東京世界選手権の開幕を控える9月4日、都内で壮行会が開かれ、その後に選手は国立競技場へ移動。練習公開と取材対応があった。
初のメダル獲得を目指し、男子4×400mリレーチームが最後の調整を進める。
中心となるのは個人の400mにも出場する中島佑気ジョセフ(富士通)と佐藤風雅(ミズノ)。22年オレゴン世界選手権から主軸として活躍してきた2人だ。
中島は「これまでは年上の人たちについていく立場だったけど、今回は自分がリーダーとして引っ張っていきたい」と言えば、佐藤も「年齢では上から2番目になりました」。そして、2人が口をそろえるのが、「ベテランと若手がバランス良く入ったメンバー。個々のレベルは過去最高だと思う」ということだ。
4年前の東京五輪は、当時日本タイの3分00秒76をマークしながらも予選落ち。翌年からは、オレゴン世界陸上で4位、ブダペスト世界陸上では歴代2位の3分00秒39を出したものの、予選敗退。そして、昨年のパリ五輪は2分58秒33のアジア新で6位と、入賞、予選敗退を交互に繰り返している。
その経験を若手に伝え、走りで引っ張ることが役割ということも2人は自覚。ともに個人では「ファイナル」を目標に掲げ、「自分の持ち味である後半につながるレースができれば」(中島)、「持ち味の積極的な走りをして、400mをしっかりとまとめること」(佐藤)と、その達成へのポイントを挙げる。
その上で、マイルについては「前半から速い展開に乗る」という近年の日本チームのコンセプトを継承。ともに「早い走順になると思う」と、その役目を担う覚悟だ。
2人にとって、盟友とも言える佐藤拳太郎(富士通)が代表入りしたことが、メダル獲得のために何よりも大きい。「マイルチームとしていい時も、悪い時もさまざまな経験をしてきた選手」と佐藤風は頼りにしている。
マイルチームの“リーダー”として、「日本のマイルの力を世界に示さなければいけない。メダルを取れる位置まで仕上げなくてはいけない。その一助を任されたと思っているので、そのために日数は少ないですけど、全身全霊を注いで生活をしていかなければいけないと思っています」と佐藤拳は力強く語る。
悲願のメダルへ、チームジャパン一丸で挑んでいく。
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