2025.09.10

2025年4月、新たな実業団チームが本格始動した。その名は『MABPマーヴェリック』。青学大時代に大活躍し、その後実業団、プロランナーとして活動している神野大地がプレイングマネージャーに就任。ニューイヤー駅伝で「2年後に初出場、5年目に入賞、10年目に優勝」という目標を掲げる一方で、「誰もが走ったことのない道を、ともに走ろう」というスローガンで、新たな実業団チームのかたちを模索しようとしている。
「多くの人に応援してもらえるチームに」
新たなプロジェクトが動き出したのは、2023年12月にさかのぼる。株式会社M&Aベストパートナーズが陸上部を発足し、その初代監督にプロランナーとして活動していた神野大地を選手兼任で据えることを発表した。実業団チームでは前例のないプレイングマネージャー就任へ導いたのは、同社副社長の松尾直樹氏。その当時を神野は次のように振り返る。
「当時はパリを目指して戦っている段階だったので、まずは『前向きに考えさせてもらいます』という感じでした。MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が終わった後に具体的にお話しをさせてもらって、正式に引き受けさせていただきました」
2019年の東京マラソンで日本人トップを記録し、2023年のMGCで6位に入った実績がある中大OBの堀尾謙介が2024年4月に、また同年7月には東海大時代に4年連続で正月の学生駅伝に出場した鬼塚翔太が加入。
そして2025年4月には新卒選手4人、外国人選手2人のほか、國學院大、九電工で競技していた木付琳が移籍して合流し、選手は10名に。さらに東大時代に正月の駅伝に出場し、実業団でも活躍した近藤秀一氏をコーチに招聘し、チームとして本格的に活動をスタートさせた。

中大4年時の2019年3月の東京マラソンは2時間10分21秒で日本人トップの5位。MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)にも2019年、2023年と2度出場して15位、6位とマラソンの実績がある堀尾謙介
チームの目標に「2027年のニューイヤー駅伝出場」を掲げる一方、「競技で結果を出すだけではなく、陸上界を巻き込んで、プロ野球やJリーグのようにもっと多くの人が親しみやすく、応援してもらえるようなチームを作りたいと思った」と神野。
従来の実業団チームのような「社名+陸上部」ではなく、「MABPマーヴェリック」をチーム名とした。その効果は発足直後から現れ、「練習中でも『マーヴェリック、応援しているよ』とかチーム名で声をかけてくれる方々もいて、すでに反響がある」(神野)と感じている。
選手たちはトレーニング時間以外に自分たちでSNS投稿やYouTube撮影なども行い、ランニングイベント参加など、従来の実業団チームとは一線を画した活動も実施。主将を務める木付は、「いろいろな方々との接点が増えることで、チームに親近感を持ってくれると思うし、自分たちにも刺激になります」と考えている。
日々の練習やコンディショニングを『AMINO SAURUS』がサポート
陸上界に新たな風を吹かすべく動き出した『MABPマーヴェリック』。そんな選手たちの日々のトレーニングや、コンディションニングをサポートするのが、SAURUS JAPAN(サウルスジャパン)のサプリメント『SAURUS SERIES(サウルスシリーズ)』だ。
同ブランドについて「運営しているランニングクラブでも使用しているランナーが多くて評判だった」と神野。そのなかで、「『これから上がっていくチームをサポートして、一緒に上を目指していきたい』と言っていただいて、選手たちにとってもパフォーマンスを上げる部分で、今回サポートしてもらうことは大きな出来事だったと思います」と感じている。
サウルスシリーズのサプリメントは、体内でタンパク質を合成するために不可欠なBCAAなどの必須アミノ酸や、アルギニン、シトルリンなど栄養補給やパフォーマンス向上を目的とした成分を配合した商品を数多くラインナップ。そのなかから選手個々が必要なサプリメントを選んで摂取しているという。
「提供していただいたから使うではなく、本当に自分に必要だと思ったものを使うことが大事。最初は少量を提供してもらい、選手それぞれに選んでもらいました」(神野)
なかでも多くの選手が活用するのが、日頃の食事で不足しがちなビタミン、マルチミネラルに加え、滋養強壮成分など67種類の成分を配合した「BASE SAURUS Elite(ベースサウルスエリート)」。摂取タイミングは練習後や就寝前などさまざまだが、多くの選手が、睡眠の質の高さにつながっていると感じている。
「毎日寝る前に5錠飲んでいますが、寝起きが非常に良いと感じます」(木付)

