2023.06.17
6月上旬の日本選手権で2年連続の1500m、5000m2冠に輝いた田中希実(New Balance)が6月16日、自身の公式SNSで次世代アスリートたちに向けたプロジェクト「NON STOP PROJECT」を発足することを発表した。
同プロジェクトは「私が今まで経験してきたこと、考えてきたことを、次世代のアスリートたちに伝える」(原文ママ、以下同)ことが主旨。1500mで東京五輪8位入賞、日本人初の3分台突入(3分59秒19)、そしてプロ選手へ。紆余曲折ありながらも世界を目指して走り続けてきた道のりを、若い選手たちに自ら示す機会を作っていくという。
それと同時に、一緒に活動する機会を作り、「皆さんに私がチャレンジしている世界を垣間見て頂くことで、勇気を与えて、さらに前進するきっかけとしていただきたいと思っています」と、プロジェクト立ち上げへの思いを綴っている。
同プロジェクトの具体的な内容や応募方法は、7月中に発信予定だ。
田中希実がSNSに綴った「NON STOP PROJECT」立ち上げの思い
このプロジェクトを始めようと思ったきっかけは、正直なところ、父の助言によるところが大きいです。私自身、今は選手として自分のことに必死で、次世代のことを考えるゆとりはありませんでした。ただ、沢山の方の協力を得ながら、みんなでこういったプロジェクトを作り上げ、その活動に現役選手が中心となって関与できることは、私自身にとってだけでなく、次世代の選手、また、これからの陸上界にとっても大きな財産になると思いました。 東京五輪の1500mで4分の壁を越えた時、高校からの目標だった「陸上界に影響を与える人になる」ことは達成できたと思いました。ただ、時間が経つにつれ、選手として記録以上の何かを残していかなければ、全ては過去のことになってしまうと感じ始めました。最近は、私自身が自分の作った記録や世界の選手に壁をつくってしまい、競技面でもどうすれば「あの時」を再現できるのかが、分からなくなることもありました。 そこで発想を変え、矢印を自分だけに向けるのではなく、世代やチームの枠組みを越えて、共に高め合いながらノンストップでチャレンジし続けることが、誰であれ新たな歴史を刻むことに繋がり、私自身もが前に進む勇気になると思いました。 スポーツをする上で一番素晴らしいことは、「共に高め合う」姿勢にあると思います。このプロジェクトが世界のトップで戦う日本人選手を増やし、「高め合う姿勢」が陸上界、スポーツ界、世間、やがては世界へと波及していくことを願っています。 働き方改革や、様々な発想の転換によって、部活動や、実業団といった枠組みは次第に曖昧になってきています。トップ選手を育てる上で、一貫性のある育成をするには望ましいことだと思いますが、競技を始めるかかりのタイミングや、これから力をつけていきたいというタイミングで自分に合った場所を見つけられず、取り残されていく子や、のびのび走れない子が増えてくるのではという懸念もあります。 そのため、将来的にオリンピックなど、世界の大舞台で活躍できる選手を発掘したいのはもちろんですが、競技力による格差は最小限にして、純粋に競技を楽しんでいる選手のチャレンジを表現する場となればいいなという思いも大きいです。こういった矛盾した願いがあるため、選考は難航することが予想され、だからこそ、選ばれるかどうかが全てではなく、プロジェクトに参加した全ての選手や、見守ってくださる多くの方々に、自分の可能性に挑戦し続けたいという、人間の根源的な希望を見せ、勇気を与えるきっかけにしたいです。 恥ずかしながら、まだ合宿場所がどこになるか、合宿を終えた後の選手たちへのその後の対応や、今後の関係性をどうしていくか、はっきりしない部分が多いのも事実です。ただ、走り出したからにはノンストッププロジェクトなので、それぞれの競技人生において何かを動かすきっかけになることを、約束したいです。RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.02.16
【女子棒高跳】伊藤来莉(大砂土中1埼玉) 3m60=中1最高
2026.02.16
【女子棒高跳】髙橋美優(観音寺中部中3香川) 3m74=中学歴代9位
-
2026.02.16
-
2026.02.16
2026.02.15
【大会結果】第6回全国大学対校男女混合駅伝(2026年2月15日)
-
2026.02.10
-
2026.02.15
-
2026.02.12
2026.01.31
青学大・黒田朝日は「コンディション不良に近い」MGC獲得が「第一目標」/別大毎日マラソン
-
2026.02.01
-
2026.01.18
-
2026.02.15
Latest articles 最新の記事
2026.02.16
日本マラソン界のホープ・平林清澄、世界に向けた挑戦! パワーアップの源となるレース前のルーティーンとは―
昨季まで國學院大學の主力として大学駅伝界を沸かせた平林清澄(ロジスティード)は、社会人になり〝冬眠〟期間を経てパワーアップした走りを披露している。狙ったレースを外さないのが平林。学生時代から食事等に人一倍気を使ってきたが […]
2026.02.16
【女子棒高跳】伊藤来莉(大砂土中1埼玉) 3m60=中1最高
令和7年度第47回群馬県室内棒高跳記録会が、2月15日に群馬県吉岡町の棒高跳専用室内施設「ベルドーム」で行われ、女子高校・一般棒高跳で中学1年生の伊藤来莉(大砂土中1埼玉)が3m60の中1最高記録を更新した。これまでの中 […]
2026.02.16
【女子棒高跳】髙橋美優(観音寺中部中3香川) 3m74=中学歴代9位
香川室内跳躍競技会が2月7日、8日に香川県観音寺市の市立総合体育館で行われ、7日の中学女子棒高跳で髙橋美優(観音寺中部中3)が3m74の中学歴代9位の記録で優勝した。 髙橋のこれまでのベストは昨年の県中学通信でマークした […]
2026.02.16
キピエゴンが10km29分46秒で快勝 !「マラソンへの第一歩」
モナコ・ランが2月15日に開催され、女子ロード10kmで1500mの世界記録保持者F.キピエゴン(ケニア)がで29分46秒をマークした。 キピエゴンは五輪・世界選手権で8つの金メダルを獲得している32歳。ロード種目は23 […]
2026.02.16
三段跳・ロハスが14m95!23年以降の自己最高、アキレス腱断裂の大ケガからようやく復調へ
スペイン国内のクラブ室内選手権が2月14日にバルセロナで開催され、女子三段跳に世界記録保持者のY.ロハス(ベネズエラ)が出場し、今季世界最高の14m95をマークした。 ロハスは22年に15m74の世界記録を樹立した30歳 […]
Latest Issue
最新号
2026年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
大阪国際女子マラソン
矢田みくにインタビュー
追跡箱根駅伝