HOME 国内、大学

2025.06.06

ハンマー投・村上来花が初の4連覇!!「自分を信じて投げられた」ハイレベル投げ合い制す/日本IC
ハンマー投・村上来花が初の4連覇!!「自分を信じて投げられた」ハイレベル投げ合い制す/日本IC

日本インカレ女子ハンマー投で4連覇を達成した村上来花

◇天皇賜盃第94回日本学生対校選手権(6月5日~8日/岡山・JFE晴れの国スタジアム)2日目

学生日本一を決める日本インカレの2日目が行われ、女子ハンマー投は村上来花(九州共立大)が64m85を投げて、この種目初の大会4連覇を達成した。

66m82の学生記録を持つ村上。「4連覇は1年生の時から狙っていました。どうせやるなら。かっこいいなと思って頑張りました」。韓国・クミで行われたアジア選手権帰りで「疲れは抜けていません」。4連覇が懸かる大会とあって「緊張で地に足がついていませんでした」。それでも、「自分で信じて投げられた」村上は強かった。

広告の下にコンテンツが続きます

1回目に64m63を投げてしっかり“先制攻撃”。だが、5回目にタイ代表として同じくアジア選手権に出たコンポン・ミンガモン(流経大)が学生歴代2位となる64m79を放った。その直後。「今までで一番、負けたくないという気持ちが出た瞬間でした」。わずか6cm逆転してみせた。3位に入った後輩の嶋本美海も学生歴代4位、日本歴代10位の64m01を投げるハイレベルな投げ合いを、女王の貫禄で制した。

高校記録、U20日本記録を引っさげて学生陸上界へ。傍目に見ればライバル不在の順風満帆だが、4年間は苦しい日々もあった。

高校卒業前にはアクシデント膝を故障して手術しての学生陸上界がスタート。U20世界選手権で女子ハンマー投初のメダルを獲得したが、国内で勝ち負けできてもシニアの世界大会までは遠いという葛藤もある。記録の面でもジョイ・マッカーサーが70mオーバーと、近づいては離されることも。ここまで「高校時代のように記録が伸びないというのが悩みです」。

それでも、「試合の中でピークを持ってこられるという自信と、技術のかみ合わせをしながら4年間頑張ってきました」と胸を張った。

投てきや記録面では満足していない。「ハンマーの張りと、3、4ターン目のスピードが課題。64mで安定しているのはいいですが、練習ではバンバン投げられているので試合で表現できていない」。それは逆に「伸びしろ」とも捉える。

日本選手権で、アジア選手権代表でともに戦ったマッカーサーと再戦。「自己ベストが出そうな感じがあります」。その先にあるワールドユニバーシティゲームズでも「メダルを獲得したい」と村上。目の前の一つひとつの課題、試合と向き合い、誰も歩んでいない村上だけの“ハンマー道”と極めていく。

◇天皇賜盃第94回日本学生対校選手権(6月5日~8日/岡山・JFE晴れの国スタジアム)2日目 学生日本一を決める日本インカレの2日目が行われ、女子ハンマー投は村上来花(九州共立大)が64m85を投げて、この種目初の大会4連覇を達成した。 66m82の学生記録を持つ村上。「4連覇は1年生の時から狙っていました。どうせやるなら。かっこいいなと思って頑張りました」。韓国・クミで行われたアジア選手権帰りで「疲れは抜けていません」。4連覇が懸かる大会とあって「緊張で地に足がついていませんでした」。それでも、「自分で信じて投げられた」村上は強かった。 1回目に64m63を投げてしっかり“先制攻撃”。だが、5回目にタイ代表として同じくアジア選手権に出たコンポン・ミンガモン(流経大)が学生歴代2位となる64m79を放った。その直後。「今までで一番、負けたくないという気持ちが出た瞬間でした」。わずか6cm逆転してみせた。3位に入った後輩の嶋本美海も学生歴代4位、日本歴代10位の64m01を投げるハイレベルな投げ合いを、女王の貫禄で制した。 高校記録、U20日本記録を引っさげて学生陸上界へ。傍目に見ればライバル不在の順風満帆だが、4年間は苦しい日々もあった。 高校卒業前にはアクシデント膝を故障して手術しての学生陸上界がスタート。U20世界選手権で女子ハンマー投初のメダルを獲得したが、国内で勝ち負けできてもシニアの世界大会までは遠いという葛藤もある。記録の面でもジョイ・マッカーサーが70mオーバーと、近づいては離されることも。ここまで「高校時代のように記録が伸びないというのが悩みです」。 それでも、「試合の中でピークを持ってこられるという自信と、技術のかみ合わせをしながら4年間頑張ってきました」と胸を張った。 投てきや記録面では満足していない。「ハンマーの張りと、3、4ターン目のスピードが課題。64mで安定しているのはいいですが、練習ではバンバン投げられているので試合で表現できていない」。それは逆に「伸びしろ」とも捉える。 日本選手権で、アジア選手権代表でともに戦ったマッカーサーと再戦。「自己ベストが出そうな感じがあります」。その先にあるワールドユニバーシティゲームズでも「メダルを獲得したい」と村上。目の前の一つひとつの課題、試合と向き合い、誰も歩んでいない村上だけの“ハンマー道”と極めていく。

