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2023.10.17

福島大がユニフォームを新調 名門復活へのきっかけに !!  緊急オーダーにクレーマージャパンが対応
福島大がユニフォームを新調 名門復活へのきっかけに !!  緊急オーダーにクレーマージャパンが対応

9月からクレーマージャパン製のユニフォームを着用している福島大の選手たち。写真は9月22日~ 24日に開催された国公立27大学対校の最終種目だったマイルリレーで男女ともに優勝を飾ったメンバー

福島大学陸上競技部は日本女子短距離に多大な功績を残した名門として知られるが、長年チームを率いてきた川本和久氏が昨年5月に他界。その後、競技者としても指導者としても川本氏の薫陶を受けた吉田真希子氏が監督のバトンを引き継いだ。この夏にはチームユニフォームをデザインから新調。その過程は、伝統として守っていく〝福島大らしさ〟と、新たに切り拓いていくべきチームの在り方とを、部員全員で考え、共有する貴重な機会となった。

相談3日後にデザイン案が来る驚きのスピード対応

福島大の吉田真希子監督が、クレーマージャパンに電話を入れたのは、7月も半ばを過ぎた頃のことだった。
「それまでお願いしていたメーカーがアパレル事業を行わないことになり、チームユニフォームを注文できるところを新たに探さなければならなかったんです」

製品は、9月14日~17日に熊谷で開催される日本インカレまでに用意する必要があった。ゼロからスタートすることを考えると、すでにタイトなスケジュールだ。だが、チームカラーの〝ローズピンク〟にはこだわりたいし、デザインや機能面についても妥協したくない……。吉田監督はさまざまな縁でつながっていたクレーマージャパンに相談したところ、この想いを理解し、叶えるべく奔走してくれた。

快諾を得た吉田監督は、以後、そのスピード感に驚かされ続けることになる。
「まず3日後には、私が伝えていたイメージを基にしたデザイン案がいくつも送られてきたんです。ピンクってすごく幅が広い色味なので、〝福島大のローズピンク〟を共有するのは簡単ではないだろうと思っていたのですが、その段階で〝ローズピンク〟だけでもたくさんのバリエーションを示してくれました」

翌週にはウエアの採寸が行われ、2週間後には発注へ。デザインの検討と試作は同時進行していた。

偉大な指導者がゼロから築いた「女子スプリントの名門」

福島大陸上競技部と言えば、「女子スプリントの名門」という言葉がパッと浮かんでくる。前監督の川本和久氏が1980年代に福島大へ着任して以降、類いまれな情熱と指導力で強豪大学へと育て上げ、次々とトップアスリートを輩出。日本記録変遷史には多くの卒業生が名を連ねているし、日本インカレでも大所帯で挑んでくる有力校を相手に、2007年・2008年に女子総合で連覇も果たしている。その川本氏ががん闘病の末、昨年5月に他界。以降、現役時代の終盤はプレーイングコーチの立場で、引退後はコーチとして川本氏を支えつつ指導法を学んできた吉田監督がすべての舵をとることになった。

ただ、真にチームを率いる立場となった時、「川本先生がやってきたことをそのままやっていたら、それは停滞を意味する」と吉田監督。さらに前へ進むために新しい風を吹き込んでいく必要があると考えた。
「川本先生はリーダーとして先頭に立ってチームを引っ張って来られた方でしたが、私の場合は〝ともに並んで〟というスタンスのほうが自分らしい。そこで、〝ついて来い〟ではなく〝一緒に行こう〟というチームをつくっていくことを目指すことにしたんです」

ユニフォーム新調を名門復活へのきっかけにしたいと話す福島大の吉田真希子監督

伝統を大切にしつつ、チームの未来を考えた新デザイン

そうした変換期を迎えていた中、今回のユニフォーム新調は思いがけない効果をチームにもたらすことになった。「最初は、川本先生が残されたデザインを踏襲するかたちでつくろうとしていたのですが、クレーマージャパンの担当者から『チームとしての未来に向けて次の展開を考えていく時に、今までの伝統も大切にしつつ、新しいアイデアを組み込んでは』と提案されたんです」と吉田監督。

「なるほど、確かに」と受け入れ、色見本やデザイン案、サンプルを見ながら学生たちと一緒に検討を重ねていくなかで、それは自然と起きていた。

「〝福島大のローズピンク〟ってどんな色なんだろう。きれいというだけでなく、強さも出したいよね。このローズピンクがぴったりなんじゃないか。強さを際立たせるためにこれを差し色にしてみようと、みんなで言い合うなかで、気がついたら、〝福島大らしさとは何か〟〝どんなチームにしていきたいのか〟といったことをディスカッションしていたんです。まあ、最後の最後は私が〝これ!〟って決めたわけですが(笑)、そうやって一つひとつをみんなで考えながら進めたプロセスは、とても意味がありました」

