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2025.05.14

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O2Room®はどうして多くの方から支持されるのか 「安心・安全」をモットーとして確かな製品を追求する日本気圧バルク工業
O2Room®はどうして多くの方から支持されるのか 「安心・安全」をモットーとして確かな製品を追求する日本気圧バルク工業

「O2Room®」の良さをアピールする日本気圧バルク工業アンバサダーの高橋尚子さん(左)と日本気圧バルク工業の天野英紀社長

酸素に関わる製品の販売を始めて30年、部屋型の〝酸素ルーム〟を世界で真っ先に開発して業界をリード

私たちは「1気圧、酸素濃度20.9%」(平地)という環境の中で暮らしている。気圧を上げれば空気が凝縮されて、酸素濃度も上がる。そのため気圧を高めた環境では通常よりも多くの酸素を体内に取り込むことができ、酸素が身体の隅々の細胞に行き渡る。その結果、血流が促進され、疲労回復や睡眠の質の向上はもちろん、ケガの回復の促進などさまざまな効果が期待できるエビデンスが各方面から発表されている。

スポーツ界では、近年、駅伝やマラソンで活躍する実業団チームをはじめ、箱根駅伝常連校などにも酸素ルームが活用されて話題となっている。さらに、そうしたトップチームのアスリートのみならず、各種リハビリ施設をはじめ整骨院や接骨院、スポーツクラブなどで一般の人々も気軽に利用できるようになってきている。

その酸素ルームの先駆者となったのが、静岡市に本社を構える日本気圧バルク工業株式会社。広くて複数人でも一緒に入ることができ、エアコンやテレビ、モニターの設置も可能な〝部屋型〟のモデルを世界で最初に開発。これを「酸素ルーム」と称して販売を開始した。疲労回復やケガの治癒促進などに役立つ高気圧酸素ルーム、高地トレーニングが行われる標高の高い場所と同様の環境をつくることができる低圧低酸素ルーム、その両方の環境を1台で実現する2way酸素ルームの3タイプをいずれも「O2Room®」のブランド名で展開。酸素を活用した機器を初めて販売した1995年以降、ルームタイプとなった現在まで一度の事故もなく、軽微なものを含め故障が少ない点もユーザーから高い信頼を得ている証となっている。

ここでは、同社の天野英紀代表取締役社長と、同社のアンバサダーを務めるシドニー五輪女子マラソン金メダリストで元世界記録保持者の高橋尚子さんに、酸素ルームのこれまでとこれからについて語り合っていただいた。

自信を持ってお客様に提供できる〝確かな製品〟を追求

高橋 〝酸素の力〟でアスリートを支える日本気圧バルク工業の酸素ルーム「O2Room®」について、いろいろお聞きしたいと思っています。

天野 よろしくお願いします。

高橋 「O2Room®」は、医療機関や陸上の実業団チームなどスポーツの現場、最近では一般企業、塾など教育関係、さらに一般のご家庭でも導入されている方が増えているとお聞きしています。

天野 そうなんです。スポーツはもちろん、健康に興味・関心を持たれている方が増えています。スポーツ選手がコンディショニングやパフォーマンス強化、ケガからの復帰などに酸素、さらには弊社の「O2Room®」を活用しているという情報が各方面から発信され、それをきっかけに口コミで広がっているのが現状です。

プロ選手をはじめ、子供から100歳を超える高齢者まで、誰もが安心して入れる、安心・安全な製品であることを大前提に「O2Room®」を展開している点をしっかりご理解していただいているからだと感じています。最近では、企業の休み時間のリフレッシュや受験勉強の際の疲労回復、集中力アップ、効率アップに使われるなど活用の幅が広がっています。

当社の製品は100%自社生産で、お客様のニーズに合わせてカスタマイズできる点も大企業から一般のご家庭まで受け入れられている点だと思います。設置する場所に合わせて、サイズはもちろん、デザインなども変えることができます。

高橋 安心・安全というキーワードがありました。「O2Room®」を製造・販売する上で、どんな点を大切にしておられますか?