女子ハンマー投 学生歴代10傑をチェック!

66.82 村上来花(九州共立大3) 2024. 8.30 64.79 K.ミンガモン(流経大3) 2025. 6. 6 64.43 綾真澄(中京大4) 2001.10.16 64.01 嶋本美海(九州共立大2) 2025. 6. 6 63.82 勝山眸美(筑波大4) 2016. 7.23 63.81 エパサカ・テレサ(新潟医療福祉大M2) 2024. 7.14 61.94 勝冶玲海(九州共立大3) 2022. 6.10 61.87 小舘充華(流経大4) 2020.10.10 61.16 奥村梨里佳(九州共立大3+) 2023. 3.19 61.15 渡邉ももこ(筑波大4) 2022. 9. 9

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.30

中越が県高校最高の2時間5分38秒!オール区間賞で2連覇 女子は新潟明訓が首位譲らず3年連続V/新潟県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた新潟県高校駅伝が10月30日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムを発着とする駅伝周回コースで行われ、男子(7区間42.195km)は、中越が県高校最高記録の2時間5分38秒で2年連続19回目 […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第62回「伝統の火を灯し続ける~ある記念品と箱根駅伝予選会~」

2025.10.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第62回「伝統の火を灯し続ける~ある記念品と箱根駅伝予選会~」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第62回「伝統の火を灯し続ける~ある記念品と箱根駅伝予選会~」 1959年~62年まで4年間の […]

NEWS 日本陸連、暑熱下の大会「危険な状況回避して」来年の全中、インターハイは予定変更できず

2025.10.30

日本陸連、暑熱下の大会「危険な状況回避して」来年の全中、インターハイは予定変更できず

日本陸連は10月30日にメディア向けの説明会を開き、暑熱下での競技会運営について、田﨑博道専務理事と強化部・磯貝美奈子部長が登壇して報告した。 日本陸連は7、8月の主催大会において「WBGT(暑さ指数)が31度以上となる […]

NEWS 日本陸連が東京世界陸上を有森裕子会長、田﨑博道専務理事を総括「今回の経験を生かして、つなげていきたい」

2025.10.30

日本陸連が東京世界陸上を有森裕子会長、田﨑博道専務理事を総括「今回の経験を生かして、つなげていきたい」

日本陸連は10月30日、9月に行われた東京世界選手権の総括会見を開き、有森裕子会長、田﨑博道専務理事が登壇した。 日本陸連創設100年の節目に迎えたビッグイベントに対し、「その成功が今後の陸上界の成長、発展につながる」( […]

NEWS 山崎一彦強化委員長が東京世界陸上を総括「今までにない活躍」「底上げができた」選手、指導者の海外経験を推進していく構え

2025.10.30

山崎一彦強化委員長が東京世界陸上を総括「今までにない活躍」「底上げができた」選手、指導者の海外経験を推進していく構え

日本陸連は10月30日、9月に行われた東京世界選手権の総括会見を開き、強化委員会の山崎一彦・強化委員長が登壇した。 34年ぶりに東京開催となった世界選手権で日本代表は銅メダル2を含め、入賞11を数えた。入賞順位からポイン […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top