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2025.07.20

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三浦龍司が5000m13分28秒28に「及第点」東京世界陸上へ「みなさんがワクワクするレースを」/ホクレンDC網走
三浦龍司が5000m13分28秒28に「及第点」東京世界陸上へ「みなさんがワクワクするレースを」/ホクレンDC網走

2025年ホクレンDC網走大会5000mに出場した三浦龍司(SUBARU、中央)

夏の北海道を舞台とした中長距離のシリーズ戦、ホクレンディスタンスチャレンジ最終戦の網走大会が7月19日に網走市営陸上競技場で行われ、男子5000mには、3000m障害の日本記録保持者の三浦龍司(SUBARU)が出場した。

三浦は、約1週間前のダイヤモンドリーグ(DL)モナコ大会で専門の3000m障害に出場し、自身の日本記録(8分09秒91)を2年ぶりに塗り替える8分03秒43で2位と快走を見せたばかり。

「レースが終わってから間もなかったですけど、ここからレースが空いていったん鍛錬期に入るので、身体を動かしていかないといけない。その刺激を入れる意味合いで出場しました」と、このレースに参戦した意図を話していた。

三浦が出場したB組は、緑のペーシングライトが13分30秒、赤が13分40秒、白が13分50秒に設定されており、「13分30秒から40秒あたりで走れれば」という心づもりで臨んだ。

序盤から外国人勢とともに前方でレースを進めた三浦は、1000mを2分42秒ぐらいで通過。自身の3000m障害の日本記録と同等のペースだ。障害がないぶん、余裕を持って走っているのかと思われたが、実は「今日は結構前半からきつかった」とレース後に明かした。

それもそのはず。午後5時を回っても気温は28度もあり、湿度も78%と蒸し暑かった。それでも、ペースメーカーのウィルソン・レマンガレ(NTN)が、1周(400m)64秒を少し超えるぐらいの絶妙なペースで先頭を引っ張り、三浦もそのペースでレースを進めた。

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3000mを8分05秒で通過すると、3500mで大学生の桑田駿介(駒澤大)がじわじわと遅れ始め、先頭集団はペースメーカーを含めて5人に。4000mでペースメーカーが外れると、スティーブン・ムチーニ(創価大)がじわじわと引き離しにかかり、三浦は単独で2位を走った。

三浦の爆発的なラストスパートを持ってすれば決して届かない差ではなかったが、「追い込めなかったです」と三浦は言い、ラスト1周は62秒を要した。ムチーニには届かず2着だったものの、緑のペーシングライトは上回り、当初の目論見よりも速い、13分28秒28で走り終えた。

「できればラストにキレを持たせたかったですが、今の状態を確認できました。(ダイヤモンドリーグの)疲労がちょっと残っているのを感じたので、今日は及第点かなと思います」と、三浦はレースを振り返った。

今後は北海道等で合宿に入るという。モナコ大会の結果で、8月下旬にスイス・チューリヒで開催されるDLファイナルに出場できる可能性も高まり、それを経て、東京世界選手権に向かっていく。

「ダイヤモンドリーグと世界陸上とでは戦い方がまた違うのかなと思うので、そこは臨機応変にやっていきたい。DLファイナルは世界陸上の前なので、入賞を目指して、(世界選手権へ)最後の弾みを付けられるような大会にしたいです」とDLファイナルへの意気込みを口にした。

そして、その先の世界選手権へ。「みなさんがワクワクするレースをしたい。国立競技場でメダルを取れる走りを見せていければと思います」と力強く決意を語ってくれた。

文・写真/和田悟志

夏の北海道を舞台とした中長距離のシリーズ戦、ホクレンディスタンスチャレンジ最終戦の網走大会が7月19日に網走市営陸上競技場で行われ、男子5000mには、3000m障害の日本記録保持者の三浦龍司(SUBARU)が出場した。 三浦は、約1週間前のダイヤモンドリーグ(DL)モナコ大会で専門の3000m障害に出場し、自身の日本記録(8分09秒91)を2年ぶりに塗り替える8分03秒43で2位と快走を見せたばかり。 「レースが終わってから間もなかったですけど、ここからレースが空いていったん鍛錬期に入るので、身体を動かしていかないといけない。その刺激を入れる意味合いで出場しました」と、このレースに参戦した意図を話していた。 三浦が出場したB組は、緑のペーシングライトが13分30秒、赤が13分40秒、白が13分50秒に設定されており、「13分30秒から40秒あたりで走れれば」という心づもりで臨んだ。 序盤から外国人勢とともに前方でレースを進めた三浦は、1000mを2分42秒ぐらいで通過。自身の3000m障害の日本記録と同等のペースだ。障害がないぶん、余裕を持って走っているのかと思われたが、実は「今日は結構前半からきつかった」とレース後に明かした。 それもそのはず。午後5時を回っても気温は28度もあり、湿度も78%と蒸し暑かった。それでも、ペースメーカーのウィルソン・レマンガレ(NTN)が、1周(400m)64秒を少し超えるぐらいの絶妙なペースで先頭を引っ張り、三浦もそのペースでレースを進めた。 3000mを8分05秒で通過すると、3500mで大学生の桑田駿介(駒澤大)がじわじわと遅れ始め、先頭集団はペースメーカーを含めて5人に。4000mでペースメーカーが外れると、スティーブン・ムチーニ(創価大)がじわじわと引き離しにかかり、三浦は単独で2位を走った。 三浦の爆発的なラストスパートを持ってすれば決して届かない差ではなかったが、「追い込めなかったです」と三浦は言い、ラスト1周は62秒を要した。ムチーニには届かず2着だったものの、緑のペーシングライトは上回り、当初の目論見よりも速い、13分28秒28で走り終えた。 「できればラストにキレを持たせたかったですが、今の状態を確認できました。(ダイヤモンドリーグの)疲労がちょっと残っているのを感じたので、今日は及第点かなと思います」と、三浦はレースを振り返った。 今後は北海道等で合宿に入るという。モナコ大会の結果で、8月下旬にスイス・チューリヒで開催されるDLファイナルに出場できる可能性も高まり、それを経て、東京世界選手権に向かっていく。 「ダイヤモンドリーグと世界陸上とでは戦い方がまた違うのかなと思うので、そこは臨機応変にやっていきたい。DLファイナルは世界陸上の前なので、入賞を目指して、(世界選手権へ)最後の弾みを付けられるような大会にしたいです」とDLファイナルへの意気込みを口にした。 そして、その先の世界選手権へ。「みなさんがワクワクするレースをしたい。国立競技場でメダルを取れる走りを見せていければと思います」と力強く決意を語ってくれた。 文・写真/和田悟志

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