HOME 国内

2023.07.13

三浦龍司 世界選手権に向けて「手応えはまずまず」5000mでシーズンベスト/ホクレンDC北見
三浦龍司 世界選手権に向けて「手応えはまずまず」5000mでシーズンベスト/ホクレンDC北見

ホクレンDC北見大会5000mでシーズンベストをマークした三浦龍司 写真/福本ケイヤ

ホクレン・ディスタンスチャレンジ2023北見大会が12日に行われ、男子3000m障害日本記録保持者の三浦龍司(順大)が5000mに出場し、13分31秒31で2着に入った。

三浦が出場したA組は18時50分にスタートし、小雨が降り続くなかレースが行われた。レースはクレオファス・カンディエ(三菱重工)が飛びだし、三浦は第2集団でポジションをキープ。「前半は集団の流れに乗って、ラストの1000mを2分35秒から30秒に上げる」というレースプランを持って臨んでおり、1周65秒2のペース(フィニッシュタイム13分35秒00)の赤いペーシングライトに合わせてレースを進めていた。

集団の中でじわりじわりと順位を上げていくと、4000mを前に集団の先頭に立つ。4000mを10分57秒で通過すると、赤﨑暁(九電工)、横田玖磨(トヨタ自動車九州)を引き連れてカンディエを追った。

そして、残り500mでカンディエをとらえると、先頭争いは三浦と赤﨑の一騎討ちに。残り1周では、8日の網走大会で自己ベスト(13分27秒79)をマークしたばかりの赤﨑に逆転を許したものの、シーズンベストでフィニッシュ。ラストの1000mは2分33秒台までペースアップし、レースプランを完遂させた。

しかしながら、得意のラストスパートで先行を許したことには、「勝ちたかったですけど、(赤﨑の)ギアが多かったですし、ラスト100mの伸びは敵わないなと思いました。そこは残念」と完敗を認めた。

思わぬ敗戦となったものの、三浦は8日まで標高1750mの長野・湯の丸高原で、約1週間にわたって高地合宿を行い、このレースに臨んでいた。

「今回初めて高地での練習をやってみて、(身体に)重さが残っていた。それが、三浦らしくない最後のキレにつながったのかなと思いました」と、長門俊介駅伝監督は敗因を分析。ただ、「ラスト1000mで余力はありそうでしたし、プラン通りのレースだったので、全然悲観するところではありません」と言うように、3000m障害で出場するブダペスト世界選手権に向けては、順調と言っていい。三浦も「今日のレースでやりたかったことはできた。手応えはまずまず」と好感触を得た様子だった。

6月のダイヤモンドリーグ・パリ大会では、世界記録を樹立したラメチャ・ギルマ(エチオピア)には届かなかったものの、三浦もまた自身の日本記録を更新し、2位に入る快挙を成し遂げた。

