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2025.10.18

北口榛花 初のやり投教室「突き詰めたいなら努力するしか方法はない」中高生に熱血指導
北口榛花 初のやり投教室「突き詰めたいなら努力するしか方法はない」中高生に熱血指導

やり投教室を開いた北口榛花(JAL)

女子やり投の北口榛花(JAL)が初めて自己プロデュースしたやり投に特化した陸上教室の「はるかなる教室 Supported by JAL」(主催:株式会社スポーツビズ、川崎とどろきパーク株式会社)が18日、神奈川県の等々力補助競技場で行われた。

「やり投だけの教室というのはなかなかなかったと思いますし、絶対にやり投をしてほしい、ではなくて、やり投が選択肢の一つになってくれれば」という思いから初めてやり投に特化した陸上教室を北口自らプロデュース。2度の世界一を経験している北口が中高生に熱血指導を行った。

午前は中学生20人を対象に実施。中学生ではやり投がないため、この日初めて体験する中学生がほとんど。「初めての子たちにとっては今日が大事な日になると思って取り組みました」。チェコのジュニア世代を指導するディヴィッド・セケラック・コーチのお手製の竹製の軽めのやりを用意し、グリップへの手のかけ方から至難し、“長い棒”を投げる感覚を伝えていく。

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「左手の小指を上に向けよう」「まっすぐ投げるよりまずは振り切るのが大事」「下を向かずに身体ごとやりと同じ方向に」などとアドバイスを送る。投てき練習をした後は試合形式で投げ、最後の3本目は実際のやりを投げるチャレンジ。初めてのやり投にうまくいく選手もいれば、四苦八苦する選手も。「試合ではたくさん考えて、試合ではポイントを絞って、最後は思いっきり投げよう」と笑顔でアドバイスを送った。

参加した長谷部陽香さん(中3)は「とても身長が大きくて、優しくアドバイスをくれました。中学では砲丸投と円盤投をやっているのでですが、高校からはやり投にも挑戦したいです」と興味を深めていた。

茂木紘音さん(中3)は「今年から砲丸投を始めました。全力で振り切ることと、目線を上に向けるというのが印象に残りました。とても楽しくて高校からやり投をやりたくなりました!」と笑顔を見せた。

午後は高校生14人が対象。なかには今年の広島インターハイで女子やり投2位となった須永莉子さん(高3)や、昨年のインターハイ七種競技優勝の本多七さん(高3)と豪華な顔ぶれに。

北口が試合2日前に実際に行っているというミニハードルを使ったドリルを自ら見本になって見せ、「脚を上げるより下げる意識で」「下を向かないように」などと声をかけ、実際のやり投のステップに近い動きを見せる、まさに生きた教材となった。

投てき練習では7人ずつに分かれると、「迷ったのですが、投げる回数は少なくなるかもしれないけれど全体ではなく一人ひとりに話したほうが課題に思ってくれるかな」と丁寧にアドバイスを送り、「話し過ぎちゃったのが反省点」を苦笑い。

ただ、世界女王からの細かなアドバイスは何よりの経験となったようで、参加した本多さんは「思ったよりマンツーマンで押していただいて貴重な経験になりました。1年間伸び悩んでいたのですが、身体を横にして投げるところが生かせそうです。ドリルも取り入れたいです」と語り、「大学では七種競技とやり投の両方で記録を伸ばしていきたい」と力を込めていた。

北口とは2度目で、一緒に撮った写真やカレンダーを飾っているという本多さんは「いつか一緒の試合で戦えるようになりたい」とあこがれの存在に目を輝かせていた。

やり投専門の須永さんも「友達から聞いて絶対に参加したいと思っていました。第一印象はとても大きくて、筋肉もすごくて、投げるにはこのくらいの身体にならないといけないと感じました。投げたい方向と身体を同じしないといけないというのが印象に残りました。大学では3、4年で全国で戦えるようになりたい」と語った。

すでにやり投の経験もあることから、伝えるのが『正解ではない』と北口という思いがあり、チェコに渡った際に世界記録保持者のバルボラ・シュポターコヴァ(チェコ)に言われた「一人ひとり違うのだからあこがれても100%コピーすることはできない」という言葉を高校生にも伝え、「ある程度習っていると思うので、良い部分、悪い部分あると思いますが、少しで何か持ち帰ってくれれば。一人ひとり身体が違って投げ方が違うけど、基礎は大事で“型”はない」と語る。

こうした教室を通して、一番伝えたいのは「やり投の楽しさだけではなく、試行錯誤もしながら、自分で消化して次のステップに進んでほしい」ということ。世界の頂点で戦い続けるからこそ「本当に簡単なことではないですし、厳し道もある。突き詰めたいと思うのならとことん練習して、努力するしか方法はない。あきらめずに努力し続けるのが大事」と考える。

各部のあとには一人ひとりに写真やサインに応じ、質問が来ると時間をかけて応えた北口。「今回が1回目で足りない部分もあったと思います。(参加者からの)フィードバックを見て、みなさんの力を借りてどんどんと良い教室にしていければ」と今後への展望も語った。

