HOME 【陸上部応援!】シューズ選びの「き・ほ・ん」

陸上部に入って、まず準備するのが「スパイク」ですよね。でも、どんなシューズを選べばいいのかわからない! そんなみなさんのために、陸上部員たちの“聖地”ステップスポーツ東京本店の店長・市川寛人さんが「スパイク選びのきほん」を伝授してくれました! ぜひ参考にしてみてください!!

ステップスポーツ東京本店
市川寛人 店長
大学まで陸上部で三段跳が専門。競技経験と豊富な知識、素敵な笑顔で接客してくれます!

広告の下にコンテンツが続きます

Step 1「足に合ったシューズを選ぼう」

シューズを選ぶ時の一番のポイントは「サイズ感」です。普段のスニーカーだと大きめを履く習慣があると思いますが、陸上のスパイクはなるべくピッタリ目を履きます。

成長期の中学生であれば親指の爪一つ分くらいの余裕があるといいと思います。高校では専門性も高まってきますので、しっかり自分に合ったサイズを選びましょう。

本人の感覚が大事ですが、種目によってもサイズ感が違います。長距離であれば長い時間履くので少しゆったり、逆に短距離やフィールド種目は試技ごとに脱ぐのでピッタリしたものを選ぶ傾向にあります。

日本人は幅広で、甲が高いとよく言われます。加えて、最近は踵が細い人も多いようです。まずは、つま先や足の横が擦れて痛くないか、踵が抜けてしまう(動いてしまう)ことがないかをチェックしましょう! ステップスポーツ東京本店では足のサイズなども正確に測る計測器を整えていますので、ぜひ活用してみてください。

Step 2「正しい履き方を知ろう」

自分に合ったスパイクを探すために、「試し履き」をしてみてください。シューズには“正しい履き方”があります。

まず、踵に合わせてハメること。たまにつま先で「コンッコンッ」としてしまいがちですが、これはNGです。必ず踵に合わせてから靴紐を結びます。靴紐は甲の部分よりも足首回りを固定するのがポイント。靴紐を横ではなく上に向かって引っ張ってから結ぶとキュッと締まりますよ。

踵が抜けるとロスが生じますし、しっかり接地できずに脚が後ろに流れる原因にもなります。足首が締まりやすい陸上用の靴下もありますので、ぜひ使ってみてください。

Step 3「シューズの種類を知ろう」

スパイク、シューズは種目によって分かれていますので、自分の専門種目が決まっているのであれば、専門性の高いシューズを選びましょう。

中学生や初心者にはどんな種目でも使える「オールラウンド用モデル」のスパイクが主要メーカーにあるので、そちらを履いてみてはどうでしょうか。スパイクには「土用」と「オールウェザー用」があります。普段の練習環境によって選びましょう。

できれば試合用と練習用で使い分けするのがベストです! また、ロングジョグ用、ジャンプトレーニング用など、練習に合わせて準備できると便利だと思います。

Step 4「しっかりケアをしよう」

せっかく買ったシューズは長く使いたいですよね。そのためにも、しっかりケアをします。まず、シューキーパーを入れて型崩れしないようにしましょう。元々、購入した時に入っている固い紙の型でも大丈夫です。

特に雨の中での練習は要注意です。シューズを袋から出して乾燥させます。新聞紙を入れると水分を吸収してくれます。ピンの部分も外して乾燥させるのがオススメです。そうしないと錆びてしまってピンが取り替えられなくなります。

市川店長に聞く
 どのメーカーがオススメ?
 よく「メーカーによって違いますか?」と聞かれます。メーカーごとに大まかな特徴はもちろんありますが、その中でも「モデル」によって全然違います。メーカーから選ぶのではなく、自分の足に合った「モデル」を見つけてみましょう。

 色やデザインで選んじゃダメ?
 デザイン、とても大事です! 僕も学生時代、色にこだわっていました。やっぱりモチベーションを保つために好きなデザインを選びたいですよね。それでもやっぱり、競技力アップのためには履き心地が一番大事。履き心地がいいものの中で、好きなデザインを選んでみてください。

 履く時間帯によって違いがありますか?
 足の状態は時間帯や体調、コンディションによって変わります。夕方やハードな練習をした翌日だと足がむくんでいることが多いですし、オフの日は細くなっていることもあります。
練習はほとんどが夕方だと思うので、同じ条件の時に買うのがベスト。午前中や昼間に買いに来てくれる方には、「夕方はむくみますよ」と説明して、気持ち緩めでも大丈夫だということは伝えます。