天野 「安心して入れる、安全な酸素ルーム」とは、身体に過度な負担がかからず、事故や故障などが起こらない高い品質と性能があることが条件となります。当社では、自信を持ってお客様に提供できるよう、PL法(製造者責任法)に基づき国内での自社生産、販売にこだわっています。これまで事故は一度もなく、損害賠償などを求められたこともありません。

100%日本製であり、それを静岡県内にある工場で自社生産しています。当社では、「自信を持ってお客様に提供できるもの、お客様が求めることに対して結果が出せる健康器具であること」を念頭に置いて製品づくりに取り組んでいます。そのためのポイントは、確かなエビデンスに基づいた製品開発となります。

日本気圧バルク工業の物づくりのポリシーや「O2Room®」の特長などについて質問した高橋さん

「大学や病院との共同研究で得た数々のエビデンスが当社の誇り」

高橋 確かなエビデンスという点では、数々の大学や医療機関と共同研究をされているとうかがっています。

天野 はい。京都大学大学院の石原昭彦教授との出会いがきっかけでした。高橋さんも現役時代、酸素カプセルを活用されていたと以前お聞きしましたが、2000年前後から巷にはさまざまな種類の酸素カプセルなどが販売されていたものの、その効果を科学的に証明したエビデンスなどがなく、使用方法や適用にはっきりした基準がない状態でした。そこで石原教授に、歴史のある学術研究団体「日本体力医学会(1949年設立)」への入会、共同研究を勧められ、そこでの出会いが現在につながっています。

京都大学、神戸大学、名古屋大学をはじめとした数々の大学の研究機関、研究者の方々、さらに整形外科、内科、産婦人科、歯科などさまざまな分野の病院とも連携して共同研究を行える信頼関係を築いています。そうした中で得られた研究データこそが当社製品の最大の価値だと思っています。

高橋 そうしたエビデンスに基づき、酸素ルームは疲労回復やリフレッシュなどのコンディショニングから、各種トレーニング、さらにケガの治癒促進などにも使われています。

天野 低圧低酸素には、高地トレーニングと同様の効果があることは知られていますが、もうひとつケガの修復・再生を促進するという特徴的な効果があることを、神戸大学の藤野英己教授との共同研究として2024年9月に開かれた第78回日本体力医学会大会でも発表させていただきました。

製品の性能や安全性だけでなく、ユーザーの希望にマッチしたサイズやデザインにできることも「O2Room®」の特長だ

ケガの治癒促進につながることで〝酸素〟への注目がさらに高まる

高橋 酸素ルームは「高気圧酸素ルーム」が疲労回復用、「低圧低酸素ルーム」が高地トレーニング用というイメージでした。

天野 〝ストレス社会〟と言われる昨今、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、体調を崩す人たちが増えています。当社の高気圧酸素ルームで扱っている軽度高気圧酸素環境(1.25~1.3気圧、酸素濃度35~40%を採用)は、高濃度の酸素を取り入れることで細胞の活性化、副交感神経を活性化させ、ストレスの軽減と免疫機能の向上などの効果が確認されています。さらに低圧低酸素環境では、赤血球量の増加、心肺機能の向上、筋肉の強化、疲労耐性の向上、エネルギー代謝の向上、ケガの修復・再生の促進などの効果が報告されています。

高橋 そうなると、これまでのイメージにはない酸素ルームの新たな活用法も広がっていますね。

天野 学会での報告後、「ケガの治癒促進にもつながるなら」と、スポーツチームの関係者からの問い合わせも確実に増えてきています。今後もさらに共同研究を重ね、スポーツ界のみならず、一般の方々の健康回復に役立つことを伝えていこうと考えています。

高橋 そういった意味では、近年、病院など医療関係への酸素ルームの導入も進んでおられるということですが。

天野 医療用の高気圧酸素は2気圧の〝100%酸素〟を使いますが、民生用でもそれに近い気圧が適しているわけではありません。1.5気圧以上の環境では副作用である「酸素毒性」が認められることもわかっています。そこで当社では、安心・安全に利用でき、人体への負担がほとんどない軽度高気圧酸素(1.25~1.3気圧、酸素濃度35~40%)を採用しています。

当社の高気圧酸素ルームは、民生用の健康器具で、軽度高気圧酸素に設定されており、2気圧の医療用とは異なります。これまでは医療用(2気圧)でないと効果がないと思われていましたが、各方面からエビデンスが発表され、使う目的、用途によって適切な気圧があり、効果も確認されてきたことで、総合病院や整形外科など多くの医療機関で当社の酸素ルームを導入していただいています。

高橋 「O2Room®」はそうした医療機関でも評価されるほど頼りにされているのですね。

天野 自信を持って製品を世に送り出していますが、病院の先生方に評価していただけるのは大変光栄です。さらに当社の製品が、そうした先生方を通じて人々の健康に役立ってくれることを、とてもうれしく思っています。

陸上の長距離界に評価されているのは自然界と同じ環境を実現できること

高橋 医療機関でも高く評価されている「O2Room®」ですが、スポーツ界、なかでも陸上の長距離界では多くの実業団や大学のチームに導入されています。どういう経緯で陸上界に広がったのですか?

