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2025.12.11

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青学大・原監督「バーディー×2」駒大・藤田監督「4本の柱」総合力の「上握り10貫」など指揮官たちが“前哨戦”/箱根駅伝トークバトル
青学大・原監督「バーディー×2」駒大・藤田監督「4本の柱」総合力の「上握り10貫」など指揮官たちが“前哨戦”/箱根駅伝トークバトル

第102回箱根駅伝トークバトルに出席した前回上位5校の指揮官

「第102回箱根駅伝トークバトル」が12月10日、東京・恵比寿ガーデンプレイスで行われた。

前回優勝校の青学大・原晋監督、同2位の駒大・藤田敦史監督、同3位の國學院大・前田康弘監督、同4位でトークバトル初登場の早大・花田勝彦駅伝監督、2年ぶりの登場となる前回5位の中大・藤原正和駅伝監督が出席し、コーディネーター役を関東学生陸上競技連盟の大後栄治副会長が務めた。

さまざまなテーマで、指揮官たちがユーモアを交えながら繰り広げた〝舌戦〟。まずはトークバトル恒例の「ズバリ!今回の目標順位は?」という質問からスタートした。各監督が総合の目標順位と、どんなレースにしたいかをそれぞれ手元のフリップに以下のように記入した。

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青学大・原監督「(総合)優勝 V9(どんなレースに)バーディー×2 Wボギーなし」

駒大・藤田監督「(総合)優勝(どんなレースに)4年生を中心に強いレース」

國學院大・前田監督「(総合)優勝(どんなレースに)アベレージ、粘り」

早大・花田監督「(総合)1位(どんなレースに)半分、臙脂(エンジ)」

中大・藤原監督「(総合)優勝(どんなレースに)スピードを生かして10区間で勝負!」

5人の監督全員が力強く優勝を目標に掲げた。

原監督は最近ハマっているというゴルフに例え、「2人が大快走をして、大ブレーキする区間は作らないレースをマネジメントしたい」というのが回答の意図。恒例の作戦名は「チーム全員が持ち場、持ち場で輝いてほしいという思いから、『輝け大作戦』としました」と笑顔を浮かべた。

藤田監督は「今年は佐藤圭汰、山川拓馬、伊藤蒼唯、帰山侑大(いずれも4年)と、4本の柱がしっかりしたチームになりました。この4年生を中心に下級生を融合した中で、駒澤らしい粘り強く、強さのあるレース運びをしたいと思っています」と応戦した。

「総合力で勝負していくしかない」という前田監督は、原監督のゴルフに対抗してか寿司に例えて、「『特上』はいませんが、『上握り』がいっぱいいる。それもおいしそうじゃないですか。上握りを10貫そろえて勝ちに行くイメージでいます」と会場を沸かせた。

花田監督が「まず往路優勝したいので、半分(往路)ぐらいは(早大のカラーである)臙脂で染めたいな、と。それがそのまま最後まで染まってしまったらいいな思っています」と語れば、藤原監督は「今年は復路までもつれるだろうと思っていますので、10区間に良い選手をそろえていかないと勝てません」と構想を吐露した。

大後副会長によれば、「長く続くトークバトルで全員が優勝としたのはおそらく初めて」とのこと。それだけ指揮官たちは本気で頂点を狙っているということだろう。

次に、この日エントリーされた各校のエントリーメンバー16名を見ていった。

5校は概ね順当に中心選手を登録したが、指揮官たちが気にしたのは、ライバル校の主力クラスが何区に入るのか、あるいは1区や2区、5区を誰が担うのか。

腹を探り合うような駆け引きが繰り広げられる中、10000mの上位10人の平均タイムが史上初めて27分台(27分55秒98)となった中大の藤原監督は、「2区は溜池(一太、4年)と決めています」と明言。すると、会場は大きなどよめきと拍手に包まれた。また、花田監督も「エースの山口智規(4年)がこのまま順調に来れば2区。あとは5区に〝名探偵〟(工藤慎作、3年)がいますので、これはもう間違いないです」ときっぱり言い切った。

キーマンに青木瑠郁、上原琉翔、高山豪起(いずれも4年)、辻原輝、野中恒亨(ともに3年)を挙げ、「4区は地元の辻原で行きたい」と話した前田監督や、エース・黒田朝日(4年)の2区起用をほのめかし、上りと下り候補に石川浩輝、上野山拳士朗、松田祐真の1年生トリオを指名した原監督とは違い、藤田監督だけは区間配置の構想を最後まで明らかにしなかった。矢継ぎ早に浴びせられる質問をうまくいなしつつ、「2区はチームのエースがやるべき」と言うにとどめた。

続く「ライバル監督に聞きたい!核心を突くこの質問」というテーマでは、花田監督が原監督に「優勝タイムは?」とぶつけた。

前回の青学大は10時間41分19秒だったが、原監督は「目標は10時間39分50秒でした。今回も同じコンディションと想定するならば、それに近いタイムでがんばりたい。でも、欲張らないで前回並みのタイムに近づけたいです」と見通しを述べた。他にも興味深い質問の数々が監督たちを困らせたり、刺激したりして会場は大いに盛り上がった。

「最大のポイントとなる区間は?」というテーマでは、藤原監督が「7~10区」と終盤までもつれる想定でいることを強調。花田監督はチームのストロングポイントである「2区、5区」を挙げた。前田監督と原監督は出遅れ厳禁とばかりに「1区」を重視し、藤田監督は「5区、6区」をポイントに考えていた。

