HOME 駅伝

2023.10.09

駅伝王者・駒大 盤石のリレーで2年連続3冠へ!鈴木芽吹「主将として勝てたことがうれしい」/出雲駅伝
駅伝王者・駒大 盤石のリレーで2年連続3冠へ!鈴木芽吹「主将として勝てたことがうれしい」/出雲駅伝

5区安原太陽(左)からトップでタスキを受けた鈴木芽吹。主将として区間賞で期待に応えた

◇第35回出雲駅伝(10月9日/6区間45.1km:島根・出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドームフィニッシュ)

第35回出雲駅伝が行われ、前回優勝校の駒大が大会記録を41秒更新する2時間7分51秒で連覇を飾った。出雲での駒大の優勝は5度目で、山梨学大の最多6回に次ぐ回数となった。

昨年度学生駅伝3冠を達成した王者・駒大。新たな駅伝シーズンを迎えてもその勢いは止まらなかった。

広告の下にコンテンツが続きます

1月の箱根駅伝で優勝した後もメンバーはロードやトラックで活躍。篠原倖太朗(3年)は2月の丸亀ハーフマラソンで日本人学生最高の1時間0分11秒をマークしたのを皮切りに、3月の日本学生ハーフでも優勝を飾り、ワールドユニバーシティゲームズの代表に内定。4月の金栗記念でも10000mで日本人トップの快走を見せた。

5月の関東インカレは2部10000mで唐澤拓海(4年)が日本人トップの4位に食い込み、伊藤蒼唯(2年)も8位と続く。同ハーフマラソンでは赤星雄斗(4年)と山川拓馬(2年)がワン・ツーを決めた。さらに、佐藤圭汰(2年)は6月の日本選手権5000mは4位入賞を果たし、1週間前のアジア大会で日の丸も背負った。

そして、ケガから復帰した主将の鈴木芽吹(4年)は7月に5000mで13分24秒55と自己ベストを更新。8月のユニバでは安原太陽(4年)が5000mで銀メダルを獲得し、篠原もハーフマラソンで個人6位で日本の団体戦銅メダル獲得に貢献した。

シーズン前半で目覚ましい活躍を残したメンバーたち。夏合宿を経て迎えた駅伝初戦の出雲では自信に満ちあふれる継走を披露する。

1区の篠原は2位のIVYリーグ選抜に8秒、3位の國學院大には21秒もの差をつける区間賞でスタートを切ると、2区の佐藤も区間賞。佐藤は中国で行われたアジア大会から3日前に帰国したばかりで、「身体が重くて我慢のレースになった」と言いながらも、2位との差は39秒に拡大した。この時点で、他のチームは駒大を追いかけるよりもそれぞれのポジションで順位争いを演じることになり、3区以降は駒大の独走劇となった。

2年連続でフィニッシュテープを切った鈴木もダメ押しの区間賞。終わってみれば、2位創価大に1分43秒差、大会記録も41秒も更新するレースはまさに完勝といえるものだった。

レース後、「去年とは立場が変わり、キャプテンとして臨んだ駅伝で優勝できたことはうれしい」と話した鈴木。7月の時点では「意識が高い選手とそうでない選手の差があり、このままでは勝てない」という言葉もあったが、9月の選抜合宿あたりから「『自分たちがやらなきゃ』という選手が多くなり、それぞれの状態が上がってくるうちに雰囲気もよくなってきた」という。

また、当日のメンバー変更で補員に回った赤星は「もう一つの出雲駅伝」と呼ばれている出雲市記録会で1着でフィニッシュしたほか、箱根Vメンバーの花尾恭輔(4年)も復調途上。チーム内でのメンバー争いも激しさを増し、それがさらに駒大の選手層の厚さを強くしている。

