HOME 駅伝

2023.01.23

高校生3人が区間新、監督と二刀流の37歳で締めた長野が連覇 「もう一度この景色を見たかった」/都道府県男子駅伝
高校生3人が区間新、監督と二刀流の37歳で締めた長野が連覇 「もう一度この景色を見たかった」/都道府県男子駅伝

2020年に続く連覇で9度目の優勝を飾った長野県チーム

◇第28回全国都道府県男子駅伝(1月22日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km)

3年ぶりの開催となった第28回全国都道府県男子駅伝が行われ、長野県が2時間17分10秒の大会新記録で優勝。3年前の覇者が2年のブランクを感じさせない結束力で、9回目の栄冠を手にした。

各都道府県の高校生たちが集結した1区で、2年生の永原颯磨(佐久長聖高)が19分41秒の区間新記録(区間2位)。トップの兵庫県と2秒差の好スタートを切り、流れを引き寄せた。永原の快走に勇気をもらった2区の猿田創汰(堀金中)、3区の伊藤大志(早大)は順位を下げつつも粘り、先頭が見える位置で中継所へ。逆転が期待される4区、5区を前に、トップから30秒以内の4位でタスキをつないだ。

広告の下にコンテンツが続きます

区間新を公言していた4区の山口竣平(佐久長聖高)は「思っていたより前のペースが上がっていなかったので、元気が出ました」とラスト1kmを2分43秒でカバーする快走。公言通り、区間新記録を5秒更新する14分02秒を叩き出し、先頭へ押し上げた。

さらに、5000m高校記録(13分22秒99)保持者の吉岡大翔(佐久長聖高)が23分52秒の区間新で続き、6区の小林睦(富士見中)でさらに差を拡大。49秒の貯金をもらったアンカーの上野裕一郎(セントポールクラブ)が「途中からチームの結果を求め、確実な走りに切り替えました」とベテランらしい堅実な走りで、勝利を決めた。

上野は2017年に7区で優勝テープを切って以来、11回目の出走。2018年に立教大男子駅伝部監督になってからは初めての都道府県駅伝で、走りにも変化があったという。「これまでは自分の成績を一番に考えて走ってきましたが、指導者になったことで、チームのための走りというのができるようになりました。ほとんど後輩たちに助けられましたが、関係者を含めたチーム長野で戦えているのが大きいと思います」と、堅いチームワークを勝因として上げる。

3年前の中学、今回の高校と2つのステージで区間新、日本一の両方を経験した吉岡もまた、後輩たちへの想いを口にした。「前回は先輩たちのおかげで初めての日本一を経験し、もう一度この景色を見たいという思いが、今につながっています。その経験を今回は中学生たちにもしてほしいと思っていたので、日本一の景色を見せてあげられてうれしいです」。

