◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)6日目
ブダペスト世界陸上6日目のモーニングセッションが行われ、35km競歩はスペインが男女ともに制覇。それも20km金メダルのアルヴァロ・マルティン、マリア・ペレスがそろって2冠に輝き、五輪を含む世界大会史上初の「競歩完全制覇」を成し遂げた。
男子を自国新の2時間24分30秒で制したマルテインは、これまで世界大会の最高成績は2021年東京五輪の4位。そんな29歳が、初日の20kmに今季世界最高の1時間17分32秒で快勝し、35kmでも盤石のレースを見せた。
序盤から集団の中で冷静にレースを進め、川野将虎(旭化成)、ブリアン・ダニエル・ピンタド(エクアドル)との三つ巴の優勝争いの中で、もっとも余裕のある表情。33.2kmでトップに立ち、そのまま逃げ切った。
「東京五輪でメダルを取ることはとても難しいことだと知った。だから、2つも金メダルを取れたことはとても素晴らしいことだ」
そして、男子と同時刻の7時にスタートし、マルティンのフィニッシュから約14分後、大会新の2時間38分40秒でペレスも優勝テープを切った。
4日前の20kmの反動で「ハムストリングスに問題があった」そうだが、戦略とテクニックでカバーした。ハイペースで集団の人数を絞り、19kmで仕掛ける。前回優勝のキンバリー・ガルシア・レオン(ペルー)に一度は追いつかれたが、22kmで振り切った。
不安要素があるからこそ、早めに勝負を決めにかかり、それを実現。ペレスも東京五輪の4位が世界大会最高順位で、「金メダルを2つ獲得できるとは思ってもみなかった。大変だったけど、苦労が報われた」と歓喜を爆発させた。
マルティンが「今日はスペインの日だ!」と言えば、「これは私だけでなくスペインチーム全体にとっても大きな成果 この瞬間を楽しみたい」。
ロシアが2011年テグ大会が男女20kmと男子50kmで1位を取ったことはあったが、後にドーピング違反のため失格に。当時はなかった女子35kmも加えた競歩4冠は、まぎれもない偉業だ。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
Latest articles 最新の記事
2025.05.20
トーエネックの河合拓巳が引退 ニューイヤー駅伝に2度出場「充実した競技生活を送ることができました」
5月20日、トーエネックは所属する河合拓巳が退部したことを発表した。 河合は26歳。愛知・豊橋工高から本格的に走りはじめ、3年時には県高校駅伝1区3位の実績を残す。大学は駿河台大に進み、1年目から箱根駅伝の予選会のメンバ […]
2025.05.20
サニブラウンが渡米 世界陸上まで4ヵ月切り「危機感足りない」日本選手権に向け転戦予定
男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が5月20日、拠点とする米国へと向かうにあたり取材に応じた。 18日のセイコーゴールデングランプリについては「左ハムストリングスの付け根の張りがあった」ことで棄権。「ウ […]
2025.05.20
【プレゼント】クレーマージャパンの 「2025サマーウェア(ボタンダウンポロシャツ)」/2025年6月号
クレーマージャパンは、これから迎える本格的な夏シーズンに向けて「2025サマーウェア」のボタンダウンポロシャツおよび半袖Tシャツの受注生産をオンラインショップでスタートした。 ボタンダウンポロシャツは落ち着いたカラーリン […]
2025.05.19
インターハイ都府県大会 明日は鹿児島 週末は各地で一挙開催 愛知、大阪、福岡はハイレベルな戦いの予感
広島インターハイ(7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島=広島広域公園陸上競技場)を目指し、各地で都府県大会が行われている。 ここまで関東8都県と岐阜が終了し、今週以降はさらに大会が集中する。この1週間の […]
2025.05.19
【男子110mH】木村立樹(桜浜中2) 14秒29=中2歴代5位
5月17日に三重県伊勢市の三重交通Gスポーツの杜伊勢・陸上競技場で行われた第2回南勢記録会の中学男子110mハードルで、中学2年生の木村立樹(桜浜中)が中2歴代5位となる14秒29(+1.8)をマークした。 木村は昨年9 […]
Latest Issue
最新号

2025年6月号 (5月14日発売)
Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定
Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析