
◇関東インカレ(5月20~23日/神奈川・相模原)
関東インカレ女子1部三段跳の最終6回目。トラック種目が終了し、スタンドの視線は集中した。優勝を決めた内山咲良(東大)が手拍子を求める。スタンドの拍手は応援と優勝を称えているように大きく聞こえた。2回目に跳んだ12m86(+2.0)は超えられなかったが、再び12m80を越える12m82(+1.3)をマーク。東大生の優勝は関東インカレ史上、女子では初の快挙を第100回目の大会で達成した瞬間だった。
「実感が湧かないですが、優勝できてうれしいです」と笑顔がこぼれるが、「13mが目標だったので記録的には物足りないです」と振り返る。2回目の優勝記録となったジャンプは「弾む感覚がありました」と手応えのある跳躍だった。
筑波大附高出身の東大医学部6年生。医者を志しているジャンパーだ。2019年の日本インカレで13m00(+0.9)を跳び2位。昨年はコロナ禍にあって練習環境の確保も難しく、右足を疲労骨折するなど、思うような練習が積めなかった。それでも、「この冬はケガとうまく付き合いながら練習できました」と復調。今シーズンは「全体的にまんべんなく強化してきましたが、スピードがついて助走が速くなったと思います」と順調に来ていた。
高校時代は走幅跳に取り組みインターハイにも出場。大学でも続けたが、「インカレの参加標準記録にも届かなかった」。3年生で挑戦した三段跳で可能性を見出し、4年時に初めてインカレに出場できるように。今回が3度目の関東インカレだった。
実習などとの兼ね合いもあるが、「練習にかける時間は変わっていませんが、4年生の時よりも自由にできていると思います」と言う。メニューは基本的に自分で立てながら、短距離コーチなどにアドバイスをもらう。「負荷の高い種目なので跳躍練習をし過ぎず、でも負荷に順応できるようにしないといけない。そのバランスを考えています」と言う。“頭脳派”な一面もありつつ、「今日は追われる立場だったので、いつ抜かれるかと(精神的に)きつかったです」とも。それでも、「そういう気持ちの変動をあえて(抑えずに)利用している側面もあります」と言うあたりもさすがだ。
“東大生”という肩書きで注目されることに、最初は戸惑いもあった。4年時の関東インカレで4位に入った時には「東大生じゃなかったら記事にしてもらえなかったんだろうな」と思ったという。だからこそ、「結果を出そう」という思いは強くなり、体現してきた。13mを跳んで記事になったことに胸を張り、今回もタイトルを取り、堂々とインタビューに応えた。
最終跳躍の手拍子は「この規模の大会では初めてです。高揚感がありました」と充実の表情を浮かべる内山。今シーズンを「集大成」ととらえており、「オリンピックに出るとか、よほどのことがない限り最後」という思いで臨んでいる。「走幅跳で6mを跳びたかった自分は、すでに報われていて、充足している。今は“ボーナスステージ”なんです」と笑う内山。次は「日本選手権で13mを跳びたい。13mの試合をしたいんです」と言う。秋の日本インカレが最後のビッグマッチ。「勝てるように13mを跳べる準備をしていきます」。
東大医学部生のタイトルは確かに特別なことだろう。だが、陸上と自分自身に真摯に向き合い、自らを高めていく姿は、一人のアスリートとして光り輝いていた。
◇関東インカレ(5月20~23日/神奈川・相模原)関東インカレ女子1部三段跳の最終6回目。トラック種目が終了し、スタンドの視線は集中した。優勝を決めた内山咲良(東大)が手拍子を求める。スタンドの拍手は応援と優勝を称えているように大きく聞こえた。2回目に跳んだ12m86(+2.0)は超えられなかったが、再び12m80を越える12m82(+1.3)をマーク。東大生の優勝は関東インカレ史上、女子では初の快挙を第100回目の大会で達成した瞬間だった。「実感が湧かないですが、優勝できてうれしいです」と笑顔がこぼれるが、「13mが目標だったので記録的には物足りないです」と振り返る。2回目の優勝記録となったジャンプは「弾む感覚がありました」と手応えのある跳躍だった。筑波大附高出身の東大医学部6年生。医者を志しているジャンパーだ。2019年の日本インカレで13m00(+0.9)を跳び2位。昨年はコロナ禍にあって練習環境の確保も難しく、右足を疲労骨折するなど、思うような練習が積めなかった。それでも、「この冬はケガとうまく付き合いながら練習できました」と復調。今シーズンは「全体的にまんべんなく強化してきましたが、スピードがついて助走が速くなったと思います」と順調に来ていた。高校時代は走幅跳に取り組みインターハイにも出場。大学でも続けたが、「インカレの参加標準記録にも届かなかった」。3年生で挑戦した三段跳で可能性を見出し、4年時に初めてインカレに出場できるように。今回が3度目の関東インカレだった。実習などとの兼ね合いもあるが、「練習にかける時間は変わっていませんが、4年生の時よりも自由にできていると思います」と言う。メニューは基本的に自分で立てながら、短距離コーチなどにアドバイスをもらう。「負荷の高い種目なので跳躍練習をし過ぎず、でも負荷に順応できるようにしないといけない。そのバランスを考えています」と言う。“頭脳派”な一面もありつつ、「今日は追われる立場だったので、いつ抜かれるかと(精神的に)きつかったです」とも。それでも、「そういう気持ちの変動をあえて(抑えずに)利用している側面もあります」と言うあたりもさすがだ。“東大生”という肩書きで注目されることに、最初は戸惑いもあった。4年時の関東インカレで4位に入った時には「東大生じゃなかったら記事にしてもらえなかったんだろうな」と思ったという。だからこそ、「結果を出そう」という思いは強くなり、体現してきた。13mを跳んで記事になったことに胸を張り、今回もタイトルを取り、堂々とインタビューに応えた。最終跳躍の手拍子は「この規模の大会では初めてです。高揚感がありました」と充実の表情を浮かべる内山。今シーズンを「集大成」ととらえており、「オリンピックに出るとか、よほどのことがない限り最後」という思いで臨んでいる。「走幅跳で6mを跳びたかった自分は、すでに報われていて、充足している。今は“ボーナスステージ”なんです」と笑う内山。次は「日本選手権で13mを跳びたい。13mの試合をしたいんです」と言う。秋の日本インカレが最後のビッグマッチ。「勝てるように13mを跳べる準備をしていきます」。東大医学部生のタイトルは確かに特別なことだろう。だが、陸上と自分自身に真摯に向き合い、自らを高めていく姿は、一人のアスリートとして光り輝いていた。RECOMMENDED おすすめの記事
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