DLでの快走に、1ヵ月先に迫った世界選手権では周囲からも有力選手の一角として注目を浴びることになる。

「去年の世界選手権は、自分の理想や目標にほど遠い結果になってしまった。今年はレベルアップができていると思うので、その成長を見せられる走りをしたいと思います」

三浦は、新たな取り組みを経て、ブダペストでは進化した走りを見せつけてくれそうだ。

文/福本ケイヤ

ホクレン・ディスタンスチャレンジ2023北見大会が12日に行われ、男子3000m障害日本記録保持者の三浦龍司(順大)が5000mに出場し、13分31秒31で2着に入った。 三浦が出場したA組は18時50分にスタートし、小雨が降り続くなかレースが行われた。レースはクレオファス・カンディエ(三菱重工)が飛びだし、三浦は第2集団でポジションをキープ。「前半は集団の流れに乗って、ラストの1000mを2分35秒から30秒に上げる」というレースプランを持って臨んでおり、1周65秒2のペース(フィニッシュタイム13分35秒00)の赤いペーシングライトに合わせてレースを進めていた。 集団の中でじわりじわりと順位を上げていくと、4000mを前に集団の先頭に立つ。4000mを10分57秒で通過すると、赤﨑暁(九電工)、横田玖磨(トヨタ自動車九州)を引き連れてカンディエを追った。 そして、残り500mでカンディエをとらえると、先頭争いは三浦と赤﨑の一騎討ちに。残り1周では、8日の網走大会で自己ベスト(13分27秒79)をマークしたばかりの赤﨑に逆転を許したものの、シーズンベストでフィニッシュ。ラストの1000mは2分33秒台までペースアップし、レースプランを完遂させた。 しかしながら、得意のラストスパートで先行を許したことには、「勝ちたかったですけど、(赤﨑の)ギアが多かったですし、ラスト100mの伸びは敵わないなと思いました。そこは残念」と完敗を認めた。 思わぬ敗戦となったものの、三浦は8日まで標高1750mの長野・湯の丸高原で、約1週間にわたって高地合宿を行い、このレースに臨んでいた。 「今回初めて高地での練習をやってみて、(身体に)重さが残っていた。それが、三浦らしくない最後のキレにつながったのかなと思いました」と、長門俊介駅伝監督は敗因を分析。ただ、「ラスト1000mで余力はありそうでしたし、プラン通りのレースだったので、全然悲観するところではありません」と言うように、3000m障害で出場するブダペスト世界選手権に向けては、順調と言っていい。三浦も「今日のレースでやりたかったことはできた。手応えはまずまず」と好感触を得た様子だった。 6月のダイヤモンドリーグ・パリ大会では、世界記録を樹立したラメチャ・ギルマ(エチオピア)には届かなかったものの、三浦もまた自身の日本記録を更新し、2位に入る快挙を成し遂げた。 DLでの快走に、1ヵ月先に迫った世界選手権では周囲からも有力選手の一角として注目を浴びることになる。 「去年の世界選手権は、自分の理想や目標にほど遠い結果になってしまった。今年はレベルアップができていると思うので、その成長を見せられる走りをしたいと思います」 三浦は、新たな取り組みを経て、ブダペストでは進化した走りを見せつけてくれそうだ。 文/福本ケイヤ

【動画】雨の中でもシーズンベストの力走!三浦龍司の走りをチェック

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.03

2025全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)出場チーム

■東日本(10) GMOインターネットグループ 6年連続6回目 ヤクルト          12年連続45回目 サンベルクス        5年連続7回目 富士通           5年連続34回目 SUBARU    […]

NEWS 西脇工が1区からトップ快走 県王者奪還し次のターゲットは全国V 女子は須磨学園が圧巻のタスキリレーで2連覇/兵庫県高校駅伝

2024.11.03

西脇工が1区からトップ快走 県王者奪還し次のターゲットは全国V 女子は須磨学園が圧巻のタスキリレーで2連覇/兵庫県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた兵庫県高校駅伝が11月3日、丹波篠山市の高校駅伝コースで行われ、男子(7区間42.195km)は西脇工が2時間5分05秒で2年ぶり29回目のV。女子(5区間21.0975km)は須磨学園が1時 […]

NEWS 美方が3区でトップに立ち6年ぶりの都大路 女子は鯖江は1区で飛び出し区間賞独占で6連覇/福井県高校駅伝

2024.11.03

美方が3区でトップに立ち6年ぶりの都大路 女子は鯖江は1区で飛び出し区間賞独占で6連覇/福井県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた福井県高校駅伝は11月3日、鯖江市の鯖江つつじハーフマラソンコースで行われ、男子(7区間42.195km)は、美方が2時間10分39秒で6年ぶり30回目の優勝を果たした。女子(5区間21.09 […]

NEWS 男女とも大会新で2連覇 男子は3区で首位浮上の浜松日体が2時間8分44秒 女子は浜松市立が最終区で逆転し1時間11分44秒/静岡県高校駅伝

2024.11.03

男女とも大会新で2連覇 男子は3区で首位浮上の浜松日体が2時間8分44秒 女子は浜松市立が最終区で逆転し1時間11分44秒/静岡県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた静岡県高校駅伝が11月3日、袋井市の小笠山総合運動公園内周回コースにて行われた。男子(7区間42.195km)は浜松日体が大会新記録の2時間8分44秒で2年ぶり9回目の制覇。女子(5区間21. […]

NEWS ハンマー投アツオビン・アンドリュウが73m67!5kgのU18日本新記録樹立 今年は高校タイトル4冠

2024.11.03

ハンマー投アツオビン・アンドリュウが73m67!5kgのU18日本新記録樹立 今年は高校タイトル4冠

九州共立大チャレンジ競技会の男子U18ハンマー投(5kg)で、アツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が73m67のU18日本新記録を樹立した。これまでの記録は2017年に久門大起(今治明徳高、現・日大院)が出した70m […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年11月号 (10月11日発売)

2024年11月号 (10月11日発売)

●ベルリンマラソン
●DLファイナル
●インカレ、実業団
●箱根駅伝予選会展望

page top