HOME 高校

2022.11.16

新潟県高校駅伝で男子2位の中越が「誤誘導」で抗議も県高体連は「運営は適切」と救済措置なし
新潟県高校駅伝で男子2位の中越が「誤誘導」で抗議も県高体連は「運営は適切」と救済措置なし

新潟市のデンカビッグスワン

新潟市で10月28日に行われた新潟県高校駅伝で、男子(7区間42.195km)2位の中越が3区で運営ミスがあったとして新潟県高等学校体育連盟(高体連)に抗議したことが明らかになり、県高体連は11月15日までに「運営は適切に行われた」と回答。救済措置はないと中越に伝えたことが分かった。

大会は新潟市のデンカビッグスワンスタジアムを発着とした、同スタジアムがある新潟県スポーツ公園内を周回するコースで実施。このコースでの高校駅伝は昨年から行われ、今年で2回目だった。

中越によると、男子の3区で自転車に乗った先導係がコースを誤って誘導したとして、先頭を走っていた中越の選手が本来の距離よりも約200m長く走ったという。最終的に中越は優勝校から12秒遅れてフィニッシュし、県4連覇を逃した。

中越はレース翌日の10月29日に口頭で県高体連陸上競技専門部長に抗議。31日には抗議文書を県高体連に送付し、再レースの実施や謝罪のほか、場合によっては寛大な救済措置をも求めた。

これを受けて11月7日、県高体連は中越を訪れ、競技規則に基づき、結果の正式発表後30分以内に抗議が行わなかったことから、競技は成立していると回答。さらに、調査を行ったところ、先導係は周回遅れの選手と先頭を走っている中越の選手の接触を防ごうと、本来とは異なる方向に進んだとし、先導係は走路の安全を確保することが役割で、誘導が含まれていないとして、運営ミスはなかったと伝えた。

中越は納得行く回答が得られなかったとして、県高体連に事態解決を要望。11月15日に県高体連は中越を再び訪れ、運営は適切に行われ、成績に変更はないことを回答した。また、再調査を行い、現場にいた複数の競技役員が3区選手の間違いに気づいて、大声で誘導したとも説明した。

広告の下にコンテンツが続きます

中越は翌16日にホームページを更新。「県高体連の調査結果と本校調査では事実が異なるため、受け入れられない。先導員(先導係)は間違ったという認識があった」「3区レース中において、本校の選手が先導員とともにコースを逸脱した際に競技役員が大声で誘導したという事実はない。後続の選手は誘導を受けており、やはり不公平である」との見解を示した。再度、抗議したものの、新潟県高体連は受け入れなかったとしている。

また、中越は11月8日に文科省やスポーツ庁、日本陸連、全国高体連に教育的な見地から全国大会への救済などを盛り込んだ嘆願書を提出したが、文科省とスポーツ庁は「当事者の間で解決してもらいたい」と回答。全国高体連は「大会の運営は、新潟県高体連の判断で行われたものであり、全国高体連が直接関与できるものではない。なお、新潟県高等学校体育連盟から聞き取った情報では、運営に不適切な点はなかったと聞いている」とした。日本陸連は「指定された11月15日までに回答ができない。近日中に回答する」としている。

中越は今後の対応について未定。渡辺裕人監督は「選手のことを思うと憤りを感じ、無念です。ただ優勝チームを認めないわけではなく、良いライバルだったからこそ、私たちも成長できました」と話した。

県高体連では「調査の結果、運営はルールにのっとって適切に行われました」としている。

新潟市で10月28日に行われた新潟県高校駅伝で、男子(7区間42.195km)2位の中越が3区で運営ミスがあったとして新潟県高等学校体育連盟(高体連)に抗議したことが明らかになり、県高体連は11月15日までに「運営は適切に行われた」と回答。救済措置はないと中越に伝えたことが分かった。 大会は新潟市のデンカビッグスワンスタジアムを発着とした、同スタジアムがある新潟県スポーツ公園内を周回するコースで実施。このコースでの高校駅伝は昨年から行われ、今年で2回目だった。 中越によると、男子の3区で自転車に乗った先導係がコースを誤って誘導したとして、先頭を走っていた中越の選手が本来の距離よりも約200m長く走ったという。最終的に中越は優勝校から12秒遅れてフィニッシュし、県4連覇を逃した。 中越はレース翌日の10月29日に口頭で県高体連陸上競技専門部長に抗議。31日には抗議文書を県高体連に送付し、再レースの実施や謝罪のほか、場合によっては寛大な救済措置をも求めた。 これを受けて11月7日、県高体連は中越を訪れ、競技規則に基づき、結果の正式発表後30分以内に抗議が行わなかったことから、競技は成立していると回答。さらに、調査を行ったところ、先導係は周回遅れの選手と先頭を走っている中越の選手の接触を防ごうと、本来とは異なる方向に進んだとし、先導係は走路の安全を確保することが役割で、誘導が含まれていないとして、運営ミスはなかったと伝えた。 中越は納得行く回答が得られなかったとして、県高体連に事態解決を要望。11月15日に県高体連は中越を再び訪れ、運営は適切に行われ、成績に変更はないことを回答した。また、再調査を行い、現場にいた複数の競技役員が3区選手の間違いに気づいて、大声で誘導したとも説明した。 中越は翌16日にホームページを更新。「県高体連の調査結果と本校調査では事実が異なるため、受け入れられない。先導員(先導係)は間違ったという認識があった」「3区レース中において、本校の選手が先導員とともにコースを逸脱した際に競技役員が大声で誘導したという事実はない。後続の選手は誘導を受けており、やはり不公平である」との見解を示した。再度、抗議したものの、新潟県高体連は受け入れなかったとしている。 また、中越は11月8日に文科省やスポーツ庁、日本陸連、全国高体連に教育的な見地から全国大会への救済などを盛り込んだ嘆願書を提出したが、文科省とスポーツ庁は「当事者の間で解決してもらいたい」と回答。全国高体連は「大会の運営は、新潟県高体連の判断で行われたものであり、全国高体連が直接関与できるものではない。なお、新潟県高等学校体育連盟から聞き取った情報では、運営に不適切な点はなかったと聞いている」とした。日本陸連は「指定された11月15日までに回答ができない。近日中に回答する」としている。 中越は今後の対応について未定。渡辺裕人監督は「選手のことを思うと憤りを感じ、無念です。ただ優勝チームを認めないわけではなく、良いライバルだったからこそ、私たちも成長できました」と話した。 県高体連では「調査の結果、運営はルールにのっとって適切に行われました」としている。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

5月5日に行われる日本グランプリシリーズ第7戦「2025水戸招待陸上」のエントリー選手が発表された。男子棒高跳には東京五輪代表の山本聖途(トヨタ自動車)、江島雅紀(富士通)や世界選手権代表経験のある柄澤智哉(東京陸協)ら […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

2025.04.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

2025.04.30

【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]

NEWS 5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

2025.04.30

5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]

NEWS 26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top