◇天皇賜盃第94回日本学生対校選手権(6月5日~8日/岡山・JFE晴れの国スタジアム)2日目
学生日本一を決める日本インカレの2日目が行われ、女子ハンマー投は村上来花(九州共立大)が64m85を投げて、この種目初の大会4連覇を達成した。
66m82の学生記録を持つ村上。「4連覇は1年生の時から狙っていました。どうせやるなら。かっこいいなと思って頑張りました」。韓国・クミで行われたアジア選手権帰りで「疲れは抜けていません」。4連覇が懸かる大会とあって「緊張で地に足がついていませんでした」。それでも、「自分で信じて投げられた」村上は強かった。
1回目に64m63を投げてしっかり“先制攻撃”。だが、5回目にタイ代表として同じくアジア選手権に出たコンポン・ミンガモン(流経大)が学生歴代2位となる64m79を放った。その直後。「今までで一番、負けたくないという気持ちが出た瞬間でした」。わずか6cm逆転してみせた。3位に入った後輩の嶋本美海も学生歴代4位、日本歴代10位の64m01を投げるハイレベルな投げ合いを、女王の貫禄で制した。
高校記録、U20日本記録を引っさげて学生陸上界へ。傍目に見ればライバル不在の順風満帆だが、4年間は苦しい日々もあった。
高校卒業前にはアクシデント膝を故障して手術しての学生陸上界がスタート。U20世界選手権で女子ハンマー投初のメダルを獲得したが、国内で勝ち負けできてもシニアの世界大会までは遠いという葛藤もある。記録の面でもジョイ・マッカーサーが70mオーバーと、近づいては離されることも。ここまで「高校時代のように記録が伸びないというのが悩みです」。
それでも、「試合の中でピークを持ってこられるという自信と、技術のかみ合わせをしながら4年間頑張ってきました」と胸を張った。
投てきや記録面では満足していない。「ハンマーの張りと、3、4ターン目のスピードが課題。64mで安定しているのはいいですが、練習ではバンバン投げられているので試合で表現できていない」。それは逆に「伸びしろ」とも捉える。
日本選手権で、アジア選手権代表でともに戦ったマッカーサーと再戦。「自己ベストが出そうな感じがあります」。その先にあるワールドユニバーシティゲームズでも「メダルを獲得したい」と村上。目の前の一つひとつの課題、試合と向き合い、誰も歩んでいない村上だけの“ハンマー道”と極めていく。
女子ハンマー投 学生歴代10傑をチェック!
66.82 村上来花(九州共立大3) 2024. 8.30 64.79 K.ミンガモン(流経大3) 2025. 6. 6 64.43 綾真澄(中京大4) 2001.10.16 64.01 嶋本美海(九州共立大2) 2025. 6. 6 63.82 勝山眸美(筑波大4) 2016. 7.23 63.81 エパサカ・テレサ(新潟医療福祉大M2) 2024. 7.14 61.94 勝冶玲海(九州共立大3) 2022. 6.10 61.87 小舘充華(流経大4) 2020.10.10 61.16 奥村梨里佳(九州共立大3+) 2023. 3.19 61.15 渡邉ももこ(筑波大4) 2022. 9. 9RECOMMENDED おすすめの記事
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