天野 2011年にニューイヤー駅伝で初優勝を果たしたトヨタ自動車陸上長距離部が、当時から酸素ルームに興味を持たれており、2015年に2度目のニューイヤー駅伝優勝に輝かれた際に、トレーニングルームや寮などを兼ね備えたクラブハウスを新設されるのと同時に当社の「O2Room®」を強豪スポーツチームとして初めて導入していただきました。

当社の「O2Room®」は、当時から使用人数や目的、設置場所などユーザーのニーズに対してカスタマイズが可能となっており、トヨタ自動車陸上長距離部のご希望に沿ったかたちで大型の低圧低酸素ルーム1台、高圧高酸素ルーム2台をトレーニングルームに設置。低圧低酸素ルームはトレッドミル2台とフィットネスバイク2台が入り複数人でトレーニングが行えるサイズ、高圧高酸素ルームは、横になってテレビを見たり、本を読んだり、リラックスして滞在できる大きさというご要望に応えたサイズのものを導入しました。

幸いにもご好評をいただき、その後の旭化成、東洋大学など実業団や学生の駅伝強豪チームに数多く導入していただくことにつながっていきました。そういう意味ではトヨタ自動車長距離部、当時の佐藤敏信監督(現・総監督)にはとても感謝しております。

高橋 トヨタ自動車陸上長距離部の佐藤総監督は、「O2Room®」のどういう点に注目されたのでしょうか。

天野 当社が日本で唯一、大学や病院と提携して研究データを蓄積するなど機能面でも安全面でも信頼性が高い点。また、低酸素環境については近年、窒素空気を室内に送り込み、気圧は平地のままで酸素濃度だけを下げる「常圧低酸素」の設備も出てきていますが、それでは空気中の成分(一般的に平地では約8割が窒素、約2割が酸素)を変化させただけで、自然界の環境とは言えず、「高地と同じ環境でトレーニングがしたい」という条件にマッチしません。加圧および減圧により、標高2000mから3000mに駆け上がり、そこからまた標高2000mに降りてくるなどの環境設定を安全かつスムーズに作り出せる点などを評価いただきました。

「自信を持ってお客様に提供できる〝確かな製品〟を追求している」と話す天野社長

構成:花木 雫、撮影:船越陽一郎

※この記事は『月刊陸上競技』2025年6月号にも掲載しています

<後編へ続く>

酸素に関わる製品の販売を始めて30年、部屋型の〝酸素ルーム〟を世界で真っ先に開発して業界をリード

私たちは「1気圧、酸素濃度20.9%」(平地)という環境の中で暮らしている。気圧を上げれば空気が凝縮されて、酸素濃度も上がる。そのため気圧を高めた環境では通常よりも多くの酸素を体内に取り込むことができ、酸素が身体の隅々の細胞に行き渡る。その結果、血流が促進され、疲労回復や睡眠の質の向上はもちろん、ケガの回復の促進などさまざまな効果が期待できるエビデンスが各方面から発表されている。 スポーツ界では、近年、駅伝やマラソンで活躍する実業団チームをはじめ、箱根駅伝常連校などにも酸素ルームが活用されて話題となっている。さらに、そうしたトップチームのアスリートのみならず、各種リハビリ施設をはじめ整骨院や接骨院、スポーツクラブなどで一般の人々も気軽に利用できるようになってきている。 その酸素ルームの先駆者となったのが、静岡市に本社を構える日本気圧バルク工業株式会社。広くて複数人でも一緒に入ることができ、エアコンやテレビ、モニターの設置も可能な〝部屋型〟のモデルを世界で最初に開発。これを「酸素ルーム」と称して販売を開始した。疲労回復やケガの治癒促進などに役立つ高気圧酸素ルーム、高地トレーニングが行われる標高の高い場所と同様の環境をつくることができる低圧低酸素ルーム、その両方の環境を1台で実現する2way酸素ルームの3タイプをいずれも「O2Room®」のブランド名で展開。酸素を活用した機器を初めて販売した1995年以降、ルームタイプとなった現在まで一度の事故もなく、軽微なものを含め故障が少ない点もユーザーから高い信頼を得ている証となっている。 ここでは、同社の天野英紀代表取締役社長と、同社のアンバサダーを務めるシドニー五輪女子マラソン金メダリストで元世界記録保持者の高橋尚子さんに、酸素ルームのこれまでとこれからについて語り合っていただいた。