 片足だけ試すのでも大丈夫ですか?
 シューズは絶対に両足で履いてみてください! 左右で1㎝くらいサイズが違う人もいますし、形も左右で異なります。
インソールで調整すると機能が低下しますし、サイズ感も変わりますのであまりオススメはできません。大きいほうに合わせることが多いです。靴紐でしっかり調整しましょう。

 シューズの替え時は?
 スパイクは半年〜1年ほどで、ランニングシューズは履く頻度も高いので半年くらいでしょうか。ランニングシューズはできれば2足持っておくといいと思います。
スパイクのピンは3〜6ヵ月くらいが目安です。消耗は個人差があるので、丸みを帯びてきたら変えるようにしましょう。

 土で汚れたらどうすればいいですか?
 雨天に限らず、土が残ってしまうのも良くありません。スパイク面が土で汚れ、傷んでしまうことで、アッパー(外側)はきれいでも、買い換えなければいけなくなります。スパイク面の土は、使わなくなった歯ブラシなどで落としておきましょう。

市川店長から保護者の方へのメッセージ
「お子さんにあったシューズを選んであげてください!」

よく「成長期ですぐに履けなくなるから」と大きめのシューズをお求めになる方もいらっしゃいます。ですが、やはり大き過ぎるシューズは避けていただきたいです。足に合っていないとパフォーマンスにも影響しますし、ケガの原因になります。もしケガをしてしまったら、結果的に治療費のほうが高かった……なんてことにもなります! 最低限、目安として「ピンの上に足裏がしっかり乗るシューズ」を選ぶようにしてください。

また、トップ選手や先輩が履いていることであこがれて、始めたばかりでもトップモデルを買うのもオススメできません。もちろん、値段が高いほうが性能は良くなります。トップモデルのスパイクはとても軽くて、反発も強いです。しかし、その分、サポート機能はそぎ落とされていますし、履き心地だけで言うと違和感を覚えるかもしれません。

高価なスパイクがいいかというとそれは違います。負担が大きいので足底筋膜炎やシンスプリント、鵞足炎(がそくえん)などケガの元。せっかく新しいシューズを買ってもケガをしたらモチベーションも低下してしまいます。

まずは自分に合ったシューズを選んで、楽しく陸上をしてくださいね!

イラスト/フジタヒロミ

協力/ステップスポーツ東京本店
〒113-0033 東京都文京区本郷1-14-3(最寄り駅:水道橋駅)

ステップスポーツHPはこちら
ステップスポーツオンラインストアはこちら

※月刊陸上競技2022年5月号に掲載したものを一部加筆しています



RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.18

駒大4年生4本柱は主要区間を熱望! 主将・山川拓馬「エース区間に挑みたい」 佐藤圭汰「しっかり走って恩返しを」

第102回箱根駅伝で3年ぶりの総合優勝を狙う駒大が12月18日、オンラインで合同会見を行い、エントリー選手が出席した。 今季の駒大は4年生の4人が強力。それぞれ希望区間を問われると、主将の山川拓馬は2区と5区、伊藤蒼唯は […]

NEWS 箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

2025.12.18

箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

前回優勝メンバーから6人が卒業 前回、10時間41分19秒の大会新記録で連覇を飾ったメンバーから6人が卒業。それも4区で歴代2位の好タイムをマークした太田蒼生(現・GMOインターネットグループ)に5、6区連続区間新で、「 […]

NEWS 横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

2025.12.18

横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

鳥取・由良育英高(現・鳥取中央育英高)の陸上部顧問として、インターハイで2度の総合優勝に導き、高校駅伝でも全国大会で2度の準優勝を果たした横山隆義氏が、12月15日、肺炎のため亡くなった。81歳だった。 横山氏は1944 […]

NEWS 26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

2025.12.18

26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

アジア陸連は11月に理事会を開催し、2026年7月9日から12日の日程で、第1回U23アジア選手権を中国・オルドスで開催することを発表した。 陸上競技では、U18やU20など年齢別の競技会が実施されており、U20カテゴリ […]

NEWS 中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

2025.12.18

中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

第102回箱根駅伝で30年ぶりとなる総合優勝を狙う中大が12月18日、東京・八王子市の多摩キャンパスで合同取材を開いた。 主将の吉居駿恭(4年)は「昨年の11月中旬くらいに(総合優勝の)目標を立てました。昨年の全日本の結 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top