HOME 国内、世界陸上

2023.09.02

世界陸上やり投のスパイクピン変更問題 日本陸連は抗議してWAから謝罪受けるも救済はされず
世界陸上やり投のスパイクピン変更問題 日本陸連は抗議してWAから謝罪受けるも救済はされず

女子やり投予選の様子

8月19日から27日にハンガリー・ブダペストで行われた世界選手権。女子やり投の日本代表選手が予選に臨む際にスパイクのピンを変更するという事案があった。

同種目で対象となったのは斉藤真理菜(スズキ)と上田百寧(ゼンリン)の2人。検定員による予選の前の用具チェックの際、スパイクのピンを交換させられたという。

広告の下にコンテンツが続きます

選手が用意していたのはどの大会でも使用してきた9mmの平行ピンで、世界陸連(WA)が事前に示している規定に沿ったもの。ただ、検定員から「ピットを傷める」という理由から変更を指示されたという。

もちろん、メーカーが製作している規定内のピンであるが、検定員の手元に用意されていた見本の写真が掲載されている資料に載っていなかったため、「見たことがないから」と現場にいた検定員が独断で判断した。その場でピンを外され、別のピンを手で締められたという。

日本陸連はその事象を踏まえて即刻、現場で抗議を行っている。一度は「ルールだ」と門前払いを食らったが引かず、さまざまな資料などを準備して再度抗議。最終的には翌日にWAのテクニカル担当者と選手2名、事務局、コーチが対面し、WAは「ルール上、問題なかった。申し訳ない」と全面的に非を認めた。「決勝ではしっかりと確認する」と返答があったという。

ピンを替えられたのは日本選手2人のみで、「フェアではない」と救済を求めたが、「それ(ピン)が必ず結果に影響したとは言い切れない」という理由から、救済はできないと判定。結果が覆ることはなかった。

広告の下にコンテンツが続きます

このほか、男子走幅跳の吉田弘道(神崎郡陸協)もピンを変更したという。選手1人は「そういう中でも投げなければいけなかった」と話した。選手側として現場でしっかり抵抗し、説得できるような対応も求められる一方、選手団、メーカーともに規定に沿ったものを用意していただけに、世界選手権として杜撰な運営だったと言わざるを得ない。

8月19日から27日にハンガリー・ブダペストで行われた世界選手権。女子やり投の日本代表選手が予選に臨む際にスパイクのピンを変更するという事案があった。 同種目で対象となったのは斉藤真理菜(スズキ)と上田百寧(ゼンリン)の2人。検定員による予選の前の用具チェックの際、スパイクのピンを交換させられたという。 選手が用意していたのはどの大会でも使用してきた9mmの平行ピンで、世界陸連(WA)が事前に示している規定に沿ったもの。ただ、検定員から「ピットを傷める」という理由から変更を指示されたという。 もちろん、メーカーが製作している規定内のピンであるが、検定員の手元に用意されていた見本の写真が掲載されている資料に載っていなかったため、「見たことがないから」と現場にいた検定員が独断で判断した。その場でピンを外され、別のピンを手で締められたという。 日本陸連はその事象を踏まえて即刻、現場で抗議を行っている。一度は「ルールだ」と門前払いを食らったが引かず、さまざまな資料などを準備して再度抗議。最終的には翌日にWAのテクニカル担当者と選手2名、事務局、コーチが対面し、WAは「ルール上、問題なかった。申し訳ない」と全面的に非を認めた。「決勝ではしっかりと確認する」と返答があったという。 ピンを替えられたのは日本選手2人のみで、「フェアではない」と救済を求めたが、「それ(ピン)が必ず結果に影響したとは言い切れない」という理由から、救済はできないと判定。結果が覆ることはなかった。 このほか、男子走幅跳の吉田弘道(神崎郡陸協)もピンを変更したという。選手1人は「そういう中でも投げなければいけなかった」と話した。選手側として現場でしっかり抵抗し、説得できるような対応も求められる一方、選手団、メーカーともに規定に沿ったものを用意していただけに、世界選手権として杜撰な運営だったと言わざるを得ない。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.29

【高校生FOCUS】走高跳・中村佳吾(関大北陽高)「プレッシャーがあったほうが跳べる」

FOCUS! 高校生INTERVIEW 中村佳吾 Nakamura Keigo 関大北陽3大阪 毎月恒例掲載の高校生FOCUSは、男子走高跳の中村佳吾選手(関大北陽3大阪)に2025年を締めくくってもらいます。7月の広島 […]

NEWS インフル乗り越えた大東大・外園監督「出場できることに感謝」名城大・米田監督「総合力で勝ち切る」/富士山女子駅伝

2025.12.29

インフル乗り越えた大東大・外園監督「出場できることに感謝」名城大・米田監督「総合力で勝ち切る」/富士山女子駅伝

12月30日に開催される2025全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の前日会見と開会式が、29日に静岡県富士市内で行われた。 会見には城西大の赤羽周平監督、大東大の外園隆監督、名城大の米田勝朗監督、東北福祉大の冠木雅 […]

NEWS 全日本女王・城西大の赤羽監督は初Vへ「100%が出せれば見えてくる」立命大・杉村監督「この布陣で連覇を」/富士山女子駅伝

2025.12.29

全日本女王・城西大の赤羽監督は初Vへ「100%が出せれば見えてくる」立命大・杉村監督「この布陣で連覇を」/富士山女子駅伝

12月30日に開催される2025全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の前日会見と開会式が、29日に静岡県富士市内で行われた。 会見には城西大の赤羽周平監督、大東大の外園隆監督、名城大の米田勝朗監督、東北福祉大の冠木雅 […]

NEWS 【箱根駅伝区間エントリー】全日本王者・駒大は6区に3度目となる伊藤蒼唯! 主将・山川拓馬、エース・佐藤圭汰らは補欠

2025.12.29

【箱根駅伝区間エントリー】全日本王者・駒大は6区に3度目となる伊藤蒼唯! 主将・山川拓馬、エース・佐藤圭汰らは補欠

第102回箱根駅伝(2026年1月2日、3日)の区間エントリーが12月29日に発表された。 全日本大学駅伝を制し、3年ぶりの優勝を狙う駒大は前回経験者4人を登録。1区は伊勢路でも同区間で区間4位と好走した小山翔也(3年) […]

NEWS 【箱根駅伝区間エントリー】悲願の初Vへ國學院大は2区に主将・上原琉翔! ルーキー・髙石樹が5区 野中恒亨らは補欠

2025.12.29

【箱根駅伝区間エントリー】悲願の初Vへ國學院大は2区に主将・上原琉翔! ルーキー・髙石樹が5区 野中恒亨らは補欠

第102回箱根駅伝(2026年1月2日、3日)の区間エントリーが12月29日に発表された。 出雲駅伝を制し、悲願の初優勝を狙う國學院大は2区に主将の上原琉翔(4年)を登録。1区には前回6区の嘉数純平(4年)、4区には出雲 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top