◇第110回日本選手権(6月12~14日/愛知・パロマ瑞穂スタジアム)3日目
名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子110mハードルは泉谷駿介(住友電工)が13秒17(+1.0)をマークして2年連続5度目の優勝を果たした。
フィニッシュすると大の字になって倒れ込んだ。「プレッシャーはもちろんあるけど、こういう試合こそ『生きている』感じがします」。日本一に送られた大歓声を全身で浴びた。
順大の後輩・阿部竜希(エターナルホスピタリティグループ)との一騎打ちの様相。準決勝も同組で中間でバランスを崩し先着を許していた。
「練習でもハードルにぶつけることが多かった」と技術的にはやや不安もあるなかスタート。「重心を高くして入っていく」という1台目へのアプローチから攻めたが、「内容はあまり満足できない」。
それでも準決勝とは逆に中盤で力みが出た阿部に対し、1台1台越えていき、13秒17で勝ちきったのは貫禄だった。「3本走ることができて、勝ちきれて本当にうれしいです」と言い、「本当に楽しめました」と笑う。
「やっぱり競技が好きですし、昨日も2本走って本当に心から楽しめました」
この種目を世界基準に高めた立役者。23年のブダペスト世界選手権では日本人初のファイナルに進んだ。だが、その後は高いスピードゆえにインターバルの刻みに苦心。世界の壁にぶつかり「どうすればいいのか」と頭を悩まされた。
休みの日まで公園に集まって友達と練習していた中学時代から陸上が大好きだった泉谷から、いつしか笑顔が消えていた。パリ五輪、東京世界選手権もファイナルに届かず。その間、後輩の村竹ラシッド(JAL)が成長し、日本人初の12秒台も先を越された。
今年からよりハードル技術を高めるため、日女体大の大橋祐二コーチにアドバイスを求めた。ハードルの基本的な動きから見直し、「やることがいっぱいある」。それがまた楽しい。「練習と試合の動きのギャップが大きい」とは言うものの、徐々に光が見えてきた。
久しぶりに「12秒台も目指していきたい」と、“12秒”を口にした泉谷。「ハードリング、着地のところなど課題がいっぱい。それを一つひとつつぶしていきたい」。今後は欧州転戦も予定し、そこで試しながら技術に磨きをかける。
初のアジア大会代表。ライバルを聞かれ「それはラシッドですよ」と笑顔。ともに代表入りとなり、「海外も出て、良い走りをしている。切磋琢磨して頑張りたい」。苦しみ抜いたからこそ、楽しみながらつかみとった日本一。ここが再浮上への大きなステップになる。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.11.02
2026.10.31
【大会結果】第58回全日本大学駅伝(2026年11月1日)
2026.10.29
富士通が新寮を公開!低酸素ルームやサウナなど完備「競技に集中できる」
2026.10.31
2026.11.01
2026.10.31
2026.10.17
【大会結果】第103回箱根駅伝予選会/チーム総合(2026年10月17日)
2026.10.08
2026.10.05
2026.10.17
Latest articles 最新の記事
2026.11.02
2027年全日本大学駅伝の地区出場枠が決定! 関東15、関西4で変わらず 他地区は1枠ずつ
日本学連は11月2日、前日の1日に開催された第58回全日本大学駅伝の結果を受け、2027年に開催予定の第59回大会における各地区学連の出場枠を発表した。 全日本大学駅伝の出場校数は25校。8つの地区学連(北海道、東北、関 […]
2026.11.02
ニューイヤー駅伝統一予選会の27年11月開催が正式決定!7区間で実施、出場要件の5000m 平均基準タイムも確定
日本実業団連合は11月2日、全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の統一予選会を2027年11月に愛知県田原市で開催することを正式に発表した。 同連合では昨年、ニューイヤー駅伝をさらに活性化させるべく、最短で2027年 […]
Latest Issue
最新号

2026年11月号 (10月14日発売)
アジア大会総特集
駅伝プレビュー

