◇第106回日本選手権(6月9日~12日/大阪・ヤンマースタジアム長居)3日目
オレゴン世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目に行われた女子100mハードルが行われ、福部真子(日本建設工業)が13秒10(+0.8)で初優勝を飾った。
フィニッシュ後は感極まる様子を見せた福部。だが、インタビューでは淡々と、冷静に振り返ったのも成長の証だろうか。予選(13秒12/+1.0)、準決勝(13秒15/-0.5)と安定した走りを見せていた福部は、決勝でもスタートから飛び出す。「準決勝の加速をそのまま出そう」。決勝はとにかく「優勝だけを意識して勝ちにいった」。
前日には100mでときおり練習をともにする君嶋愛梨沙(土木管理総合)が優勝。「中学時代から仲良くしている。君嶋ととれたのがうれしいです」と喜びを語る。
中学時代は四種競技で日本一に輝き、広島皆実高時代には100mハードルでインターハイ3連覇。「天才少女」と大きな注目を集めてきた。だが、日体大に進学して以降は「その肩書きに苦しみました」。400mハードルへの挑戦をしながら、試行錯誤を続けながら、100mハードルへのこだわりを持ち続けてきた。
一時は大学で競技を辞めることも考えたが、「やっぱり勝ちたかった」と現役続行。だが、卒業後も浮き沈みを繰り返し、コロナ禍の影響もあって安定しなかった。「苦しかったです」。20年以降は練習拠点を地元・広島に移して再スタート。今季は13秒05をマークするなど、ついに12秒台に手がかかるところまで成長を遂げた。
世代別の日本一を何度も手にしてきたが、「本当の頂点に立てました。感謝を形にできたと思います」と安堵の表情を浮かべる。「12秒台はいつでも出せる」と福部。インターハイ3連覇、天才少女の呪縛を超えようと、あきらめずにハードルを越え続けてきた。「今日の日本一はいろんな思いがあります」。
成長の証を刻んだ日本選手権初優勝。元天才少女ではなく、日本トップハードラーの一人として、パリ五輪まで突き進む。

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