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2025.07.27

西脇工・新妻遼己が5000m32大会ぶり日本人V!「世界を目指すのであれば優勝しないといけないと思っていた」/広島IH
西脇工・新妻遼己が5000m32大会ぶり日本人V!「世界を目指すのであれば優勝しないといけないと思っていた」/広島IH

インターハイ男子5000mで優勝した新妻遼己

◇全国高校総体(インターハイ、7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島)3日目

広島インターハイの3日目が行われ、男子5000mはタイムレース3組を13分50秒05で制した新妻遼己(西脇工3兵庫)が日本人32大会ぶり(2020年の中止を挟んで)の優勝を成し遂げた。

2組を終了し、トップは2組1着のキプロブ・ケンボイ(倉敷2岡山)で14分04秒87。そのタイムをターゲットに、新妻はスタートから先頭に立ち、最初の1000mを2分43秒通過というハイペースを作り出す。その背中にフェリックス・ムティアニ(山梨学院3)がつく展開。初日の1500mではムティアニがハイペースで引っ張って新妻が終始2番手という展開から、ムティアニが3分39秒20の大会新V、新妻が高校歴代3位の3分40秒83で2位と歴史的激闘が繰り広げられたが、この日は「後ろにつく選択肢もありましたが、まずは1000mを引っ張って自分のレースにしよう」と新妻が逆の流れに持っていった。

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中盤でジェームス・カルリ(青森山田3)ら留学生が先頭に立ち、新妻は時折前をうかがいつつ3番手あたりをキープ。古川陽樹(盛岡大附3岩手)が前に出た時も冷静に対応し、勝機をうかがいながら力を溜める。そして、残り1000mで敢然と先頭に立つと、ペースを上げて抜け出しにかかった。

ムティアニ、菅野元太(仙台育英3宮城)、栗村凌(学法石川3福島)が追い、優勝争いは4人に絞られる。そしてラスト1周、最初に遅れたのはムティアニだった。日本人3選手が前に出るなか、新妻のスパートがさく裂。徐々にギアを上げながら引き離すと、残り250m、残り200mと2段階で強烈な切り替えを見せ、菅野、栗村を置き去りにした。

そのまま逃げ切り、日本人選手にとって大きな壁となっていた5000mのタイトルをつかんだ新妻は「昨日、(5000m競歩で同期の)山田大智がプレッシャーがある中でしっかり優勝を勝ち取ってくれて、次は自分もという思いで走りました。留学生を抑えて優勝というのができたので、とてもうれしいです」と笑顔が弾けた。日本人選手としては1992年宮崎大会の中原大輔(由良育英・鳥取/現・鳥取中央育英)以来の優勝に、「日頃から留学生がいようが、世界を目指すのであれば優勝というのはしないといけないと思っていたので、できて良かったです」と胸を張る。

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双子の弟・昂己とともに中学時代から名を馳せ、昨年は5000mでインターハイ6位、高2歴代4位の13分41秒68をマークした。今季は近畿大会1500mで当時高校歴代6位の3分43秒94を出すなどさらに力をつけ、高校最後の夏で高校ナンバーワン・ランナーの座に就いた。

「次は全国高校駅伝で1区区間賞を取ることが目標」と新妻。昨年の都大路で1区日本人最高の28分43秒をマークした鈴木琉胤(八千代松陰・千葉/現・早大)からは「次はお前が超えろ」と言われたそうで、「その期待に応えられる走りができたらなと思います」と力強く語った。

◇全国高校総体(インターハイ、7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島)3日目 広島インターハイの3日目が行われ、男子5000mはタイムレース3組を13分50秒05で制した新妻遼己(西脇工3兵庫)が日本人32大会ぶり(2020年の中止を挟んで)の優勝を成し遂げた。 2組を終了し、トップは2組1着のキプロブ・ケンボイ(倉敷2岡山)で14分04秒87。そのタイムをターゲットに、新妻はスタートから先頭に立ち、最初の1000mを2分43秒通過というハイペースを作り出す。その背中にフェリックス・ムティアニ(山梨学院3)がつく展開。初日の1500mではムティアニがハイペースで引っ張って新妻が終始2番手という展開から、ムティアニが3分39秒20の大会新V、新妻が高校歴代3位の3分40秒83で2位と歴史的激闘が繰り広げられたが、この日は「後ろにつく選択肢もありましたが、まずは1000mを引っ張って自分のレースにしよう」と新妻が逆の流れに持っていった。 中盤でジェームス・カルリ(青森山田3)ら留学生が先頭に立ち、新妻は時折前をうかがいつつ3番手あたりをキープ。古川陽樹(盛岡大附3岩手)が前に出た時も冷静に対応し、勝機をうかがいながら力を溜める。そして、残り1000mで敢然と先頭に立つと、ペースを上げて抜け出しにかかった。 ムティアニ、菅野元太(仙台育英3宮城)、栗村凌(学法石川3福島)が追い、優勝争いは4人に絞られる。そしてラスト1周、最初に遅れたのはムティアニだった。日本人3選手が前に出るなか、新妻のスパートがさく裂。徐々にギアを上げながら引き離すと、残り250m、残り200mと2段階で強烈な切り替えを見せ、菅野、栗村を置き去りにした。 そのまま逃げ切り、日本人選手にとって大きな壁となっていた5000mのタイトルをつかんだ新妻は「昨日、(5000m競歩で同期の)山田大智がプレッシャーがある中でしっかり優勝を勝ち取ってくれて、次は自分もという思いで走りました。留学生を抑えて優勝というのができたので、とてもうれしいです」と笑顔が弾けた。日本人選手としては1992年宮崎大会の中原大輔(由良育英・鳥取/現・鳥取中央育英)以来の優勝に、「日頃から留学生がいようが、世界を目指すのであれば優勝というのはしないといけないと思っていたので、できて良かったです」と胸を張る。 双子の弟・昂己とともに中学時代から名を馳せ、昨年は5000mでインターハイ6位、高2歴代4位の13分41秒68をマークした。今季は近畿大会1500mで当時高校歴代6位の3分43秒94を出すなどさらに力をつけ、高校最後の夏で高校ナンバーワン・ランナーの座に就いた。 「次は全国高校駅伝で1区区間賞を取ることが目標」と新妻。昨年の都大路で1区日本人最高の28分43秒をマークした鈴木琉胤(八千代松陰・千葉/現・早大)からは「次はお前が超えろ」と言われたそうで、「その期待に応えられる走りができたらなと思います」と力強く語った。

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