◇第100回箱根駅伝予選会(10月14日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km)
来年正月の第100回箱根駅伝の出場権を懸けた箱根駅伝予選会が行われ、駿河台大が総合12位に入り、2年ぶり2回目の本戦切符をもぎ取った。
徳本一善駅伝監督は「ホッとしているのが正直な気持ちです」と胸をなでおろしつつ、「100%の力を出し切ってくれ、本当に素晴らしい走りをしてくれたと思います」と選手たちを持ち上げた。
チームのムードはなかなか上がってこなかった。脚の痛みなどで練習に臨むメンバーが勢ぞろいせず、もどかしい日々が直前まで続いた。「変わったのは1ヵ月前です。急に空気が変わったんです」と徳本監督は振り返る。
「夏合宿でやるべき(力の)『上乗せ』はなかったのですが、今ある力を100%出すところにはもってこられました」(徳本監督)。10000mのタイムなどによる戦力判定は「圏外」。前評判の低さをむしろ発奮材料にした。
「良くて13位、悪くて16位と分析していた。しかし駅伝は何が起こるか分からない。その面白さに、自分たちを絶対に嵌めるぞ、と」(徳本監督)。その意気を体現した選手たちが、10kmを5位、15kmを7位で通過し攻めの走りを展開していく。
残り3kmで有力校の反撃を受け順位を下げたがしのぎ切った。総合タイムは10時間39分40秒で、落選校との差はわずか10秒。前回19位からのV字回復も含め、下剋上のドラマを作り上げた。
新山舜心主将(4年)のキャプテンシーのさることながら、スティーブン・レマイヤン(1年)と新山に続いた古橋希翁(1年)と東泉大河(2年)のフレッシュな力がチームを引き上げた。2年生が6人出走し、その全員がチーム内10位以内に。入学前に本戦出場を見て、高い志を持つ学年の発奮が効いた。
スピードに秀でる東泉(とうせん)大河は、「予選会まで1ヵ月を切ってから、『箱根に行くぞ』と毎日言っていました。『おはよう』のノリで。思いは言葉で表さないといけないと思って」と、大会直前に起きた変化の一端を明かした。
「本戦は『箸にも棒にもかからない』と思われるところから、『マジで!?』と言わせるレースをします」。この予選会と同じ大番狂わせを狙う。
文/奥村 崇
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