2025.07.05

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子ハンマー投は福田翔大(住友電工)が2年ぶり3度目の優勝を飾った。
優勝を決めた6投目。手拍子を求めて観客を煽る。力強いターンからハンマーを放った瞬間に大きな身体が飛び跳ねた。「とにかく思いっきり投げて、記録は見ていなくて、雰囲気が楽しすぎて暴れちゃいました」。そのまま身体全体を使って喜びを爆発させ、ついには応援してくれる仲間が待つスタンドに入ってしまった。コーチである“アジアの鉄人”室伏重信コーチとガッチリ握手を交わす。だが、これには競技役員からイエローカードが出された。
5投目にも自己新となる74m45を投げたが、さらに記録を更新する74m57は日本歴代3位。あと、上にはあの室伏広治、そして重信コーチの2人の“鉄人”しかいない。
高校時代から大器として期待され、日大に入ってから重信コーチに師事。昨年からは海外にも積極的に渡り、昨年2月にポルトガル、今年は初めて米国へ。1ヵ月の武者修行で、パリ五輪金のイーサン・カツバーグ(カナダ)のコーチにアドバイスをもらった。
それによって、「動きが崩れた」と福田。今季序盤はなかなか調子を上げられず、アジア選手権でも3位と悔しさを味わった。その直後に出場したケニアでの競技会できっかけをつかんだ。「やっぱり思いっきりハンマーを振らないといけない」。帰国後は、それを意識しつつ、課題だったハンマーを引っ張ってしまうクセを修正。この日も「顎をしっかり引く」ことだけを意識した。
スタンドで見守った偉大なコーチは「3年かかりました。ようやくですが、まだまだ行きます。早く私の記録(75m96)を抜いてほしい」と目を細めた。
これで東京世界選手権の開催国枠エントリー設定記録もクリアし、優勝したことで出場は濃厚に。それでも「しっかりランキングを上げていきたい。75、76mくらいを投げられるようにしたいです。決勝に残りたい。先生にコーチをしてもらっている間に記録を超えて喜び合いたい」と目を輝かせていた。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.02
HOKAの新作レーシングシューズ「ROCKET X 3」が7月2日に新登場!
-
2025.07.01
-
2025.07.04
-
2025.07.04
-
2025.06.17
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.05
女子ハンマー投・村上来花が66m88の自己新で初優勝「無意識の“壁”を勝手に壊してくれた」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子ハンマー投は村上来花(九州共立大)が3投目に自己ベストの66m88を放って、初制覇した。 広告 […]
2025.07.05
「自分の力がまだ足りませんでした」男子110mH標準記録突破の阿部竜希は3位で代表入りならず/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子110mハードルでは泉谷駿介(住友電工)が13秒21(+0.8)で2年ぶり4回目の優勝を果たし […]
2025.07.05
野本周成が110mH東京世界陸上代表内定! 昨年5位でパリ五輪逃し「決まってひと安心」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子110mハードルは泉谷駿介(住友電工)が13秒22(+0.8)で優勝した。野本周成(愛媛競技力 […]
2025.07.05
小池祐貴と多田修平は100m10秒30同着の5位 小池「次はしっかりピークを」 多田「目標探して頑張る」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子100mは桐生祥秀(日本生命)が10秒23(+0.4)で5年ぶり3回目の優勝を遂げた。2021 […]
2025.07.05
110mH泉谷駿介が2年ぶりVで世界陸上内定!右ふくらはぎ痛みも「気持ちで走った」練習環境も変え原点回帰/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子110mハードルは泉谷駿介(住友電工)が13秒22(+0.8)で優勝した。13秒27の東京世界 […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会