2021.08.20
2004年から全中で四種競技が行われるようになってから、男女を通じて初となる1年生チャンピオンが誕生した。全中の初日と2日目に行われた女子四種競技で2926点を獲得して頂点に立ったのが石原南菜(足利二1栃木)だ。
石原は小学生時代からクラブチームで陸上を始め、5年生だった2019年には全国小学生交流陸上の5年100mで全国制覇。昨年には走幅跳で5m32の小学生最高記録も樹立している逸材。中学入学間もない今年4月の栃木県春季競技会でいきなり2865点をマークして従来の中1最高記録(2588点)を大きく上回り、にわかに注目を集めると、今月7日の関東大会では記録を2974点にまで伸ばし、上級生を抑えて早くも優勝候補に挙がっていた。
石原にとって今大会が4回目の四種競技。1種目めの100mハードルは、14秒92(-3.2)だった。関東大会では中1歴代3位となる14秒25で走っており、「風の影響でいつもの走りができなかった」と悔しがったものの、多くの選手が強い向かい風に手を焼く中、全体の2位タイと好スタートを切った。
「春からベストが全然出てなかったので、更新できたのでうれしかった」と振り返るのが、中1歴代4位タイとなる1m60で終えた2種目めの走高跳だ。これまでのベスト記録だった1m57を2回目でクリアすると、1m60も2回目で成功させた。1m63は惜しくもクリアならなかったが、「通信大会や総体の時と比べて、しっかり踏み切れるような助走に変えたことで、上へ跳べるようになりました」と石原。種目トップの736点を稼ぎ、合計1588点と首位で前半を折り返した。
2日目も「いつもの感じで投げられた」という砲丸投を11m44で乗り切ると、最終種目の200mは「なんとか1位を保てるように、がむしゃらに走りました」と語ったように、26秒97(-3.0)の全体5番目のタイムで踏ん張った。1年生でただ1人出場した石原が、先輩たちの追い上げを振り切って優勝を決めたのだった。
石原は試合後、「目標は自己ベストだったので、出せなかったことが引っかかる」と言いながらも、「初めての全国大会で緊張しましたが、リラックスしてできたので良かった。優勝できたのはうれしいです」と笑顔を見せた。「ちゃんと自分の力を出せて波に乗っていけたし、周りの人たちも明るくて面白くて楽しかったです」と、大きな満足感で初めての全中を終えたばかりだったにもかかわらず、1年生女王は「来年の全中でも優勝したいです」と、早くも1年後の大会に視線を向けていた。
◇2日目の優勝者
男子200m
塩谷友陽(関屋3新潟) 22秒32(-1.5)
男子400m
窪田健聖(星峯3鹿児島) 50秒44
男子800m
梅原俊太(間々田2栃木) 1分57秒12
男子3000m
鈴木琉胤(小金北3千葉) 8分35秒54
男子四種競技
高橋駿士(会津若松一3福島) 2823点
女子200m
秋澤理沙(燕吉田2新潟) 24秒72(-3.1)
女子800m
石川蘭(小樽西陵3北海道) 2分11秒37
女子走高跳
高橋美月(盛岡城西3岩手) 1m69
女子砲丸投
山口嘉夢(墨江丘3大阪) 14m85
女子四種競技
石原南菜(足利二1栃木) 2926点
文/小野哲史
◇茨城全中(8月18日~20日/茨城・笠松)2日目
2004年から全中で四種競技が行われるようになってから、男女を通じて初となる1年生チャンピオンが誕生した。全中の初日と2日目に行われた女子四種競技で2926点を獲得して頂点に立ったのが石原南菜(足利二1栃木)だ。
石原は小学生時代からクラブチームで陸上を始め、5年生だった2019年には全国小学生交流陸上の5年100mで全国制覇。昨年には走幅跳で5m32の小学生最高記録も樹立している逸材。中学入学間もない今年4月の栃木県春季競技会でいきなり2865点をマークして従来の中1最高記録(2588点)を大きく上回り、にわかに注目を集めると、今月7日の関東大会では記録を2974点にまで伸ばし、上級生を抑えて早くも優勝候補に挙がっていた。
石原にとって今大会が4回目の四種競技。1種目めの100mハードルは、14秒92(-3.2)だった。関東大会では中1歴代3位となる14秒25で走っており、「風の影響でいつもの走りができなかった」と悔しがったものの、多くの選手が強い向かい風に手を焼く中、全体の2位タイと好スタートを切った。