3年ぶりの開催だったが、沿道には多くの幟旗が並び、約30万人の観衆が拍手で熱い声援を送った。

文/田端慶子

◇第28回全国都道府県男子駅伝(1月22日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km) 3年ぶりの開催となった第28回全国都道府県男子駅伝が行われ、長野県が2時間17分10秒の大会新記録で優勝。3年前の覇者が2年のブランクを感じさせない結束力で、9回目の栄冠を手にした。 各都道府県の高校生たちが集結した1区で、2年生の永原颯磨(佐久長聖高)が19分41秒の区間新記録(区間2位)。トップの兵庫県と2秒差の好スタートを切り、流れを引き寄せた。永原の快走に勇気をもらった2区の猿田創汰(堀金中)、3区の伊藤大志(早大)は順位を下げつつも粘り、先頭が見える位置で中継所へ。逆転が期待される4区、5区を前に、トップから30秒以内の4位でタスキをつないだ。 区間新を公言していた4区の山口竣平(佐久長聖高)は「思っていたより前のペースが上がっていなかったので、元気が出ました」とラスト1kmを2分43秒でカバーする快走。公言通り、区間新記録を5秒更新する14分02秒を叩き出し、先頭へ押し上げた。 さらに、5000m高校記録(13分22秒99)保持者の吉岡大翔(佐久長聖高)が23分52秒の区間新で続き、6区の小林睦(富士見中)でさらに差を拡大。49秒の貯金をもらったアンカーの上野裕一郎(セントポールクラブ)が「途中からチームの結果を求め、確実な走りに切り替えました」とベテランらしい堅実な走りで、勝利を決めた。 上野は2017年に7区で優勝テープを切って以来、11回目の出走。2018年に立教大男子駅伝部監督になってからは初めての都道府県駅伝で、走りにも変化があったという。「これまでは自分の成績を一番に考えて走ってきましたが、指導者になったことで、チームのための走りというのができるようになりました。ほとんど後輩たちに助けられましたが、関係者を含めたチーム長野で戦えているのが大きいと思います」と、堅いチームワークを勝因として上げる。 3年前の中学、今回の高校と2つのステージで区間新、日本一の両方を経験した吉岡もまた、後輩たちへの想いを口にした。「前回は先輩たちのおかげで初めての日本一を経験し、もう一度この景色を見たいという思いが、今につながっています。その経験を今回は中学生たちにもしてほしいと思っていたので、日本一の景色を見せてあげられてうれしいです」。 3年ぶりの開催だったが、沿道には多くの幟旗が並び、約30万人の観衆が拍手で熱い声援を送った。 文/田端慶子

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.02

世界陸上銅メダルの藤井菜々子に那珂川市市民栄誉賞&北九州市民スポーツ大賞

9月の東京世界選手権女子20km競歩で銅メダルを獲得した藤井菜々子(エディオン)が、出身地である福岡県那珂川市の市民栄誉賞、そして高校時代を過ごした北九州市の北九州市民スポーツ大賞を受賞することが決まり、12月2日に両市 […]

NEWS サニブラウンがピックルボール初体験!子どもたちと真剣勝負「スポーツの力あらためて感じる」

2025.12.02

サニブラウンがピックルボール初体験!子どもたちと真剣勝負「スポーツの力あらためて感じる」

ピックルボール普及のためのイベントTORAY PICKLEBALL EXPERIENCEが12月2日に東京の有明アーバンスポーツ内のコートで行われ、男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が参加した。 ピック […]

NEWS 東洋大男子長距離が4社と契約 “昇り龍”を描いた鉄紺の新ユニフォームも発表「頂点目指し力強く上昇」

2025.12.02

東洋大男子長距離が4社と契約 “昇り龍”を描いた鉄紺の新ユニフォームも発表「頂点目指し力強く上昇」

東洋大は12月2日、陸上競技部男子長距離部門において、セブン銀行(本社:東京都千代田区)、カカクコム(本社:東京都渋谷区)が運営する「求人ボックス」、ECC(本社:大阪市北区)、ビースタニング(本社:東京都渋谷区)が運営 […]

NEWS Hondaに法大・大島史也、東海大の主力2人が来季加入!「培ってきた走力と探究心を最大限に発揮」

2025.12.02

Hondaに法大・大島史也、東海大の主力2人が来季加入!「培ってきた走力と探究心を最大限に発揮」

Hondaは12月2日、来年4月1日に入部する選手として、法大の大島史也、東海大の花岡寿哉と兵藤ジュダの3選手を発表した。 大島は千葉・専大松戸高出身。今年は関東インカレ5000mで7位入賞などがある。5000mは13分 […]

NEWS 約137gの超軽量ながら3D形状のカーボンプレート搭載、ミズノのスピードレーシングシューズ「HYPERWARP」が発売!

2025.12.02

約137gの超軽量ながら3D形状のカーボンプレート搭載、ミズノのスピードレーシングシューズ「HYPERWARP」が発売!

ミズノは12月2日、3D形状のフルレングスカーボンプレートを搭載したスピードランナー向けの新レーシングシューズ「HYPERWARP」シリーズを12月19日に全国のミズノランニング品取扱店で発売することを発表した。 近年の […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top