8月19日から27日にハンガリー・ブダペストで行われた世界選手権。女子やり投の日本代表選手が予選に臨む際にスパイクのピンを変更するという事案があった。
同種目で対象となったのは斉藤真理菜(スズキ)と上田百寧(ゼンリン)の2人。検定員による予選の前の用具チェックの際、スパイクのピンを交換させられたという。
選手が用意していたのはどの大会でも使用してきた9mmの平行ピンで、世界陸連(WA)が事前に示している規定に沿ったもの。ただ、検定員から「ピットを傷める」という理由から変更を指示されたという。
もちろん、メーカーが製作している規定内のピンであるが、検定員の手元に用意されていた見本の写真が掲載されている資料に載っていなかったため、「見たことがないから」と現場にいた検定員が独断で判断した。その場でピンを外され、別のピンを手で締められたという。
日本陸連はその事象を踏まえて即刻、現場で抗議を行っている。一度は「ルールだ」と門前払いを食らったが引かず、さまざまな資料などを準備して再度抗議。最終的には翌日にWAのテクニカル担当者と選手2名、事務局、コーチが対面し、WAは「ルール上、問題なかった。申し訳ない」と全面的に非を認めた。「決勝ではしっかりと確認する」と返答があったという。
ピンを替えられたのは日本選手2人のみで、「フェアではない」と救済を求めたが、「それ(ピン)が必ず結果に影響したとは言い切れない」という理由から、救済はできないと判定。結果が覆ることはなかった。
このほか、男子走幅跳の吉田弘道(神崎郡陸協)もピンを変更したという。選手1人は「そういう中でも投げなければいけなかった」と話した。選手側として現場でしっかり抵抗し、説得できるような対応も求められる一方、選手団、メーカーともに規定に沿ったものを用意していただけに、世界選手権として杜撰な運営だったと言わざるを得ない。
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