タイムの2位でリレー。チームはここで一気に波に乗った。 3区の若井莉央でトップに立つと、外国人選手が集まる4区でも首位をキープ。5区・中野円花の区間賞で独走態勢を築き、創部メンバーのアンカー・青木奈波がVテープを切る。まさに、狙い通りの継走だった。 数々のトップランナーを育成してきた名将・藤田信之氏の右腕として、野口みずきを2004年アテネ五輪金メダルへと導いた廣瀬監督の指導力もさることながら、「20歳から33歳までの幅広い年齢層の選手が在籍しているのが強み」と話すのは中野だ。 「若い選手はエネルギッシュだし、ベテランは経験豊か。年齢層が幅広いことが、本当にプラスになっています。“チーム一丸となって”という言葉をよく使ってきましたが、ここ最近は本当にチームが一丸になっていると感じます。それが今回の駅伝でも発揮できました」 11月26日に待つクイーンズ駅伝は、初出場だった一昨年が20位で、昨年は15位。シード権獲得となるトップ8に入ることの難しさは実感している。 だが、廣瀬監督は「個々の走力を上げて、今年こそは(8位入賞の)クイーンズ8を目指したい。もうワンランクレベルを上げたいですね」。1位通過でつかんだ喜びと自信を、飛躍へのステップにつなげるつもりだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

NEWS 100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」

2025.04.30

100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」

福島千里や寺田明日香ら女子短距離を中心に数々の名選手を育成した中村宏之氏が4月29日に79歳で他界したことを受け、寺田が自身のSNSを更新して思いを綴った。 寺田は北海道・恵庭北高時代に中村氏の指導を受け、100mハード […]

NEWS 9月の東京世界陸上に都内の子どもを無料招待 引率含め40,000人 6月から応募スタート

2025.04.30

9月の東京世界陸上に都内の子どもを無料招待 引率含め40,000人 6月から応募スタート

東京都は今年9月に国立競技場をメイン会場として開かれる世界選手権に都内の子どもたちを無料招待すると発表した。 「臨場感あふれる会場での観戦を通じて、都内の子供たちにスポーツの素晴らしさや夢と希望を届ける」というのが目的。 […]

NEWS 新しい形の競技会「THE GAME」が9月14日 大阪・万博記念競技場で開催決定!

2025.04.30

新しい形の競技会「THE GAME」が9月14日 大阪・万博記念競技場で開催決定!

「陸上競技の魅力を最大限に引き出し、観客と選手の双方にとって忘れられない体験を」をコンセプトに、三重県で開催されてきた『THE GAME』。今年は会場を大阪府。万博記念競技場を移して、9月14日に行われることが決まった。 […]

NEWS 中村宏之氏が79歳で死去 福島千里、寺田明日香、伊藤佳奈恵ら女子短距離日本記録保持者を育成

2025.04.30

中村宏之氏が79歳で死去 福島千里、寺田明日香、伊藤佳奈恵ら女子短距離日本記録保持者を育成

女子短距離で数々のトップ選手を育成した北海道ハイテクアスリートクラブ前監督の中村宏之氏が4月29日に逝去した。享年79。 中村氏は1945年6月9日生まれ。北海道・札幌東高,日体大で三段跳、走幅跳選手として活躍し、卒業後 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top