自信を持ってお客様に提供できる〝確かな製品〟を追求

高橋 〝酸素の力〟でアスリートを支える日本気圧バルク工業の酸素ルーム「O2Room®」について、いろいろお聞きしたいと思っています。 天野 よろしくお願いします。 高橋 「O2Room®」は、医療機関や陸上の実業団チームなどスポーツの現場、最近では一般企業、塾など教育関係、さらに一般のご家庭でも導入されている方が増えているとお聞きしています。 天野 そうなんです。スポーツはもちろん、健康に興味・関心を持たれている方が増えています。スポーツ選手がコンディショニングやパフォーマンス強化、ケガからの復帰などに酸素、さらには弊社の「O2Room®」を活用しているという情報が各方面から発信され、それをきっかけに口コミで広がっているのが現状です。 プロ選手をはじめ、子供から100歳を超える高齢者まで、誰もが安心して入れる、安心・安全な製品であることを大前提に「O2Room®」を展開している点をしっかりご理解していただいているからだと感じています。最近では、企業の休み時間のリフレッシュや受験勉強の際の疲労回復、集中力アップ、効率アップに使われるなど活用の幅が広がっています。 当社の製品は100%自社生産で、お客様のニーズに合わせてカスタマイズできる点も大企業から一般のご家庭まで受け入れられている点だと思います。設置する場所に合わせて、サイズはもちろん、デザインなども変えることができます。 高橋 安心・安全というキーワードがありました。「O2Room®」を製造・販売する上で、どんな点を大切にしておられますか? 天野 「安心して入れる、安全な酸素ルーム」とは、身体に過度な負担がかからず、事故や故障などが起こらない高い品質と性能があることが条件となります。当社では、自信を持ってお客様に提供できるよう、PL法(製造者責任法)に基づき国内での自社生産、販売にこだわっています。これまで事故は一度もなく、損害賠償などを求められたこともありません。 100%日本製であり、それを静岡県内にある工場で自社生産しています。当社では、「自信を持ってお客様に提供できるもの、お客様が求めることに対して結果が出せる健康器具であること」を念頭に置いて製品づくりに取り組んでいます。そのためのポイントは、確かなエビデンスに基づいた製品開発となります。 [caption id="attachment_169784" align="alignnone" width="800"] 日本気圧バルク工業の物づくりのポリシーや「O2Room®」の特長などについて質問した高橋さん[/caption]

「大学や病院との共同研究で得た数々のエビデンスが当社の誇り」

高橋 確かなエビデンスという点では、数々の大学や医療機関と共同研究をされているとうかがっています。 天野 はい。京都大学大学院の石原昭彦教授との出会いがきっかけでした。高橋さんも現役時代、酸素カプセルを活用されていたと以前お聞きしましたが、2000年前後から巷にはさまざまな種類の酸素カプセルなどが販売されていたものの、その効果を科学的に証明したエビデンスなどがなく、使用方法や適用にはっきりした基準がない状態でした。そこで石原教授に、歴史のある学術研究団体「日本体力医学会(1949年設立)」への入会、共同研究を勧められ、そこでの出会いが現在につながっています。 京都大学、神戸大学、名古屋大学をはじめとした数々の大学の研究機関、研究者の方々、さらに整形外科、内科、産婦人科、歯科などさまざまな分野の病院とも連携して共同研究を行える信頼関係を築いています。そうした中で得られた研究データこそが当社製品の最大の価値だと思っています。 高橋 そうしたエビデンスに基づき、酸素ルームは疲労回復やリフレッシュなどのコンディショニングから、各種トレーニング、さらにケガの治癒促進などにも使われています。 天野 低圧低酸素には、高地トレーニングと同様の効果があることは知られていますが、もうひとつケガの修復・再生を促進するという特徴的な効果があることを、神戸大学の藤野英己教授との共同研究として2024年9月に開かれた第78回日本体力医学会大会でも発表させていただきました。 [caption id="attachment_169909" align="alignnone" width="800"] 製品の性能や安全性だけでなく、ユーザーの希望にマッチしたサイズやデザインにできることも「O2Room®」の特長だ[/caption]

