東京五輪4×100mリレー代表に選ばれている桐生祥秀(日本生命)に向け、アシックスジャパンの「地元応援プロジェクト」【あの人から、舞台に立つ君へ。】の一つとしてサプライズ企画を実施。京都新聞の朝刊に、母校である京都・洛南高恩師の柴田博之監督、そして高校時代のチームメイトから熱いメッセージが掲載された。
自身が1988年ソウル五輪の走幅跳代表で、数々のトップ選手を育ててきた柴田先生からの直筆メッセージは愛弟子に対する愛に溢れていた。
「こんなに速く動く選手は見たことがない」。桐生を初めて見たときの感想だ。それから10年が経ち、「フォームは随分キレイになった。インタビューを聞けば、ちゃんと自分の考えを話していて、あぁ大人のアスリートになったんだな、と感じる」と成長を思いつつ、「でも、桐生の走りを見るたび今でも思おう。『なんでこいつのレースってこんなにドキドキ、ワクワクするんだろう。』って」と綴る。最後には力強い文字でこう書かれていた。
「走れ、桐生」
今でも冬季には洛南高に戻って高校生たちと厳しい練習で汗を流すこともある桐生。もちろん、柴田先生との関係もずっと変わらない。同級生からは走幅跳で活躍を続ける山川夏輝(東武トップツアーズ)、筑波大に進学して選手やコーチングでも力を発揮している犬井亮介、学業優秀で会社員となった高野健さんからもメッセージが。4人は滋賀出身で毎日一緒に登校し、今でも旅行にいく仲だ。
洛南高は8月1日まで行われていた福井インターハイで最多9度目の男子総合優勝。「ここで負けるわけにはいかんやろ」。柴田先生は、桐生が9秒98をマークした地で戦う5日間、そういって桐生の後輩たちに発破をかけた。三浦龍司(順大)、丸尾知司(愛知製鋼)も同校OB。燃えないはずがない。
熱い思いを受け取ったであろう桐生。メダルを目指して走る4×100mリレーは明日、予選に挑む。
●柴田先生メッセージ全文
桐生へ
「こんなに速く動く選手はみたことがない」
それが、桐生を受け持ってまず思ったことだった。
速く動く、というのは教えてできることのない才能。
だから、ぐちゃぐちゃなフォームのまま結果を出し続ける桐生を見て、指導者として胸が高鳴る思いだったのを覚えている。
あれから10年。
フォームは随分キレイになった。
インタビューを聞けば、ちゃんと自分の考えを話していて、あぁ、大人のアスリートになったんだな、と感じる。
でも、桐生の走りを見るたびに今でも思う。
「なんでこいつのレースってこんなにドキドキ、ワクワクするんだろう。」って。
たぶん、桐生はまだ、成長途中ってことなんだよな。
昔みたいに、その可能性に惹かれているんだ、きっと。
自分ではどう思っているかわからないが、
桐生にはまだ先がある。と俺は本気で思っている。
勝手かもしれないけど、まだまだ応援させてもらうよ。
走れ、桐生。
柴田博之
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