HOME ニュース、国内

2022.06.12

日本100m王者サニブラウンDLオスロ出場へ出発「ここからギアをあげていきたい」
日本100m王者サニブラウンDLオスロ出場へ出発「ここからギアをあげていきたい」

日本選手権男子100mで3年ぶり3度目の優勝を飾り、4大会連続4回目の世界選手権代表に内定したサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)。レースから2日後の6月12日、ヨーロッパに向けて出国する前に取材に応じ、「日本選手権でいい感覚を得られたのでこれを忘れずに、ここからさらに上げていきたい」と力強く語った。

日本選手権では予選から圧倒的な強さを見せ、準決勝では10秒04(+0.8)をマークして参加標準記録(10秒05)を突破。決勝もスタートでやや遅れながらも後半に巻き返して、10秒08(+1.1)で日本最速の座に返り咲いた。

広告の下にコンテンツが続きます

「予選から3本しっかり走れたことが収穫。スタートの出遅れもあったけど、後半の伸びはあったので、まずまずだったと思う」と日本選手権を総括したサニブラウン。レース翌日には都内へ移動し、この日の夜の便でヨーロッパに飛ぶというあわただしいスケジュールだ。だが、心なしかその表情には気持ちの高ぶりが感じられた。

それものはず。目的は6月16日のダイヤモンドリーグ・オスロ大会100mへの出場。16年、17年と上海の100m以来となる世界最高峰リーグへの参戦で、今回はリーグポイントが加算されるダイヤモンドレースだ。「まじめにやりながらも、楽しみたい」と笑顔がのぞく。

2020年9月頃に腰のヘルニアをわずらった影響で、昨年の東京五輪イヤーは思うような走りができなかった。「腰自体は1~2ヵ月で良くなったけど、神経痛がずっと続いてそれがきつかった」と振り返る。日本選手権は100mで6位。200mは棄権した。五輪には参加標準記録突破済みだった200mで出場したが、予選落ちに終わっている。

そこから、治療を優先しながら身体をイチから作り直した。それこそ、「メニューがこれまでと一変した」というほど、トレーニングプランを根本から見直したという。

今は、まだその過程。「身体を1度リセットして、今年復帰したところ。身体の状態は良くなっているので、自分がどこまでいけるか楽しみ」だと言う。

技術的にも「まだ気持ち良く走っている感じなので、ギアを上げていかないと」。オスロの後は拠点とする米国・フロリダに戻り、世界選手権に向けて最後の仕上げに入る予定だ。

世界選手権ではこれまで、200mでは17年ロンドン大会で7位入賞を果たしているが、過去2度出場した100mではいずれも準決勝で悔しい思いを味わってきた。

ロンドン大会では、予選で1着通過を果たしながら、準決勝はスタート直後につまづいたことが響いて7着どまり。19年ドーハ大会はスタートの合図の号砲が聞こえず完全に出遅れた。それでも後半に猛然と追い込み、着順通過の2着に0.03秒まで迫った。「あと一歩」のファイナルに対して、「いつも『ニアミス』なので、そろそろちゃんと走りたい」と胸の内を語る。

「(予選、準決勝、決勝の)3本走ることに関しては確認できたので大丈夫。あとは1本1本しっかり走るところ。ダイヤモンドリーグでいい勝負ができればいい。身体に関しては1ヵ月しかないので、やれることは限られている。あとはケアの部分。小さなものも見落とさずに、コンディションを整えていきたい」