キャプテンの木付琳。國學院大時代も3年、4年とキャプテンを務め、『MABPマーヴェリック』でもチームを束ねる
ルーキーの山平怜生(中大卒)は「摂取タイミングはいろいろですが、睡眠がしっかりとれて、体調が非常に安定していると感じています」と話した。
トレーニングのシーンで使用が多いのが「AMINO SAURUS GEL Elite(アミノサウルスジェルエリート)」と、「SAURUSSPORTS DRINK Elite(サウルススポーツドリンクエリート)」の2種類。
アミノサウルスジェルエリートはポイント練習など、強度の高い練習前に摂取する選手が多く、國學院大からこの春入社した中川雄太は「カフェインタイプの方を摂るようにしています。普段あまりカフェインを摂らないので、効果を感じやすく、ポイントをしっかりこなせる感じがあります」と言う。
また、「朝練で長く走るタイプ」という堀尾や、「午前中にポイントがあって、あまり食事を多く摂れない時に助かっている」という木付も日々愛用している。
サウルススポーツドリンクは給水として、「練習や試合など、チームで使わせてもらっています」と神野。昨年12月のホノルルマラソンでも使用した堀尾は、「エネルギーが切れる感覚もなかったですし、なにより飲みやすくて使いやすいと思います」と感じている。

『MABPマーヴェリック』の選手たちはサウルスジャパンのサプリメント「SAURUS SERIES(サウルスシリーズ)」を積極活用している
ルーキーコンビが日本選手権に出場、1年目でのニューイヤー出場へも意欲
本格始動後、初めて迎えたトラックシーズン。昨年の日本選手権1500m6位の実績を持つルーキーの栗原直央(城西大卒)が2年連続出場を果たしたのに加え、山平が6月11日のホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会の5000mで13分33秒85の自己新をマーク。翌日にエントリー締め切りを控えたラストチャンスで日本選手権の申込資格記録をクリア。
「山平がチーム加入後にタイムを伸ばして出場権を獲得したことは、チームにとって大きな出来事だったと思います」(神野)
新興チームはトラックで確かな一歩を踏み出し、駅伝シーズンに乗り込む。「もちろん今年度から全力でニューイヤー出場を狙いに行きますが、まだ10人という少数精鋭なので、そこは簡単ではない。私も含めて全員が、『自分が必ず走るんだ』という気持ちをしっかり持たないといけません。ただ、全員がしっかり準備できれば戦えると思っています」と神野。
「異端者」の意味を持つ「マーヴェリック」が陸上界にどんな新風を吹かせるのか。その挑戦は始まったばかりだ。
文/田中 葵
各製品の詳細はSAURUS JAPAN公式サイトでチェック!!→公式サイト
AMINO SAURUS×MABPマーヴェリック ムービーをチェック!!→AMINO SAURUS Instagram
※この記事は『月刊陸上競技』2025年10月号に掲載しています
<関連記事>
【大東文化大学】 戦力充実の要因は質の高いトレーニングの継続。正月の駅伝では「5位以内」に照準
【Close-up】山本有真(積水化学)/日本女子長距離界のホープ 充実の社会人1年目を経て 「パリで再び世界と戦いたい」
「多くの人に応援してもらえるチームに」
新たなプロジェクトが動き出したのは、2023年12月にさかのぼる。株式会社M&Aベストパートナーズが陸上部を発足し、その初代監督にプロランナーとして活動していた神野大地を選手兼任で据えることを発表した。実業団チームでは前例のないプレイングマネージャー就任へ導いたのは、同社副社長の松尾直樹氏。その当時を神野は次のように振り返る。 「当時はパリを目指して戦っている段階だったので、まずは『前向きに考えさせてもらいます』という感じでした。MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が終わった後に具体的にお話しをさせてもらって、正式に引き受けさせていただきました」 2019年の東京マラソンで日本人トップを記録し、2023年のMGCで6位に入った実績がある中大OBの堀尾謙介が2024年4月に、また同年7月には東海大時代に4年連続で正月の学生駅伝に出場した鬼塚翔太が加入。 そして2025年4月には新卒選手4人、外国人選手2人のほか、國學院大、九電工で競技していた木付琳が移籍して合流し、選手は10名に。さらに東大時代に正月の駅伝に出場し、実業団でも活躍した近藤秀一氏をコーチに招聘し、チームとして本格的に活動をスタートさせた。 [caption id="attachment_180591" align="alignnone" width="800"]
日々の練習やコンディショニングを『AMINO SAURUS』がサポート
陸上界に新たな風を吹かすべく動き出した『MABPマーヴェリック』。そんな選手たちの日々のトレーニングや、コンディションニングをサポートするのが、SAURUS JAPAN(サウルスジャパン)のサプリメント『SAURUS SERIES(サウルスシリーズ)』だ。 同ブランドについて「運営しているランニングクラブでも使用しているランナーが多くて評判だった」と神野。そのなかで、「『これから上がっていくチームをサポートして、一緒に上を目指していきたい』と言っていただいて、選手たちにとってもパフォーマンスを上げる部分で、今回サポートしてもらうことは大きな出来事だったと思います」と感じている。 サウルスシリーズのサプリメントは、体内でタンパク質を合成するために不可欠なBCAAなどの必須アミノ酸や、アルギニン、シトルリンなど栄養補給やパフォーマンス向上を目的とした成分を配合した商品を数多くラインナップ。そのなかから選手個々が必要なサプリメントを選んで摂取しているという。 「提供していただいたから使うではなく、本当に自分に必要だと思ったものを使うことが大事。最初は少量を提供してもらい、選手それぞれに選んでもらいました」(神野) なかでも多くの選手が活用するのが、日頃の食事で不足しがちなビタミン、マルチミネラルに加え、滋養強壮成分など67種類の成分を配合した「BASE SAURUS Elite(ベースサウルスエリート)」。摂取タイミングは練習後や就寝前などさまざまだが、多くの選手が、睡眠の質の高さにつながっていると感じている。 「毎日寝る前に5錠飲んでいますが、寝起きが非常に良いと感じます」(木付) [caption id="attachment_180593" align="alignnone" width="800"]