〝福島大らしさ〟を象徴したローズピンク基調の新ユニフォーム。左が男子用、右が女子用。クレーマージャパン製らしく快適かつパフォーマンス発揮に寄与するために選びぬかれた素材を採用し、カッティングなども動きやすさを追求した工夫が随所に施されている。クレーマージャパンでは、近年問題視される盗撮被害について15年以上前から取り組み、透過撮影防止の素材を用いたウエアも展開。また、2018年~2021年まで日本パラ陸上競技連盟のオフィシャルパートナーとして代表ウエアを担当した

2011年の東日本大震災によって、その後の数年は入部者が激減。戻ってきたかと思った矢先で、今度はコロナ禍に見舞われ、競技会出場だけでなく、あらゆることが大きく制限される日々を余儀なくされた。「残念ながら競技力は低迷しているのが現状です。だからこそ、これまで大切にしてきた〝福島大らしさ〟は忘れることなく、ここからまた新しくチームを創っていきたい」と言う。

お披露目となった東北地区大学総体で34年ぶり男女総合V

日本インカレを目指して進めていた新ユニフォームは、クレーマージャパン側の尽力もあって、9月1日、2日に行われた東北地区大学総体の直前に納品。この対校戦が〝お披露目の場〟となった。
「部員たちに、『ユニフォームは、昔の侍で言えば鎧。今日は、それを着ていれば強いと誰もが認識するユニフォームをつくっていく1日目だから、みんなでがんばろう!』と呼びかけて送り出しました。すると、選手が次々と自己新記録をマークしてどんどん波に乗っていったんです」

最終的に、男女ともに総合優勝。男子は実に1989年以来の総合Vで、これによって34年ぶりとなる男女総合優勝を達成することができた。揺るぎなく大切にしたい〝福島大らしさ〟を象徴するローズピンクを基調に、デザインや機能面、そして仕上がりまでの過程で今までになかった新たな風が吹き込まれたユニフォームが、チームとしても、そして個々の選手にとっても、験のいいポジティブなイメージを持つ〝鎧〟となった瞬間だった。

「ローズピンクって、〝献身〟とか〝実り〟とか、そういう意味があるんです。チームに対して、みんなでエネルギーを投じていくような、そんなチームにしたい。そこに向かって、より主体的にやっていけるようしていきたいですね」と吉田監督。

伝統校としての誇りを胸に、福島大学は、新たな歴史を刻んでいく。

※この記事は『月刊陸上競技』2023年11月号に掲載しています

文/児玉育美、撮影/有川秀明

福島大学陸上競技部は日本女子短距離に多大な功績を残した名門として知られるが、長年チームを率いてきた川本和久氏が昨年5月に他界。その後、競技者としても指導者としても川本氏の薫陶を受けた吉田真希子氏が監督のバトンを引き継いだ。この夏にはチームユニフォームをデザインから新調。その過程は、伝統として守っていく〝福島大らしさ〟と、新たに切り拓いていくべきチームの在り方とを、部員全員で考え、共有する貴重な機会となった。

相談3日後にデザイン案が来る驚きのスピード対応

福島大の吉田真希子監督が、クレーマージャパンに電話を入れたのは、7月も半ばを過ぎた頃のことだった。 「それまでお願いしていたメーカーがアパレル事業を行わないことになり、チームユニフォームを注文できるところを新たに探さなければならなかったんです」 製品は、9月14日~17日に熊谷で開催される日本インカレまでに用意する必要があった。ゼロからスタートすることを考えると、すでにタイトなスケジュールだ。だが、チームカラーの〝ローズピンク〟にはこだわりたいし、デザインや機能面についても妥協したくない……。吉田監督はさまざまな縁でつながっていたクレーマージャパンに相談したところ、この想いを理解し、叶えるべく奔走してくれた。 快諾を得た吉田監督は、以後、そのスピード感に驚かされ続けることになる。 「まず3日後には、私が伝えていたイメージを基にしたデザイン案がいくつも送られてきたんです。ピンクってすごく幅が広い色味なので、〝福島大のローズピンク〟を共有するのは簡単ではないだろうと思っていたのですが、その段階で〝ローズピンク〟だけでもたくさんのバリエーションを示してくれました」 翌週にはウエアの採寸が行われ、2週間後には発注へ。デザインの検討と試作は同時進行していた。