念願の100mのファイナルに向けて、サニブラウンがいよいよ、トップフォームへと入っていく。

日本選手権男子100mで3年ぶり3度目の優勝を飾り、4大会連続4回目の世界選手権代表に内定したサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)。レースから2日後の6月12日、ヨーロッパに向けて出国する前に取材に応じ、「日本選手権でいい感覚を得られたのでこれを忘れずに、ここからさらに上げていきたい」と力強く語った。 日本選手権では予選から圧倒的な強さを見せ、準決勝では10秒04(+0.8)をマークして参加標準記録(10秒05)を突破。決勝もスタートでやや遅れながらも後半に巻き返して、10秒08(+1.1)で日本最速の座に返り咲いた。 「予選から3本しっかり走れたことが収穫。スタートの出遅れもあったけど、後半の伸びはあったので、まずまずだったと思う」と日本選手権を総括したサニブラウン。レース翌日には都内へ移動し、この日の夜の便でヨーロッパに飛ぶというあわただしいスケジュールだ。だが、心なしかその表情には気持ちの高ぶりが感じられた。 それものはず。目的は6月16日のダイヤモンドリーグ・オスロ大会100mへの出場。16年、17年と上海の100m以来となる世界最高峰リーグへの参戦で、今回はリーグポイントが加算されるダイヤモンドレースだ。「まじめにやりながらも、楽しみたい」と笑顔がのぞく。 2020年9月頃に腰のヘルニアをわずらった影響で、昨年の東京五輪イヤーは思うような走りができなかった。「腰自体は1~2ヵ月で良くなったけど、神経痛がずっと続いてそれがきつかった」と振り返る。日本選手権は100mで6位。200mは棄権した。五輪には参加標準記録突破済みだった200mで出場したが、予選落ちに終わっている。 そこから、治療を優先しながら身体をイチから作り直した。それこそ、「メニューがこれまでと一変した」というほど、トレーニングプランを根本から見直したという。 今は、まだその過程。「身体を1度リセットして、今年復帰したところ。身体の状態は良くなっているので、自分がどこまでいけるか楽しみ」だと言う。 技術的にも「まだ気持ち良く走っている感じなので、ギアを上げていかないと」。オスロの後は拠点とする米国・フロリダに戻り、世界選手権に向けて最後の仕上げに入る予定だ。 世界選手権ではこれまで、200mでは17年ロンドン大会で7位入賞を果たしているが、過去2度出場した100mではいずれも準決勝で悔しい思いを味わってきた。 ロンドン大会では、予選で1着通過を果たしながら、準決勝はスタート直後につまづいたことが響いて7着どまり。19年ドーハ大会はスタートの合図の号砲が聞こえず完全に出遅れた。それでも後半に猛然と追い込み、着順通過の2着に0.03秒まで迫った。「あと一歩」のファイナルに対して、「いつも『ニアミス』なので、そろそろちゃんと走りたい」と胸の内を語る。 「(予選、準決勝、決勝の)3本走ることに関しては確認できたので大丈夫。あとは1本1本しっかり走るところ。ダイヤモンドリーグでいい勝負ができればいい。身体に関しては1ヵ月しかないので、やれることは限られている。あとはケアの部分。小さなものも見落とさずに、コンディションを整えていきたい」 念願の100mのファイナルに向けて、サニブラウンがいよいよ、トップフォームへと入っていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.11

青学大・原監督「バーディー×2」駒大・藤田監督「4本の柱」総合力の「上握り10貫」など指揮官たちが“前哨戦”/箱根駅伝トークバトル

「第102回箱根駅伝トークバトル」が12月10日、東京・恵比寿ガーデンプレイスで行われた。 前回優勝校の青学大・原晋監督、同2位の駒大・藤田敦史監督、同3位の國學院大・前田康弘監督、同4位でトークバトル初登場の早大・花田 […]

NEWS 【箱根駅伝エントリー】登録選手336人が決定 最多出身高は13年ぶりの駅伝名門校! 都道府県別では埼玉が2年連続トップ

2025.12.10

【箱根駅伝エントリー】登録選手336人が決定 最多出身高は13年ぶりの駅伝名門校! 都道府県別では埼玉が2年連続トップ

第102回箱根駅伝のチームエントリーが12月10日に行われ、今回も1チーム16人、21チーム計336人が選手登録された。 登録選手を出身高校別に見ると、佐久長聖高(長野)が13人で最多となった。続いて、洛南高(京都)が1 […]

NEWS 前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝

2025.12.10

前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回6位の城西大は16人のエントリーの半数を4年生が占めた。櫛部静二監督は「ここ数年、この4年生の力によって、城西大としては上 […]

NEWS 15年ぶりVへ!早大・花田勝彦監督「往路優勝のオーダーを」山口智規主将を「胴上げしたい」/箱根駅伝

2025.12.10

15年ぶりVへ!早大・花田勝彦監督「往路優勝のオーダーを」山口智規主将を「胴上げしたい」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回4位の早大は「5強」の一角として、15年ぶり優勝をしっかりと視界に捉える。 就任4年目を迎えた花田勝彦駅伝監督は、今年度で […]

NEWS 99回目出場の中大・藤原監督「いい顔でスタートを」4年生が優勝へ執念「勝たせてやりたい」/箱根駅伝

2025.12.10

99回目出場の中大・藤原監督「いい顔でスタートを」4年生が優勝へ執念「勝たせてやりたい」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 全日本大学駅伝で2位を占めた中大は、前回5位からの躍進を期す。藤原正和監督は「いいチームができました」と胸を張って語る。 1年 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top