最後は「戦国駅伝を制する我がチームの強み」をアピールするとともに、第102回大会に向けた意気込みを力強く語り、トークバトルが閉幕した。

第102回箱根駅伝は来年1月2日に往路、3日に復路が行われる。12月29日に区間エントリー10人が発表され、往路、復路スタートの1時間10分前(6時50分)にメンバー変更が認められる。

文/小野哲史

「第102回箱根駅伝トークバトル」が12月10日、東京・恵比寿ガーデンプレイスで行われた。 前回優勝校の青学大・原晋監督、同2位の駒大・藤田敦史監督、同3位の國學院大・前田康弘監督、同4位でトークバトル初登場の早大・花田勝彦駅伝監督、2年ぶりの登場となる前回5位の中大・藤原正和駅伝監督が出席し、コーディネーター役を関東学生陸上競技連盟の大後栄治副会長が務めた。 さまざまなテーマで、指揮官たちがユーモアを交えながら繰り広げた〝舌戦〟。まずはトークバトル恒例の「ズバリ!今回の目標順位は?」という質問からスタートした。各監督が総合の目標順位と、どんなレースにしたいかをそれぞれ手元のフリップに以下のように記入した。 青学大・原監督「(総合)優勝 V9(どんなレースに)バーディー×2 Wボギーなし」 駒大・藤田監督「(総合)優勝(どんなレースに)4年生を中心に強いレース」 國學院大・前田監督「(総合)優勝(どんなレースに)アベレージ、粘り」 早大・花田監督「(総合)1位(どんなレースに)半分、臙脂(エンジ)」 中大・藤原監督「(総合)優勝(どんなレースに)スピードを生かして10区間で勝負!」 5人の監督全員が力強く優勝を目標に掲げた。 原監督は最近ハマっているというゴルフに例え、「2人が大快走をして、大ブレーキする区間は作らないレースをマネジメントしたい」というのが回答の意図。恒例の作戦名は「チーム全員が持ち場、持ち場で輝いてほしいという思いから、『輝け大作戦』としました」と笑顔を浮かべた。 藤田監督は「今年は佐藤圭汰、山川拓馬、伊藤蒼唯、帰山侑大(いずれも4年)と、4本の柱がしっかりしたチームになりました。この4年生を中心に下級生を融合した中で、駒澤らしい粘り強く、強さのあるレース運びをしたいと思っています」と応戦した。 「総合力で勝負していくしかない」という前田監督は、原監督のゴルフに対抗してか寿司に例えて、「『特上』はいませんが、『上握り』がいっぱいいる。それもおいしそうじゃないですか。上握りを10貫そろえて勝ちに行くイメージでいます」と会場を沸かせた。 花田監督が「まず往路優勝したいので、半分(往路)ぐらいは(早大のカラーである)臙脂で染めたいな、と。それがそのまま最後まで染まってしまったらいいな思っています」と語れば、藤原監督は「今年は復路までもつれるだろうと思っていますので、10区間に良い選手をそろえていかないと勝てません」と構想を吐露した。 大後副会長によれば、「長く続くトークバトルで全員が優勝としたのはおそらく初めて」とのこと。それだけ指揮官たちは本気で頂点を狙っているということだろう。 次に、この日エントリーされた各校のエントリーメンバー16名を見ていった。 5校は概ね順当に中心選手を登録したが、指揮官たちが気にしたのは、ライバル校の主力クラスが何区に入るのか、あるいは1区や2区、5区を誰が担うのか。 腹を探り合うような駆け引きが繰り広げられる中、10000mの上位10人の平均タイムが史上初めて27分台(27分55秒98)となった中大の藤原監督は、「2区は溜池(一太、4年)と決めています」と明言。すると、会場は大きなどよめきと拍手に包まれた。また、花田監督も「エースの山口智規(4年)がこのまま順調に来れば2区。あとは5区に〝名探偵〟(工藤慎作、3年)がいますので、これはもう間違いないです」ときっぱり言い切った。 キーマンに青木瑠郁、上原琉翔、高山豪起(いずれも4年)、辻原輝、野中恒亨(ともに3年)を挙げ、「4区は地元の辻原で行きたい」と話した前田監督や、エース・黒田朝日(4年)の2区起用をほのめかし、上りと下り候補に石川浩輝、上野山拳士朗、松田祐真の1年生トリオを指名した原監督とは違い、藤田監督だけは区間配置の構想を最後まで明らかにしなかった。矢継ぎ早に浴びせられる質問をうまくいなしつつ、「2区はチームのエースがやるべき」と言うにとどめた。 続く「ライバル監督に聞きたい!核心を突くこの質問」というテーマでは、花田監督が原監督に「優勝タイムは?」とぶつけた。 前回の青学大は10時間41分19秒だったが、原監督は「目標は10時間39分50秒でした。今回も同じコンディションと想定するならば、それに近いタイムでがんばりたい。でも、欲張らないで前回並みのタイムに近づけたいです」と見通しを述べた。他にも興味深い質問の数々が監督たちを困らせたり、刺激したりして会場は大いに盛り上がった。 「最大のポイントとなる区間は?」というテーマでは、藤原監督が「7~10区」と終盤までもつれる想定でいることを強調。花田監督はチームのストロングポイントである「2区、5区」を挙げた。前田監督と原監督は出遅れ厳禁とばかりに「1区」を重視し、藤田監督は「5区、6区」をポイントに考えていた。 最後は「戦国駅伝を制する我がチームの強み」をアピールするとともに、第102回大会に向けた意気込みを力強く語り、トークバトルが閉幕した。 第102回箱根駅伝は来年1月2日に往路、3日に復路が行われる。12月29日に区間エントリー10人が発表され、往路、復路スタートの1時間10分前(6時50分)にメンバー変更が認められる。 文/小野哲史

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