◇第19回アジア大会(9月29日~10月5日/中国・杭州)
中国・杭州で開催されている第19回アジア大会の陸上競技の5日目の午後セッションに行われた男子4×100mリレーで日本は38秒44の銀メダルを獲得した。
予選と同じ桐生祥秀(日本生命)、小池祐貴(住友電工)、上山紘輝(住友電工)、宇野勝翔(順大)で臨んだ日本。予選(38秒99)からしっかりタイムを縮めたものの、最後に中国に逆転を許して連覇はならなかった。
10年ぶりに1走を務めた桐生は、「全員で金メダルを取るのが目標でした。2大会連続は叶わなかったですが、メンバーがこうして替わるなかで雰囲気も良かった」と言う。自身もケガ明けから100m2本、リレー2本を完走。「疲労感もなかった」と言い、「僕と小池君がもっと速く走れば金メダルも行けたんじゃないかなと、悔しいです」と若手2人の力走を称えていた。
小池は激走を見せたが「(中国を)抜かせなかったかぁと。もう3走に来てしまった、という感じ」と振り返る。結果について「桐生君が言ったように、僕らは前を見るしかない。何時間かは落ち込んで、寝て起きたら次にこのメンバーでやったらどうやって勝つか。前向きになるのが一番大事なこと」と語った。
200m金メダリストの上山は快走を見せてトップで宇野へバトンを渡す。「疲労はいいわけ。予選から修正はできましたが、もっと自分の走りがしたかった」と振り返る。そして、「来年のパリ五輪に向けて、自分が走るつもりでメンバーに絡んでいきたいです」と意気込んだ。
中国に競りかけられて「力んでしまった」と悔やむ宇野は、「初代表というのはいいわけにならない。勝ちきれなかったのは自分の弱さ」とうつむく。それでも、「兄貴たちは『今後に生かしてほしい』と前向きな声をかけてくれたので、今日だけ落ち込んでしっかり次に生かしたい」と笑顔を見せた。
「初代表の宇野君がメダルを持って帰れる。世界大会を走ったことのある僕らは、次は良いメダルを持って笑顔で話せるようにしたい。どんなリレーチームになっても目指すことは変わりません。悔しい思いもありますが、それでも誇りを持ってメダルをしっかりかけて帰りたいと思います」
今季結果を出したサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)や栁田大輝(東洋大)、坂井隆一郎(大阪ガス)は不在。山縣亮太(セイコー)や多田修平(住友電工)も復調途上にいる。そうしたなか、これまで日本4継の伝統を継承し、を牽引してきた桐生が語ったように、どんなメンバーでも、どんな大会でも絆をつないで、メダルを目指す。そんな姿勢を改めて示したアジア大会での銀メダルだった。
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