中国・杭州で開かれるアジア大会の男子100m代表に選ばれている桐生祥秀(日本生命)がオンラインで合同取材に応え、大会に向けた意気込みを語った。
「国際大会は久しぶりなのでワクワクしています」と桐生。100m個人での国際舞台は2019年ドーハ世界選手権以来となる。
昨年の日本選手権後に休養を取った桐生だが、今シーズンからレースに復帰。5月の木南記念の予選では10秒03をマークして復活をアピールした。しかし、続くセイコーゴールデングランプリ予選のレース中に左脚を肉離れ。戦線離脱を余儀なくされた。
アジア大会代表が決まったのは6月。打診を受けた時はケガから復帰途上だったが、「チャンスが回ってきたのなら出るしかないと即決しました」と桐生。「秋なら大丈夫」と照準を合わせた。
「1ヵ月と1週間くらいで回復」して練習を再開したというが、その1週間後に同じ左脚の肉離れ。トータルで「2ヵ月ほど走れなかったので、本当なら夏に復帰する予定でしたが、レースは秋となりました」と経緯を明かす。
走れない期間は「筋力を落とさないように補強」し、全力で走れるようになったのは8月になってから。月末には2泊3日で準高地の富士北麓で集中合宿し、ブロックを使ってのスタートダッシュや加速局面の確認をし、「充実した練習ができました」と話す。
今年28歳になる桐生。「まだ練習の疲れが取れないとかはそこまで感じません」と笑いつつ、自身としてもキャリアを重ね「実現性が高くなった」という。試合のパフォーマンスの波もなくなり、この春の連戦でも徐々にタイムを上げるなど、「練習でやっている動きを試合で組み立てる。タイムどうこうではなく、どういう動きをするか考えられるようになったのは成長だと思います」と語る。
前回の2018年ジャカルタ・アジア大会は4×100mリレーで金メダルを獲得。山縣亮太(セイコー)、ケンブリッジ飛鳥(Nike)、多田修平(当時・関学大、住友電工)とバトンをつないだ。今夏のブダペスト世界選手権、そして杭州アジア大会の代表の顔ぶれも大きく変わったが、「日本陸上界にとってはいいこと」。
そうした中で、ブダペストで「飯塚さん(翔太、ミズノ)が20秒2台を出したり、(佐藤)拳太郎さん(富士通)が日本記録を出したり」と刺激を受け、「1、2年結果が出なくても頑張っていればご褒美がある。僕もそういう選手にならないとって思っています」と、自己ベスト9秒98の更新に意欲を見せる。
実戦復帰は9月22日から24日まで行われる全日本実業団対抗選手権。「どれくらい走れるかわかりませんが、久しぶりのレースで楽しみ。試合になればなんだかんだ言っても走れているので、いけると思います」。今は「スタートはほどほどに出て、40から70mでトップスピードが出せれば勝てると思うので、そこが一番やりたいところ」。多田や坂井隆一郎(大阪ガス)ら前半からスピードに乗る選手を相手に「つられずに自分の走りをする」のをポイントに置く。
「実業団から1週間しかないのですぐにプランを立てて、アジア大会で課題を持ち味を極めていければ。課題はラウンドを重ねること」。もちろん、4×100mリレーでも「東京五輪(途中棄権)から走っていないので、もう一回走りたい。10年くらいバトンパスもやっているので、自信はあります」と『連覇』へ意欲を燃やす。
来年にはパリ五輪、そして25年には東京世界選手権も控えるなか、桐生祥秀の復活が、勢いづく日本陸上界にとっても大きな起爆剤となるのは間違いない。その一歩として、まずは杭州で再びの復活の走りを披露する。
杭州アジア大会の陸上競技は9月29日から10月5日まで開催。男子100mは初日に予選、2日目に準決勝と決勝が行われる。
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