2025.07.04
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 1日目
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子走高跳は真野友博(九電工)が2m29で3年ぶりの優勝を飾った。
「一昨年と差宇年は納得のいく跳躍ができなかったのですが、今季は良い状態で来ていたので優勝できて良かったです」
真野はそう満足そうに振り返る。
序盤でいきなりピンチを迎えた。跳び始めの2m15を2度失敗。「暑さの影響というか、思うような動きができなかった」と言う。それでも、3回目にようやくバーを越えると、「開き直って自分の跳躍に1本1本集中した」と、そこから勢いに乗った。2m20を1回、2m25を2回目にクリアする。
そして、パリ五輪5位の赤松諒一(SEIBU PRINCE)との一騎打ちとなった2m29。ここまで2m15からすべて一発クリアを重ねた赤松に試技数差で圧倒されていたが、この高さを1回でクリアし、赤松にプレッシャーをかけた。
その赤松が2度失敗し、3回目をパス。バーは東京世界選手権参加標準記録の2m33へ上がった。1回目、真野は失敗。赤松もバーを落とし、ここで真野の優勝が確定する。そして真野が、この日一番のジャンプを見せたのが2回目。「跳んだっていう感触があった」が、わずかにバーに触れて失敗に。3回目も「跳べると思って意識し過ぎた」とクリアならず、標準突破はお預けとなった。
それでも、「2回目の跳躍がコンスタントに出せれば、跳べない高さではない」という手応えが得られたことが大きい。この2年苦しんだ助走も、今季は安定。5月はセイコーゴールデングランプリを2m27で制し、アジア選手権は2m26で銀メダルを獲得した。東京世界選手権に向けてもワールドランキングの「Road to TOKYO」では11位と安全圏につけており、3大会連続出場が濃厚な位置につける。
22年オレゴン世界選手権では、初の世界大会出場で同種目日本勢初入賞となる8位に入った。「入賞争いはもちろんメダルも全然狙える位置にいると思っています。まずは2m33と、その次の高さがメダル争いになる。そういったところを意識しながらやりたい」と真野。日本一から世界へ、22年の再現と、さらなる躍進を期す。
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