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2025.11.03

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全国Vチーム・佐久長聖&長野東「過酷」な新コースに挑み、都大路連覇の権利獲得/長野県高校駅伝
全国Vチーム・佐久長聖&長野東「過酷」な新コースに挑み、都大路連覇の権利獲得/長野県高校駅伝

左から佐久長聖7区の斎藤晴樹、長野東4区の本田結彩、5区の田畑陽菜

全国高校駅伝の出場権を懸けた長野県高校駅伝が11月2日、これまでの大町市から会場変更した佐久市総合運動公園競技場発着の新コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は昨年の全国大会Vメンバー4人が残る長野東が1時間11分07秒で19年連続19回目の優勝を果たした。男子(7区間42.195km)は全国大会を一昨年、昨年と2連覇した佐久長聖が2時間11分10秒で28年連続28回目の県王者に輝いた。

新コースの最大高低差は約43m。それ以上にどこを走っても急勾配のアップダウンが連続し、カーブも多いため、長野東の横打史雄監督、佐久長聖の高見澤勝監督が口をそろえて「これまでにない過酷さ」と表現するほど、かなり厳しい難関コース。そのため、男女ともに誰もがタイムを予想できず、手探りでの継走だった。

先に行われた女子の長野東は、3000mで今年のインターハイ6位、国スポ少年A2位の川上南海、2000m障害で同3位の角地萌音の2年生コンビがそれぞれ、左足甲、右大腿骨の故障で欠場する陣容に臨んだ。

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チームとしては万全の状態ではなかったものの、9月のU20東アジア選手権5000mの銀メダリストである1区・真柴愛里、昨年の全国大会で優勝のゴールテープを切った5区・田畑陽菜の3年生コンビを軸に今回もオール区間賞で盤石の継走を展開した。

「急坂が多くて困惑しましたが、最後まで冷静に“攻め”の走りができました」と真柴は6kmを19分52秒で走破した。

アンカー区間の5kmを16分52秒でまとめた田畑はキャプテンとして「チームの(3000mベストの)上位5人全員が出場したわけではありませんが、しっかりと勝ち切ることができました。都大路へ向けて一人ひとりがもっとレベルアップできるようにしたいです」と2年連続3度目の全国制覇へ、思いを馳せた。

なお、2位には長野日大が1時間19分53秒で入り、3位は1時間23分27秒で伊那北だった。

男子は難コースであることに加え、女子からコンディションが一転し、スタート直前から強風が吹き続く悪条件も加わった。佐久長聖は1区を務めたキャプテンの酒井崇史(3年)は5000mの自己ベスト13分55秒96のスピードと、昨年の全国大会で5区(区間2位)を走った経験値を生かし、10kmを31分05秒。タイムは際立つものではないが、2位に46秒差をつけた。

2区以降も7区の斎藤晴樹(同)まで危なげない継走で首位を独走。「未知で感覚がつかみづらいコースでしたが、自分の役割は果たせました」と酒井は安堵の表情。目標である3連覇が懸かる全国大会へ、「チームの底上げだけではなく、全員がメンバーとしてふさわしい行動をしていきたいです」と凛々しい表情を見せた。

昨年の都大路を北信越地区代表として出場した長野日大は2時間15分45秒で2位。3位は2時間20分42秒で上伊那農が入り、3区の滝澤秀斗(2年)が区間トップ。佐久長聖の区間賞独占を阻んだ。

全国大会は12月21日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に行われる。昨年に続き、男女ともに都道府県代表に加え、地区代表が出場する。

文/永田真樹

全国高校駅伝の出場権を懸けた長野県高校駅伝が11月2日、これまでの大町市から会場変更した佐久市総合運動公園競技場発着の新コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は昨年の全国大会Vメンバー4人が残る長野東が1時間11分07秒で19年連続19回目の優勝を果たした。男子(7区間42.195km)は全国大会を一昨年、昨年と2連覇した佐久長聖が2時間11分10秒で28年連続28回目の県王者に輝いた。 新コースの最大高低差は約43m。それ以上にどこを走っても急勾配のアップダウンが連続し、カーブも多いため、長野東の横打史雄監督、佐久長聖の高見澤勝監督が口をそろえて「これまでにない過酷さ」と表現するほど、かなり厳しい難関コース。そのため、男女ともに誰もがタイムを予想できず、手探りでの継走だった。 先に行われた女子の長野東は、3000mで今年のインターハイ6位、国スポ少年A2位の川上南海、2000m障害で同3位の角地萌音の2年生コンビがそれぞれ、左足甲、右大腿骨の故障で欠場する陣容に臨んだ。 チームとしては万全の状態ではなかったものの、9月のU20東アジア選手権5000mの銀メダリストである1区・真柴愛里、昨年の全国大会で優勝のゴールテープを切った5区・田畑陽菜の3年生コンビを軸に今回もオール区間賞で盤石の継走を展開した。 「急坂が多くて困惑しましたが、最後まで冷静に“攻め”の走りができました」と真柴は6kmを19分52秒で走破した。 アンカー区間の5kmを16分52秒でまとめた田畑はキャプテンとして「チームの(3000mベストの)上位5人全員が出場したわけではありませんが、しっかりと勝ち切ることができました。都大路へ向けて一人ひとりがもっとレベルアップできるようにしたいです」と2年連続3度目の全国制覇へ、思いを馳せた。 なお、2位には長野日大が1時間19分53秒で入り、3位は1時間23分27秒で伊那北だった。 男子は難コースであることに加え、女子からコンディションが一転し、スタート直前から強風が吹き続く悪条件も加わった。佐久長聖は1区を務めたキャプテンの酒井崇史(3年)は5000mの自己ベスト13分55秒96のスピードと、昨年の全国大会で5区(区間2位)を走った経験値を生かし、10kmを31分05秒。タイムは際立つものではないが、2位に46秒差をつけた。 2区以降も7区の斎藤晴樹(同)まで危なげない継走で首位を独走。「未知で感覚がつかみづらいコースでしたが、自分の役割は果たせました」と酒井は安堵の表情。目標である3連覇が懸かる全国大会へ、「チームの底上げだけではなく、全員がメンバーとしてふさわしい行動をしていきたいです」と凛々しい表情を見せた。 昨年の都大路を北信越地区代表として出場した長野日大は2時間15分45秒で2位。3位は2時間20分42秒で上伊那農が入り、3区の滝澤秀斗(2年)が区間トップ。佐久長聖の区間賞独占を阻んだ。 全国大会は12月21日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に行われる。昨年に続き、男女ともに都道府県代表に加え、地区代表が出場する。 文/永田真樹

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