HOME 世界陸上、海外

2025.09.06

砲丸投ライアン・クラウザー 肘を痛め復活へ「逆境を乗り越えて誇りに思う」/東京世界陸上
砲丸投ライアン・クラウザー 肘を痛め復活へ「逆境を乗り越えて誇りに思う」/東京世界陸上

取材に応じるクラウザー

男子砲丸投の世界記録保持者のライアン・クラウザー(米国)が9月6日、都内で練習を公開し、本誌の単独取材に応じた。

23m56の世界記録を持ち、五輪初の3連覇、世界選手権も2連覇中のクラウザー。だが、今季は肘のケガもあり、前回王者として出場権を得ていたため試合に出場しなかった。

広告の下にコンテンツが続きます

「今年は期待していたよりも少し難しいシーズンになりました。まず、身体のコンディションができる限り最高の状態になるように最善を尽くすため、試合に出場しませんでした。肘のケガが長引いてしまい、完璧な状態とは言えません。そのため、投てき練習もかなり制限をせざるを得なかったです」

それでも、今大会に向けてできる限り、しっかりと仕上げてきたという。

「状態はかなり良くなっていると感じています。フィジカル面も段々と良くなりましたし、精神状態も安定しています。また競争できることを恐怖ではなく、ワクワクできるようになった。それはとても良いことです。逆境を乗り越えて戻ってこられたことを誇りに思います」

クラウザーは、ターン始動時にステップを加える新たな技術「クラウザースライド」と呼ばれるフォームに取り組んできた。技術の習得について、興味深い言葉が返ってきた。

「私のテクニックは常に変化しています。良くも悪くも、『完璧』になることはないのです。『自分の技術が完璧だ』、と思ってしまった瞬間から、その技術は完璧ではないのです。常に何かを改善し、変化を加えていく。常に今よりもより良くしようと努力し続けてきたことが、私の成功の秘訣の一つです」

2021年東京五輪以来の来日であり、国立競技場での投てきになる。4年前は五輪2連覇。大会前に砲丸投を始めるきっかけになった祖父が急逝したが、その思いを込めて五輪新記録で優勝した思い出の場所でもある。

「東京五輪ではオリンピック新記録(23m30)を投げて優勝できました。東京は特別な場所です。スタジアムも大好きです。ただ、東京オリンピックの時はコロナ禍で、選手村とスタジアムの行き来だけだったことです。私は日本の文化や歴史が大好きで、とても興味深い。だから、今回は東京の街を見て、文化に触れるのが楽しみです」

3連覇が懸かる今大会。どんな目標を掲げるのか。

「とにかく試合に出られるのがうれしいし、他の選手のシーズンベストを上回る投てきができればそれでいいと思っています。正直、肘を使って強い投げができていないので、記録の目標を設定するのは難しいです。ただ、若い頃のように練習で遠くまで投げられないのは当然のことです。必要な要素はすべてそろっています」

「私にとって、記録は自分が望むものとイコールではありません。記録よりも技術的に、そしてアグレッシブに投げること。特に最近はアグレッシブに投げられていない。フィニッシュまでアグレッシブでいられたら、必ず飛距離は伸びると思います。みなさん、スタジアムで会いましょう!」

東京世界選手権は9月13日から21日まで、国立競技場をメイン会場に行われる。クラウザーが出場する男子砲丸投は予選が初日の13日の午前セッションに予選、午後セッションに決勝が行われる。

