2025.11.03
◇第57回全日本大学駅伝(11月2日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km)
國學院大は連覇の重圧を背に伊勢路へ臨んだが、結果は4位。前田康弘監督は「自分たちが主導権をとった駅伝」を目指していたが、序盤からプラン通りのレースを展開できなかった。
1区の尾熊迅斗(2年)は区間3位の力走で流れを作ったものの、2区の辻原輝(3年)がまさかの失速。トップとの差が31秒に広がり、一転して後手に回る。
しかし、3区の野中恒亨(3年)が区間賞の快走で一気にトップに並ぶと、3年連続で4区を任された高山豪起(4年)も区間2位の粘走で首位争いをキープした。
勝負を分けたのは5区。駒大が配置した伊藤蒼唯(4年)が区間新の快走で一気に逆転し、これが駒大Vへの決定打となった。國學院大との差は52秒に広がる。7区の青木瑠郁(4年)、8区の上原琉翔(4年)による巻き返しが期待されたが、2人とも本来の走りを見せられず、連覇の夢は潰えた。
レース後、前田監督は率直に語った。「惨敗です。最低でも2位は死守したかった」。
特に7区を志願したという青木の走りについては、「同じ区間に格上の選手たちしかおらず、スタート時から負けていたような走りに見えた」と、厳しい言葉となった。駒大の佐藤圭汰(4年)、青学大の黒田朝日(4年)、早大の山口智規(4年)ら各校のエースが並ぶ区間で、青木は区間9位に終わり、駒大との差も2分50秒まで開いた。
前回もアンカーとして走り、逆転優勝の立役者となった上原は腹部の差し込みにも苦しんだ。攻めの走りで区間4位と区間上位でまとめたものの、途中で一度追いついた青学大の小河原陽琉(2年)に最後は競り負けた。前田監督は「主将として仕事を果たそうとした姿勢は伝わった」と称えたものの、悔しさが募る結果となった。
それでも収穫はあった。出雲に続き、野中の強さを再確認できたことだ。3区区間賞の走りはチームの柱としての存在感を改めて示した。また、三大駅伝デビューとなった2年生コンビの5区・飯國新太(区間2位)と6区・浅野結太(区間4位)も上々の内容。さらに4年の高山が気持ちのこもった走りでチームを鼓舞した。
見せ場を作った野中は冷静に振り返る。「この敗北で、自分たちの慢心も見つかった。箱根に向けて気持ちを引き締め直す、いいきっかけになった」。前田監督も「この負けを箱根につなげていくしかない」と前を向く。
連覇は逃したが、この悔しさが箱根Vへの新たなスイッチとなるか。「(主将の)上原さんを信じて、箱根総合優勝に向け実力をつけていきたい」と野中。
國學院大は巻き返しへ、再び歩みを進める。
文/荒井寛太
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