ケガの治癒促進につながることで〝酸素〟への注目がさらに高まる

高橋 酸素ルームは「高気圧酸素ルーム」が疲労回復用、「低圧低酸素ルーム」が高地トレーニング用というイメージでした。 天野 〝ストレス社会〟と言われる昨今、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、体調を崩す人たちが増えています。当社の高気圧酸素ルームで扱っている軽度高気圧酸素環境(1.25~1.3気圧、酸素濃度35~40%を採用)は、高濃度の酸素を取り入れることで細胞の活性化、副交感神経を活性化させ、ストレスの軽減と免疫機能の向上などの効果が確認されています。さらに低圧低酸素環境では、赤血球量の増加、心肺機能の向上、筋肉の強化、疲労耐性の向上、エネルギー代謝の向上、ケガの修復・再生の促進などの効果が報告されています。 高橋 そうなると、これまでのイメージにはない酸素ルームの新たな活用法も広がっていますね。 天野 学会での報告後、「ケガの治癒促進にもつながるなら」と、スポーツチームの関係者からの問い合わせも確実に増えてきています。今後もさらに共同研究を重ね、スポーツ界のみならず、一般の方々の健康回復に役立つことを伝えていこうと考えています。 高橋 そういった意味では、近年、病院など医療関係への酸素ルームの導入も進んでおられるということですが。 天野 医療用の高気圧酸素は2気圧の〝100%酸素〟を使いますが、民生用でもそれに近い気圧が適しているわけではありません。1.5気圧以上の環境では副作用である「酸素毒性」が認められることもわかっています。そこで当社では、安心・安全に利用でき、人体への負担がほとんどない軽度高気圧酸素(1.25~1.3気圧、酸素濃度35~40%)を採用しています。 当社の高気圧酸素ルームは、民生用の健康器具で、軽度高気圧酸素に設定されており、2気圧の医療用とは異なります。これまでは医療用(2気圧)でないと効果がないと思われていましたが、各方面からエビデンスが発表され、使う目的、用途によって適切な気圧があり、効果も確認されてきたことで、総合病院や整形外科など多くの医療機関で当社の酸素ルームを導入していただいています。 高橋 「O2Room®」はそうした医療機関でも評価されるほど頼りにされているのですね。 天野 自信を持って製品を世に送り出していますが、病院の先生方に評価していただけるのは大変光栄です。さらに当社の製品が、そうした先生方を通じて人々の健康に役立ってくれることを、とてもうれしく思っています。

陸上の長距離界に評価されているのは自然界と同じ環境を実現できること

高橋 医療機関でも高く評価されている「O2Room®」ですが、スポーツ界、なかでも陸上の長距離界では多くの実業団や大学のチームに導入されています。どういう経緯で陸上界に広がったのですか? 天野 2011年にニューイヤー駅伝で初優勝を果たしたトヨタ自動車陸上長距離部が、当時から酸素ルームに興味を持たれており、2015年に2度目のニューイヤー駅伝優勝に輝かれた際に、トレーニングルームや寮などを兼ね備えたクラブハウスを新設されるのと同時に当社の「O2Room®」を強豪スポーツチームとして初めて導入していただきました。 当社の「O2Room®」は、当時から使用人数や目的、設置場所などユーザーのニーズに対してカスタマイズが可能となっており、トヨタ自動車陸上長距離部のご希望に沿ったかたちで大型の低圧低酸素ルーム1台、高圧高酸素ルーム2台をトレーニングルームに設置。低圧低酸素ルームはトレッドミル2台とフィットネスバイク2台が入り複数人でトレーニングが行えるサイズ、高圧高酸素ルームは、横になってテレビを見たり、本を読んだり、リラックスして滞在できる大きさというご要望に応えたサイズのものを導入しました。 幸いにもご好評をいただき、その後の旭化成、東洋大学など実業団や学生の駅伝強豪チームに数多く導入していただくことにつながっていきました。そういう意味ではトヨタ自動車長距離部、当時の佐藤敏信監督(現・総監督)にはとても感謝しております。 高橋 トヨタ自動車陸上長距離部の佐藤総監督は、「O2Room®」のどういう点に注目されたのでしょうか。 天野 当社が日本で唯一、大学や病院と提携して研究データを蓄積するなど機能面でも安全面でも信頼性が高い点。また、低酸素環境については近年、窒素空気を室内に送り込み、気圧は平地のままで酸素濃度だけを下げる「常圧低酸素」の設備も出てきていますが、それでは空気中の成分(一般的に平地では約8割が窒素、約2割が酸素)を変化させただけで、自然界の環境とは言えず、「高地と同じ環境でトレーニングがしたい」という条件にマッチしません。加圧および減圧により、標高2000mから3000mに駆け上がり、そこからまた標高2000mに降りてくるなどの環境設定を安全かつスムーズに作り出せる点などを評価いただきました。 [caption id="attachment_169791" align="alignnone" width="800"] 「自信を持ってお客様に提供できる〝確かな製品〟を追求している」と話す天野社長[/caption] 構成:花木 雫、撮影:船越陽一郎 ※この記事は『月刊陸上競技』2025年6月号にも掲載しています <後編へ続く>

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