2023.01.23
◇第28回全国都道府県男子駅伝(1月22日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km)
3年ぶりの開催となった第28回全国都道府県男子駅伝が行われ、長野県が2時間17分10秒の大会新記録で優勝。3年前の覇者が2年のブランクを感じさせない結束力で、9回目の栄冠を手にした。
各都道府県の高校生たちが集結した1区で、2年生の永原颯磨(佐久長聖高)が19分41秒の区間新記録(区間2位)。トップの兵庫県と2秒差の好スタートを切り、流れを引き寄せた。永原の快走に勇気をもらった2区の猿田創汰(堀金中)、3区の伊藤大志(早大)は順位を下げつつも粘り、先頭が見える位置で中継所へ。逆転が期待される4区、5区を前に、トップから30秒以内の4位でタスキをつないだ。
区間新を公言していた4区の山口竣平(佐久長聖高)は「思っていたより前のペースが上がっていなかったので、元気が出ました」とラスト1kmを2分43秒でカバーする快走。公言通り、区間新記録を5秒更新する14分02秒を叩き出し、先頭へ押し上げた。
さらに、5000m高校記録(13分22秒99)保持者の吉岡大翔(佐久長聖高)が23分52秒の区間新で続き、6区の小林睦(富士見中)でさらに差を拡大。49秒の貯金をもらったアンカーの上野裕一郎(セントポールクラブ)が「途中からチームの結果を求め、確実な走りに切り替えました」とベテランらしい堅実な走りで、勝利を決めた。
上野は2017年に7区で優勝テープを切って以来、11回目の出走。2018年に立教大男子駅伝部監督になってからは初めての都道府県駅伝で、走りにも変化があったという。「これまでは自分の成績を一番に考えて走ってきましたが、指導者になったことで、チームのための走りというのができるようになりました。ほとんど後輩たちに助けられましたが、関係者を含めたチーム長野で戦えているのが大きいと思います」と、堅いチームワークを勝因として上げる。
3年前の中学、今回の高校と2つのステージで区間新、日本一の両方を経験した吉岡もまた、後輩たちへの想いを口にした。「前回は先輩たちのおかげで初めての日本一を経験し、もう一度この景色を見たいという思いが、今につながっています。その経験を今回は中学生たちにもしてほしいと思っていたので、日本一の景色を見せてあげられてうれしいです」。
3年ぶりの開催だったが、沿道には多くの幟旗が並び、約30万人の観衆が拍手で熱い声援を送った。
文/田端慶子
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]
2025.04.30
【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)