目標とする「2年連続3冠」に向けてまずは第一関門を無事通過。王者に死角は見当たらない。

◇第35回出雲駅伝(10月9日/6区間45.1km:島根・出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドームフィニッシュ) 第35回出雲駅伝が行われ、前回優勝校の駒大が大会記録を41秒更新する2時間7分51秒で連覇を飾った。出雲での駒大の優勝は5度目で、山梨学大の最多6回に次ぐ回数となった。 昨年度学生駅伝3冠を達成した王者・駒大。新たな駅伝シーズンを迎えてもその勢いは止まらなかった。 1月の箱根駅伝で優勝した後もメンバーはロードやトラックで活躍。篠原倖太朗(3年)は2月の丸亀ハーフマラソンで日本人学生最高の1時間0分11秒をマークしたのを皮切りに、3月の日本学生ハーフでも優勝を飾り、ワールドユニバーシティゲームズの代表に内定。4月の金栗記念でも10000mで日本人トップの快走を見せた。 5月の関東インカレは2部10000mで唐澤拓海(4年)が日本人トップの4位に食い込み、伊藤蒼唯(2年)も8位と続く。同ハーフマラソンでは赤星雄斗(4年)と山川拓馬(2年)がワン・ツーを決めた。さらに、佐藤圭汰(2年)は6月の日本選手権5000mは4位入賞を果たし、1週間前のアジア大会で日の丸も背負った。 そして、ケガから復帰した主将の鈴木芽吹(4年)は7月に5000mで13分24秒55と自己ベストを更新。8月のユニバでは安原太陽(4年)が5000mで銀メダルを獲得し、篠原もハーフマラソンで個人6位で日本の団体戦銅メダル獲得に貢献した。 シーズン前半で目覚ましい活躍を残したメンバーたち。夏合宿を経て迎えた駅伝初戦の出雲では自信に満ちあふれる継走を披露する。 1区の篠原は2位のIVYリーグ選抜に8秒、3位の國學院大には21秒もの差をつける区間賞でスタートを切ると、2区の佐藤も区間賞。佐藤は中国で行われたアジア大会から3日前に帰国したばかりで、「身体が重くて我慢のレースになった」と言いながらも、2位との差は39秒に拡大した。この時点で、他のチームは駒大を追いかけるよりもそれぞれのポジションで順位争いを演じることになり、3区以降は駒大の独走劇となった。 2年連続でフィニッシュテープを切った鈴木もダメ押しの区間賞。終わってみれば、2位創価大に1分43秒差、大会記録も41秒も更新するレースはまさに完勝といえるものだった。 レース後、「去年とは立場が変わり、キャプテンとして臨んだ駅伝で優勝できたことはうれしい」と話した鈴木。7月の時点では「意識が高い選手とそうでない選手の差があり、このままでは勝てない」という言葉もあったが、9月の選抜合宿あたりから「『自分たちがやらなきゃ』という選手が多くなり、それぞれの状態が上がってくるうちに雰囲気もよくなってきた」という。 また、当日のメンバー変更で補員に回った赤星は「もう一つの出雲駅伝」と呼ばれている出雲市記録会で1着でフィニッシュしたほか、箱根Vメンバーの花尾恭輔(4年)も復調途上。チーム内でのメンバー争いも激しさを増し、それがさらに駒大の選手層の厚さを強くしている。 目標とする「2年連続3冠」に向けてまずは第一関門を無事通過。王者に死角は見当たらない。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.10

【箱根駅伝エントリー】登録選手336人が決定 最多出身高は13年ぶりの駅伝名門校! 都道府県別では埼玉が2年連続トップ

第102回箱根駅伝のチームエントリーが12月10日に行われ、今回も1チーム16人、21チーム計336人が選手登録された。 登録選手を出身高校別に見ると、佐久長聖高(長野)が13人で最多となった。続いて、洛南高(京都)が1 […]

NEWS 前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝

2025.12.10

前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回6位の城西大は16人のエントリーの半数を4年生が占めた。櫛部静二監督は「ここ数年、この4年生の力によって、城西大としては上 […]

NEWS 15年ぶりVへ!早大・花田勝彦監督「往路優勝のオーダーを」山口智規主将を「胴上げしたい」/箱根駅伝

2025.12.10

15年ぶりVへ!早大・花田勝彦監督「往路優勝のオーダーを」山口智規主将を「胴上げしたい」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回4位の早大は「5強」の一角として、15年ぶり優勝をしっかりと視界に捉える。 就任4年目を迎えた花田勝彦駅伝監督は、今年度で […]

NEWS 99回目出場の中大・藤原監督「いい顔でスタートを」4年生が優勝へ執念「勝たせてやりたい」/箱根駅伝

2025.12.10

99回目出場の中大・藤原監督「いい顔でスタートを」4年生が優勝へ執念「勝たせてやりたい」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 全日本大学駅伝で2位を占めた中大は、前回5位からの躍進を期す。藤原正和監督は「いいチームができました」と胸を張って語る。 1年 […]

NEWS 第102回箱根駅伝ゲスト解説に駒大OB・篠原倖太朗、國學院大OB・平林清澄ら 往路さらなる特別ゲストも

2025.12.10

第102回箱根駅伝ゲスト解説に駒大OB・篠原倖太朗、國學院大OB・平林清澄ら 往路さらなる特別ゲストも

関東学生陸上競技連盟が12月10日、第102回箱根駅伝の開催要項を発表し、テレビ中継する日本テレビの放送についても合わせて発表された。 2026年1月2日の往路、3日の復路ともに7時から生中継。放送センターでの解説は往路 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top