偉大な指導者がゼロから築いた「女子スプリントの名門」

福島大陸上競技部と言えば、「女子スプリントの名門」という言葉がパッと浮かんでくる。前監督の川本和久氏が1980年代に福島大へ着任して以降、類いまれな情熱と指導力で強豪大学へと育て上げ、次々とトップアスリートを輩出。日本記録変遷史には多くの卒業生が名を連ねているし、日本インカレでも大所帯で挑んでくる有力校を相手に、2007年・2008年に女子総合で連覇も果たしている。その川本氏ががん闘病の末、昨年5月に他界。以降、現役時代の終盤はプレーイングコーチの立場で、引退後はコーチとして川本氏を支えつつ指導法を学んできた吉田監督がすべての舵をとることになった。 ただ、真にチームを率いる立場となった時、「川本先生がやってきたことをそのままやっていたら、それは停滞を意味する」と吉田監督。さらに前へ進むために新しい風を吹き込んでいく必要があると考えた。 「川本先生はリーダーとして先頭に立ってチームを引っ張って来られた方でしたが、私の場合は〝ともに並んで〟というスタンスのほうが自分らしい。そこで、〝ついて来い〟ではなく〝一緒に行こう〟というチームをつくっていくことを目指すことにしたんです」 [caption id="attachment_116097" align="alignnone" width="800"] ユニフォーム新調を名門復活へのきっかけにしたいと話す福島大の吉田真希子監督[/caption]

伝統を大切にしつつ、チームの未来を考えた新デザイン

そうした変換期を迎えていた中、今回のユニフォーム新調は思いがけない効果をチームにもたらすことになった。「最初は、川本先生が残されたデザインを踏襲するかたちでつくろうとしていたのですが、クレーマージャパンの担当者から『チームとしての未来に向けて次の展開を考えていく時に、今までの伝統も大切にしつつ、新しいアイデアを組み込んでは』と提案されたんです」と吉田監督。 「なるほど、確かに」と受け入れ、色見本やデザイン案、サンプルを見ながら学生たちと一緒に検討を重ねていくなかで、それは自然と起きていた。 「〝福島大のローズピンク〟ってどんな色なんだろう。きれいというだけでなく、強さも出したいよね。このローズピンクがぴったりなんじゃないか。強さを際立たせるためにこれを差し色にしてみようと、みんなで言い合うなかで、気がついたら、〝福島大らしさとは何か〟〝どんなチームにしていきたいのか〟といったことをディスカッションしていたんです。まあ、最後の最後は私が〝これ!〟って決めたわけですが(笑)、そうやって一つひとつをみんなで考えながら進めたプロセスは、とても意味がありました」 [caption id="attachment_116096" align="alignnone" width="800"] 〝福島大らしさ〟を象徴したローズピンク基調の新ユニフォーム。左が男子用、右が女子用。クレーマージャパン製らしく快適かつパフォーマンス発揮に寄与するために選びぬかれた素材を採用し、カッティングなども動きやすさを追求した工夫が随所に施されている。クレーマージャパンでは、近年問題視される盗撮被害について15年以上前から取り組み、透過撮影防止の素材を用いたウエアも展開。また、2018年~2021年まで日本パラ陸上競技連盟のオフィシャルパートナーとして代表ウエアを担当した[/caption] 2011年の東日本大震災によって、その後の数年は入部者が激減。戻ってきたかと思った矢先で、今度はコロナ禍に見舞われ、競技会出場だけでなく、あらゆることが大きく制限される日々を余儀なくされた。「残念ながら競技力は低迷しているのが現状です。だからこそ、これまで大切にしてきた〝福島大らしさ〟は忘れることなく、ここからまた新しくチームを創っていきたい」と言う。

お披露目となった東北地区大学総体で34年ぶり男女総合V

日本インカレを目指して進めていた新ユニフォームは、クレーマージャパン側の尽力もあって、9月1日、2日に行われた東北地区大学総体の直前に納品。この対校戦が〝お披露目の場〟となった。 「部員たちに、『ユニフォームは、昔の侍で言えば鎧。今日は、それを着ていれば強いと誰もが認識するユニフォームをつくっていく1日目だから、みんなでがんばろう!』と呼びかけて送り出しました。すると、選手が次々と自己新記録をマークしてどんどん波に乗っていったんです」 最終的に、男女ともに総合優勝。男子は実に1989年以来の総合Vで、これによって34年ぶりとなる男女総合優勝を達成することができた。揺るぎなく大切にしたい〝福島大らしさ〟を象徴するローズピンクを基調に、デザインや機能面、そして仕上がりまでの過程で今までになかった新たな風が吹き込まれたユニフォームが、チームとしても、そして個々の選手にとっても、験のいいポジティブなイメージを持つ〝鎧〟となった瞬間だった。 「ローズピンクって、〝献身〟とか〝実り〟とか、そういう意味があるんです。チームに対して、みんなでエネルギーを投じていくような、そんなチームにしたい。そこに向かって、より主体的にやっていけるようしていきたいですね」と吉田監督。 伝統校としての誇りを胸に、福島大学は、新たな歴史を刻んでいく。 ※この記事は『月刊陸上競技』2023年11月号に掲載しています 文/児玉育美、撮影/有川秀明

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