2021.08.02
◇福井インターハイ(7月28日~8月1日/福井・福井県営陸上競技場)
コロナ禍で昨年史上初の延期となったインターハイが2年ぶりに開催された。今年の舞台は福井。競技場の愛称は「9.98スタジアム」だ。
学校対抗を制したのは、男子が洛南(京都)、女子は中京大中京(愛知)だった。
洛南は中止を挟んで2大会連続9度目の総合V。4×100mリレーで優勝し、三段跳では2年生の宮尾真仁がタイトルを手にした。そして存在感を発揮したのが佐藤圭汰(3年)。高校記録を持つ1500mで優勝、5000mも日本人トップの4位と好走した。短距離、中長距離、リレー、フィールドとまんべんなく得点を重ねた洛南。48点で2位の東海大翔洋に12点差をつけた。
中京大中京は2大会ぶり2度目の頂点。伝統のリレーが強さを見せ、4×100mリレー優勝、4×400mリレー2位。その中心選手である倉橋美穂(3年)が100m3位、200m6位、200mでは藏重みう(2年)が3位に入っている。さらに800mでは青山理奈(3年)が800m優勝と、さすがの“スピード”を見せ、44点を積み上げた。
2位には400m、400mハードル2冠のタネル舞璃乃(3年)らを擁する埼玉栄が続いた。
洛南の柴田博之先生は、「私が赴任した1986年から総合優勝を目指さなかった年はない」と語る。それほど、洛南にとって“総合優勝”への思いは強い。東京五輪代表のOB桐生祥秀(日本生命)、三浦龍司(順大)、丸尾知司(愛知製鋼)もインターハイを経験。昨年は中止になり柴田先生や当時の選手たちも大きな戸惑いを覚えた。「やはりインターハイは大切にしたい」と、2年ぶり開催への感謝とともに強い思いを秘めて臨んだ。
加えて、この福井インターハイは負けられない理由があった。
「『桐生が9秒台を出したメモリアルなスタジアムでウチが負けるわけにはいかな いやろ』と選手たちには伝えていました」
桐生祥秀が2017年に日本人初の9秒98をマークしたこの地で、再開されたインターハイの歴史で総合優勝を逃すわけにはいかなかった。そして、「去年の3年生にも経験させてあげたかった」と思いを馳せた。
「短距離も長距離もワンチーム。ともに戦っているんです」
柴田先生の言葉通り、高校生たちが仲間たちとともに戦う姿は、2年ぶりに開催されたインターハイの“意義”を改めて伝えていた。


|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.19
福井ナイトゲームズに東京世界陸上代表の村竹ラシッド、鵜澤飛羽ら追加エントリー!
-
2025.07.18
-
2025.07.17
-
2025.07.13
-
2025.07.13
-
2025.07.12
-
2025.07.05
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.19
前田美結子200m日本歴代6位、学生歴代2位の23秒31!九州学生記録も更新 前週4継で単独チーム日本最高
福岡大競技会が7月19日、同大学陸上競技場で行われ、女子200mでは前田美結子(福岡大)が日本歴代6位、学生歴代2位、九州学生新記録の23秒31(+1.4)をマークした。 これまでの前田の自己ベストは、日本選手権(7月6 […]
2025.07.18
富士北麓ワールドトライアル 100mに栁田大輝、桐生祥秀 ハードルに泉谷駿介、田中佑美がエントリー!
日本陸連は7月18日、日本グランプリシリーズの富士北麓ワールドトライアル2025のエントリーリストを発表した。 男子100mには日本選手権で優勝した桐生祥秀(日本生命)を筆頭に、関口裕太(早大)、小池祐貴(住友電工)、多 […]
2025.07.18
【世界陸上プレイバック】―13年モスクワ―棒高跳イシンバエワが地元で有終の美 福士加代子がマラソンで笑顔の銅メダル、桐生祥秀が世界デビュー
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.07.18
100m栁田大輝60年ぶり“世界一”なるか!?落合晃、阿部竜希、柳井綾音らがドイツで勝負/ユニバ
学生世界一を決めるFISUワールドユニバーシティゲームズの陸上競技が7月21日から27日まで、ドイツのライン・ルールで行われる。若き日本代表の注目選手を紹介する。 男子100mには栁田大輝(東洋大)が出場する。自己記録は […]
Latest Issue
最新号

2025年8月号 (7月14日発売)
詳報!日本選手権
IH地区大会