女子やり投の北口榛花(JAL)が初めて自己プロデュースしたやり投に特化した陸上教室の「はるかなる教室 Supported by JAL」(主催:株式会社スポーツビズ、川崎とどろきパーク株式会社)が18日、神奈川県の等々力補助競技場で行われた。 「やり投だけの教室というのはなかなかなかったと思いますし、絶対にやり投をしてほしい、ではなくて、やり投が選択肢の一つになってくれれば」という思いから初めてやり投に特化した陸上教室を北口自らプロデュース。2度の世界一を経験している北口が中高生に熱血指導を行った。 午前は中学生20人を対象に実施。中学生ではやり投がないため、この日初めて体験する中学生がほとんど。「初めての子たちにとっては今日が大事な日になると思って取り組みました」。チェコのジュニア世代を指導するディヴィッド・セケラック・コーチのお手製の竹製の軽めのやりを用意し、グリップへの手のかけ方から至難し、“長い棒”を投げる感覚を伝えていく。 「左手の小指を上に向けよう」「まっすぐ投げるよりまずは振り切るのが大事」「下を向かずに身体ごとやりと同じ方向に」などとアドバイスを送る。投てき練習をした後は試合形式で投げ、最後の3本目は実際のやりを投げるチャレンジ。初めてのやり投にうまくいく選手もいれば、四苦八苦する選手も。「試合ではたくさん考えて、試合ではポイントを絞って、最後は思いっきり投げよう」と笑顔でアドバイスを送った。 参加した長谷部陽香さん(中3)は「とても身長が大きくて、優しくアドバイスをくれました。中学では砲丸投と円盤投をやっているのでですが、高校からはやり投にも挑戦したいです」と興味を深めていた。 茂木紘音さん(中3)は「今年から砲丸投を始めました。全力で振り切ることと、目線を上に向けるというのが印象に残りました。とても楽しくて高校からやり投をやりたくなりました!」と笑顔を見せた。 午後は高校生14人が対象。なかには今年の広島インターハイで女子やり投2位となった須永莉子さん(高3)や、昨年のインターハイ七種競技優勝の本多七さん(高3)と豪華な顔ぶれに。 北口が試合2日前に実際に行っているというミニハードルを使ったドリルを自ら見本になって見せ、「脚を上げるより下げる意識で」「下を向かないように」などと声をかけ、実際のやり投のステップに近い動きを見せる、まさに生きた教材となった。 投てき練習では7人ずつに分かれると、「迷ったのですが、投げる回数は少なくなるかもしれないけれど全体ではなく一人ひとりに話したほうが課題に思ってくれるかな」と丁寧にアドバイスを送り、「話し過ぎちゃったのが反省点」を苦笑い。 ただ、世界女王からの細かなアドバイスは何よりの経験となったようで、参加した本多さんは「思ったよりマンツーマンで押していただいて貴重な経験になりました。1年間伸び悩んでいたのですが、身体を横にして投げるところが生かせそうです。ドリルも取り入れたいです」と語り、「大学では七種競技とやり投の両方で記録を伸ばしていきたい」と力を込めていた。 北口とは2度目で、一緒に撮った写真やカレンダーを飾っているという本多さんは「いつか一緒の試合で戦えるようになりたい」とあこがれの存在に目を輝かせていた。 やり投専門の須永さんも「友達から聞いて絶対に参加したいと思っていました。第一印象はとても大きくて、筋肉もすごくて、投げるにはこのくらいの身体にならないといけないと感じました。投げたい方向と身体を同じしないといけないというのが印象に残りました。大学では3、4年で全国で戦えるようになりたい」と語った。 すでにやり投の経験もあることから、伝えるのが『正解ではない』と北口という思いがあり、チェコに渡った際に世界記録保持者のバルボラ・シュポターコヴァ(チェコ)に言われた「一人ひとり違うのだからあこがれても100%コピーすることはできない」という言葉を高校生にも伝え、「ある程度習っていると思うので、良い部分、悪い部分あると思いますが、少しで何か持ち帰ってくれれば。一人ひとり身体が違って投げ方が違うけど、基礎は大事で“型”はない」と語る。 こうした教室を通して、一番伝えたいのは「やり投の楽しさだけではなく、試行錯誤もしながら、自分で消化して次のステップに進んでほしい」ということ。世界の頂点で戦い続けるからこそ「本当に簡単なことではないですし、厳し道もある。突き詰めたいと思うのならとことん練習して、努力するしか方法はない。あきらめずに努力し続けるのが大事」と考える。 各部のあとには一人ひとりに写真やサインに応じ、質問が来ると時間をかけて応えた北口。「今回が1回目で足りない部分もあったと思います。(参加者からの)フィードバックを見て、みなさんの力を借りてどんどんと良い教室にしていければ」と今後への展望も語った。

【動画】中高生に熱血指導する北口榛花

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