「春からベストが全然出てなかったので、更新できたのでうれしかった」と振り返るのが、中1歴代4位タイとなる1m60で終えた2種目めの走高跳だ。これまでのベスト記録だった1m57を2回目でクリアすると、1m60も2回目で成功させた。1m63は惜しくもクリアならなかったが、「通信大会や総体の時と比べて、しっかり踏み切れるような助走に変えたことで、上へ跳べるようになりました」と石原。種目トップの736点を稼ぎ、合計1588点と首位で前半を折り返した。
2日目も「いつもの感じで投げられた」という砲丸投を11m44で乗り切ると、最終種目の200mは「なんとか1位を保てるように、がむしゃらに走りました」と語ったように、26秒97(-3.0)の全体5番目のタイムで踏ん張った。1年生でただ1人出場した石原が、先輩たちの追い上げを振り切って優勝を決めたのだった。
石原は試合後、「目標は自己ベストだったので、出せなかったことが引っかかる」と言いながらも、「初めての全国大会で緊張しましたが、リラックスしてできたので良かった。優勝できたのはうれしいです」と笑顔を見せた。「ちゃんと自分の力を出せて波に乗っていけたし、周りの人たちも明るくて面白くて楽しかったです」と、大きな満足感で初めての全中を終えたばかりだったにもかかわらず、1年生女王は「来年の全中でも優勝したいです」と、早くも1年後の大会に視線を向けていた。
◇2日目の優勝者
男子200m
塩谷友陽(関屋3新潟) 22秒32(-1.5)
男子400m
窪田健聖(星峯3鹿児島) 50秒44
男子800m
梅原俊太(間々田2栃木) 1分57秒12
男子3000m
鈴木琉胤(小金北3千葉) 8分35秒54
男子四種競技
高橋駿士(会津若松一3福島) 2823点
女子200m
秋澤理沙(燕吉田2新潟) 24秒72(-3.1)
女子800m
石川蘭(小樽西陵3北海道) 2分11秒37
女子走高跳
高橋美月(盛岡城西3岩手) 1m69
女子砲丸投
山口嘉夢(墨江丘3大阪) 14m85
女子四種競技
石原南菜(足利二1栃木) 2926点
文/小野哲史 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.26
編集部コラム「令和7年の大会取材」
2025.12.25
名古屋アジア大会の派遣設定記録クリアと日本選手権優勝で代表内定 参考競技会も決定
-
2025.12.25
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.21
早大が来春入部選手発表!高校駅伝1区激闘の増子陽太、新妻、本田がそろって加入!
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.20
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.26
編集部コラム「令和7年の大会取材」
攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]
2025.12.25
名古屋アジア大会の派遣設定記録クリアと日本選手権優勝で代表内定 参考競技会も決定
日本陸連は12月25日までに来年の名古屋アジア大会の派遣設定記録と、選考要項にかかる参考競技会について公開した。 来年9月19日から10月4日まで行われるアジア大会。日本開催は1994年の広島以来、32年ぶりとなる。陸上 […]
2025.12.25
箱根駅伝の出場チーム増が決定!記念大会も「改革」4年に一度の五輪イヤー、予選会は全国へ門戸拡大
関東学生陸上競技連盟(関東学連)は12月25日、箱根駅伝における「記念大会改革」と「出走チーム数増加」について発表した。 2028年の第104回大会から、これまで5年に1回だった記念大会を五輪イヤーの4回大会ごとに変更。 […]
2025.12.25
箱根駅伝Stories/前年より質・量ともに充実の山梨学大 主将の弓削征慶「今までより良い位置で走れる」
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 「山上り一本にかける」 箱根駅伝予選会の出場を回避した山梨学大のキャ […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
