HOME 国内、日本代表

2023.07.13

田澤廉 灼熱のバンコクで10000m日本勢42年ぶりV!田中希実、森本麻里子、斉藤真理菜と金メダルラッシュ/アジア選手権
田澤廉 灼熱のバンコクで10000m日本勢42年ぶりV!田中希実、森本麻里子、斉藤真理菜と金メダルラッシュ/アジア選手権

23年アジア選手権10000mを制した田澤廉(トヨタ自動車)

◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)1日目

アジア選手権の1日目がタイ・バンコクで行われ、日本代表の金メダルラッシュに湧いた。

今大会、日本勢金メダル第一号となったのは、トラック種目最初の決勝となった女子1500m。この種目の日本記録(3分59秒19)を持つ田中希実(New Balance)が「ビルドアップして」集団をふるい落とすと、ラスト300mからは観客がどよめく切り替えを見せる。シーズンベスト、パフォーマンス日本歴代9位となる4分06秒76で優勝した。2005年仁川大会(韓国)の杉森美保が作った大会記録(4分12秒69)も大幅に更新。また、日本勢の同種目優勝も杉森以来4人目だった。

広告の下にコンテンツが続きます

さらに4分13秒25で2位に後藤夢(ユニクロ)が入り、兵庫・西脇工高同級生コンビがアジアの金・銀を占めた。いずれもブダペスト世界選手権の参加標準記録にこそ届いていないが、ワールドランキングで出場権獲得をほぼ集中に収めたと言える。

女子やり投の斉藤真理菜(スズキ)は、2回目に61m67をマークしてそのまま金メダルを獲得。東京五輪金メダリストの劉詩穎(中国)を抑えた。6月上旬の日本選手権では、オレゴン世界選手権銅メダリストの北口榛花(JAL)を逆転で抑えて5年ぶりの優勝を飾るなど、ケガなどが続いたここ数年の低調から脱却。2017年ロンドン大会以来の世界選手権出場をたぐり寄せた。

6月の日本選手権で14m16の日本記録を樹立していた女子三段跳の森本麻里子(内田建設AC)が、バンコクでも魅せた。2回目に自身2度目の14m超えとなる14m00(+0.1)をマーク。4、5回目は風向きに苦しみファウルが続き、6回目には14m01(±0)を跳んだ曾蕊(中国)に逆転を許す。

しかし、最終試技者として「緊張せずに自分に集中できた」という森本が、14m06(±0)と再逆転して同種目日本勢初制覇。「アジアを獲って世界選手権に向かいたかった」と、ワールドランキングで初出場が近づくブダペスト世界選手権に向けて大きな弾みとなった。

最終種目の男子10000mは高温多湿という厳しいコンディションの中で、田澤廉(トヨタ自動車)が魂の走りを見せる。途中、差し込み(腹痛)がきてからは「ずっときつかった」。それでも「たくさんの応援を感じた。あきらめたらそこで終わり」と、2大会連続の世界選手権出場を目指して身体を動かす。

途中、脱水気味に陥り「1位を守ることに切り替えた」。脚を止めることはなく、29分18分44秒でアジアを制した。日本勢の優勝は1981年東京大会の伊藤国光以来、42年ぶりとなる。

初日に行われた決勝種目6種目のうち4つを日本勢が獲得。藏重みう(甲南大)、君嶋愛梨沙(土木管理総合)、鶴田玲美(南九州ファミリーマート)、御家瀬緑(住友電工)のオーダーで臨んだ女子4×100mリレーも銀メダルと、まさにメダルラッシュだった。

また、400mは男子が佐藤風雅(ミズノ)と佐藤拳太郎(富士通)、女子は久保山晴菜(今村病院)と松本奈菜子(東邦銀行)が決勝に進出。男子十種競技は初日を終えて丸山優真(住友電工)が4011点で3位につけている。

