2025.12.04
世界陸連(WA)が検討していた走幅跳のルール変更案について、選手からの反発などを受けて撤回されたことを英ガーディアン紙が報じた。
走幅跳では、20cmの踏み切り板とその先に10cmの粘土板が敷かれ、踏み切り板と粘土板の境目から着地地点までの距離が計測される。跳躍時に踏み切り板を踏み越して粘土板に跡がつけば、無効試技(ファウル)となる。
世界陸連では、23年世界選手権で試技の約3分の1が無効試技だったことなどを踏まえ、競技の魅力向上を図る目的でルール改正を検討。踏み切り板の手前に「テイクオフゾーン」を設け、そのゾーン内で踏み切った際の前足部(つま先)から記録を計測する方式への変更案を提示していた。
今年2月にはドイツでテスト大会が2大会行われ、ファウルの試技は13%まで抑えられたが、その際の女子走幅跳の優勝記録はそれぞれ6m65、6m71に止まるなど、記録面での改善は見られなかった。
このルール変更案をめぐっては、陸上界のレジェンドのカール・ルイス氏(米国)が「冗談はエイプリルフールだけにしてほしい」と発言したほか、パリ五輪女子金メダリストのT.デイヴィス・ウッドホール(米国)は「競技に悪影響を与えるだけ」と批難。五輪2連覇中のM.テントグルー(ギリシャ)も「ルールが変わったら走幅跳をやめて三段跳に転向する」と発言するなど、反発が相次いでいた。
ガーディアン紙によれば、WA担当者は「現在の問題に対して解決策を提示するのが我々の役割。選手が望まないのであれば実行しないだけだ。検討したこと自体に後悔はない」とコメント。また、WAは競技運営のスピードアップを目的に、セイコーと協力し、着地後わずか5秒で記録計測を完了できる技術の開発を進めていることも明らかにした。
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