ルーキーコンビが日本選手権に出場、1年目でのニューイヤー出場へも意欲
本格始動後、初めて迎えたトラックシーズン。昨年の日本選手権1500m6位の実績を持つルーキーの栗原直央(城西大卒)が2年連続出場を果たしたのに加え、山平が6月11日のホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会の5000mで13分33秒85の自己新をマーク。翌日にエントリー締め切りを控えたラストチャンスで日本選手権の申込資格記録をクリア。 「山平がチーム加入後にタイムを伸ばして出場権を獲得したことは、チームにとって大きな出来事だったと思います」(神野) 新興チームはトラックで確かな一歩を踏み出し、駅伝シーズンに乗り込む。「もちろん今年度から全力でニューイヤー出場を狙いに行きますが、まだ10人という少数精鋭なので、そこは簡単ではない。私も含めて全員が、『自分が必ず走るんだ』という気持ちをしっかり持たないといけません。ただ、全員がしっかり準備できれば戦えると思っています」と神野。 「異端者」の意味を持つ「マーヴェリック」が陸上界にどんな新風を吹かせるのか。その挑戦は始まったばかりだ。 文/田中 葵
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.09.09
2025.09.03
開幕迫る東京世界陸上!聖地・国立競技場の大会装飾も公開 準備も最終段階
-
2025.09.06
-
2025.09.04
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
2025.08.27
アディダス アディゼロから2025年秋冬新色コレクションが登場!9月1日より順次販売
-
2025.08.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.09.10
100mH中島ひとみ 紆余曲折のハードル人生「今までの自分の決断を大切にしたい」とびきり全開パワーで初の大舞台に挑戦/東京世界陸上
中学2年生からハードルに挑戦した。「めっちゃ楽しい! それから今まで、ずっと“ゾッコン”なんです」。これが、中島ひとみ(長谷川体育施設)が選んだ、女子100mハードルという道のはじまりだ。中学で日本一になってから、ずっと […]
2025.09.10
「努力を続ける必要があるのか」田中希実が父にぶつけた思い『日本』を強く意識して迎える自国での大舞台で2種目決勝へ/東京世界陸上
2021年、無観客だった国立競技場を誰よりも熱くしたのは田中希実(New Balance)だった。21歳、真夏の大冒険は、女子1500m3分台と8位入賞という驚きの物語を刻んだ。 それからの4年間、プロランナーとなり、父 […]
2025.09.10
〝山の神〟神野大地が率いる『MABPマーヴェリック』 「陸上界に新しい風を巻き起こし、かつてないチームを目指す」
2025年4月、新たな実業団チームが本格始動した。その名は『MABPマーヴェリック』。青学大時代に大活躍し、その後実業団、プロランナーとして活動している神野大地がプレイングマネージャーに就任。ニューイヤー駅伝で「2年後に […]
2025.09.10
3000m障害・三浦龍司「メダルが着実に近づいている」今季大幅日本記録更新 思い描くメダル争いのレースとは?/東京世界陸上
世界最高峰のダイヤモンドリーグ。男子3000m障害の絶対王者ソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)がチラリと右を見やり、表情が変わる。1人の日本人のスパートに少しだけ歯を食いしばった。 「さすがに備えていたのはわかってい […]
Latest Issue
最新号

2025年10月号 (9月9日発売)
【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/