※選手名に誤りがありましたのでお詫びをして訂正します。

◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)1日目 アジア選手権の1日目がタイ・バンコクで行われ、日本代表の金メダルラッシュに湧いた。 今大会、日本勢金メダル第一号となったのは、トラック種目最初の決勝となった女子1500m。この種目の日本記録(3分59秒19)を持つ田中希実(New Balance)が「ビルドアップして」集団をふるい落とすと、ラスト300mからは観客がどよめく切り替えを見せる。シーズンベスト、パフォーマンス日本歴代9位となる4分06秒76で優勝した。2005年仁川大会(韓国)の杉森美保が作った大会記録(4分12秒69)も大幅に更新。また、日本勢の同種目優勝も杉森以来4人目だった。 さらに4分13秒25で2位に後藤夢(ユニクロ)が入り、兵庫・西脇工高同級生コンビがアジアの金・銀を占めた。いずれもブダペスト世界選手権の参加標準記録にこそ届いていないが、ワールドランキングで出場権獲得をほぼ集中に収めたと言える。 女子やり投の斉藤真理菜(スズキ)は、2回目に61m67をマークしてそのまま金メダルを獲得。東京五輪金メダリストの劉詩穎(中国)を抑えた。6月上旬の日本選手権では、オレゴン世界選手権銅メダリストの北口榛花(JAL)を逆転で抑えて5年ぶりの優勝を飾るなど、ケガなどが続いたここ数年の低調から脱却。2017年ロンドン大会以来の世界選手権出場をたぐり寄せた。 6月の日本選手権で14m16の日本記録を樹立していた女子三段跳の森本麻里子(内田建設AC)が、バンコクでも魅せた。2回目に自身2度目の14m超えとなる14m00(+0.1)をマーク。4、5回目は風向きに苦しみファウルが続き、6回目には14m01(±0)を跳んだ曾蕊(中国)に逆転を許す。 しかし、最終試技者として「緊張せずに自分に集中できた」という森本が、14m06(±0)と再逆転して同種目日本勢初制覇。「アジアを獲って世界選手権に向かいたかった」と、ワールドランキングで初出場が近づくブダペスト世界選手権に向けて大きな弾みとなった。 最終種目の男子10000mは高温多湿という厳しいコンディションの中で、田澤廉(トヨタ自動車)が魂の走りを見せる。途中、差し込み(腹痛)がきてからは「ずっときつかった」。それでも「たくさんの応援を感じた。あきらめたらそこで終わり」と、2大会連続の世界選手権出場を目指して身体を動かす。 途中、脱水気味に陥り「1位を守ることに切り替えた」。脚を止めることはなく、29分18分44秒でアジアを制した。日本勢の優勝は1981年東京大会の伊藤国光以来、42年ぶりとなる。 初日に行われた決勝種目6種目のうち4つを日本勢が獲得。藏重みう(甲南大)、君嶋愛梨沙(土木管理総合)、鶴田玲美(南九州ファミリーマート)、御家瀬緑(住友電工)のオーダーで臨んだ女子4×100mリレーも銀メダルと、まさにメダルラッシュだった。 また、400mは男子が佐藤風雅(ミズノ)と佐藤拳太郎(富士通)、女子は久保山晴菜(今村病院)と松本奈菜子(東邦銀行)が決勝に進出。男子十種競技は初日を終えて丸山優真(住友電工)が4011点で3位につけている。 ※選手名に誤りがありましたのでお詫びをして訂正します。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.17

日本陸連が育成年代の競技会ガイドラインを策定 来年の滋賀インターハイについて18時開始案など対応継続

日本陸連は12月17日に第106回理事会を開き、「育成年代における競技会ガイドライン」を策定したことを発表した。 このガイドラインは日本陸連がかねてから示している「競技者育成指針」に基づいたもので、「育成年代における競技 […]

NEWS 世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

2025.12.17

世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

日本陸連は12月17日、ボツワナ・ハボローネで26年5月2日~3日に開催される世界リレーの日本代表選考要項を発表した。 2027年北京世界選手権の出場権獲得、および世界選手権でのメダル獲得のため、戦略的に選手団をは編成す […]

NEWS U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

2025.12.17

U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

日本陸連は12月17日、米国・オレゴンで8月5日~9日に開催されるU20世界選手権の日本代表選考要項を発表した。 世界で活躍できるU20カテゴリートップレベルの競技者を派遣し、金メダル獲得を目指す選手団を編成する方針。参 […]

NEWS 26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

2025.12.17

26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

日本陸連は12月17日、第106回理事会を開き、来年の第110回日本選手権の参加資格について発表した。 今回は「参加標準記録」と「申込資格」の2つの参加資格を設定し、参加標準記録は高く定められている。ターゲットナンバー( […]

NEWS 今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任

2025.12.17

今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任

全国高校駅伝や箱根駅伝でヒーローになった村澤明伸(SGホールディングス、34歳)が今年度限りでの「引退」を表明した。実業団では故障に苦しみながら、マラソンにも挑戦。北海道マラソンで優勝して、MGCにも出場した。来年度から […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top