男子砲丸投の世界記録保持者のライアン・クラウザー(米国)が9月6日、都内で練習を公開し、本誌の単独取材に応じた。 23m56の世界記録を持ち、五輪初の3連覇、世界選手権も2連覇中のクラウザー。だが、今季は肘のケガもあり、前回王者として出場権を得ていたため試合に出場しなかった。 「今年は期待していたよりも少し難しいシーズンになりました。まず、身体のコンディションができる限り最高の状態になるように最善を尽くすため、試合に出場しませんでした。肘のケガが長引いてしまい、完璧な状態とは言えません。そのため、投てき練習もかなり制限をせざるを得なかったです」 それでも、今大会に向けてできる限り、しっかりと仕上げてきたという。 「状態はかなり良くなっていると感じています。フィジカル面も段々と良くなりましたし、精神状態も安定しています。また競争できることを恐怖ではなく、ワクワクできるようになった。それはとても良いことです。逆境を乗り越えて戻ってこられたことを誇りに思います」 クラウザーは、ターン始動時にステップを加える新たな技術「クラウザースライド」と呼ばれるフォームに取り組んできた。技術の習得について、興味深い言葉が返ってきた。 「私のテクニックは常に変化しています。良くも悪くも、『完璧』になることはないのです。『自分の技術が完璧だ』、と思ってしまった瞬間から、その技術は完璧ではないのです。常に何かを改善し、変化を加えていく。常に今よりもより良くしようと努力し続けてきたことが、私の成功の秘訣の一つです」 2021年東京五輪以来の来日であり、国立競技場での投てきになる。4年前は五輪2連覇。大会前に砲丸投を始めるきっかけになった祖父が急逝したが、その思いを込めて五輪新記録で優勝した思い出の場所でもある。 「東京五輪ではオリンピック新記録(23m30)を投げて優勝できました。東京は特別な場所です。スタジアムも大好きです。ただ、東京オリンピックの時はコロナ禍で、選手村とスタジアムの行き来だけだったことです。私は日本の文化や歴史が大好きで、とても興味深い。だから、今回は東京の街を見て、文化に触れるのが楽しみです」 3連覇が懸かる今大会。どんな目標を掲げるのか。 「とにかく試合に出られるのがうれしいし、他の選手のシーズンベストを上回る投てきができればそれでいいと思っています。正直、肘を使って強い投げができていないので、記録の目標を設定するのは難しいです。ただ、若い頃のように練習で遠くまで投げられないのは当然のことです。必要な要素はすべてそろっています」 「私にとって、記録は自分が望むものとイコールではありません。記録よりも技術的に、そしてアグレッシブに投げること。特に最近はアグレッシブに投げられていない。フィニッシュまでアグレッシブでいられたら、必ず飛距離は伸びると思います。みなさん、スタジアムで会いましょう!」 東京世界選手権は9月13日から21日まで、国立競技場をメイン会場に行われる。クラウザーが出場する男子砲丸投は予選が初日の13日の午前セッションに予選、午後セッションに決勝が行われる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.03.09

日本インカレの大会要項が発表 標準記録は前回と同じ フィールド種目にも最大出場人数を設定

日本学生陸上競技連合は3月9日、第95回日本インカレ(9月5日~7日/神奈川・日産スタジアム)の大会要項を発表した。 前回大会からは参加資格にいくつか変更が加えられ、フィールド種目にもトラック種目と同様に最大出場人数が設 […]

NEWS カールストレームがハーフ競歩で1時間24分58秒 女子はインガがガルシア・レオンに先着/WA競歩ツアー

2026.03.09

カールストレームがハーフ競歩で1時間24分58秒 女子はインガがガルシア・レオンに先着/WA競歩ツアー

世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールドのドゥンディスカ50が、3月7日にスロバキアで開催され、男子ハーフマラソン競歩ではブダペスト世界選手権20km競歩銀メダルのP.カールストレーム(スウェーデン)が1時間24分58秒で優 […]

NEWS シマンスキが60mH7秒37の今季世界最高タイ 女子砲丸投スキルダー20m69の自己タイV/WA室内ツアー

2026.03.09

シマンスキが60mH7秒37の今季世界最高タイ 女子砲丸投スキルダー20m69の自己タイV/WA室内ツアー

3月6日、世界陸連(WA)室内ツアー・シルバーのISTAF室内がドイツ・ベルリンで開催され、男子60mハードルではJ.シマンスキ(ポーランド)が今季世界最高タイの7秒37で優勝した。シマンスキは。24年世界室内選手権のこ […]

NEWS 箱根駅伝3年連続9度目Vの青学大に盛岡大附・古川陽樹、須磨学園・藤岡孝太郎ら11人の新入生が加入!

2026.03.09

箱根駅伝3年連続9度目Vの青学大に盛岡大附・古川陽樹、須磨学園・藤岡孝太郎ら11人の新入生が加入!

青学大陸上部長距離ブロックは3月8日、チームのSNSで2026年の新入生を発表した。 11人の新入生が加入。持ち記録の筆頭は5000mで13分58秒62の古川陽樹(盛岡大附・岩手)。インターハイ5000mで7位に入り、国 […]

NEWS 佐藤早也伽が日本人トップ!加世田、大森ら6人がロス五輪MGC切符つかむ/名古屋ウィメンズマラソン

2026.03.09

佐藤早也伽が日本人トップ!加世田、大森ら6人がロス五輪MGC切符つかむ/名古屋ウィメンズマラソン

◇名古屋ウィメンズマラソン2026(3月8日/愛知・バンテリンドーム ナゴヤ発着) アジア大会代表選考会を兼ねたMGCシリーズG1の名古屋ウィメンズマラソンが行われ、シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間21分54秒で […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年3月号 (2月14日発売)

2026年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
大阪国際女子マラソン
矢田みくにインタビュー
追跡箱根駅伝

page top