HOME 国内

2025.04.12

5000m山本有真が2年半ぶり自己新に涙 「やっと思い通りの走りできた」/金栗記念
5000m山本有真が2年半ぶり自己新に涙 「やっと思い通りの走りできた」/金栗記念

金栗記念女子5000mで15分12秒97の自己新をマークした山本有真

◇第33回金栗記念(4月12日/熊本・えがお健康スタジアム)

日本グランプリシリーズ第1戦の金栗記念が行われ、女子5000mはジャネット・ジェプコエチ(倉敷高3岡山)が15分00秒92の大会新記録で優勝した。24年パリ五輪代表の山本有真(積水化学)が15分12秒97の自己新で日本人トップの5位に入った。

レース後、1500mの後に4000mまでペースメーカーを務めてくれた田中希実(New Balance)に抱きついて何度も感謝した。

「実業団に入ってから世界選手権やオリンピックを経験しましたが、自分の納得いく走りができなくて……。自分の最高の走りは大学4年の国体で出した自己ベスト。あの時がピークだったのかなって」

そう言うと感情があふれた。実に2年半ぶりの自己新。「やっと思い通りの走りができました」と涙を浮かべて喜んだ。

「今日は田中さんの後ろ姿を見ながら“世界”を想像して走りました」。ラスト1000mで田中から「ここからだよ!」と声が飛ぶと、「うれしくて」背中を押された。終始、「余裕を持って走れた」と言い、「15分20秒くらい出せればと思っていましたが、まさか15分12秒くらいとは思いませんでした」。

広告の下にコンテンツが続きます

ただ、「自己ベストを出せるくらいの力はあるって練習から感じられていたので、自信がありました」と充実したトレーニングを積めた。

そうした背景には気持ちの変化がある。世界大会を経験し、傍から見れば順調に映るが、「たまたま出られただけ」。過去の自分を超えられないもどかしさに不安が募った。

「本当に殻を破って、自分の最高の走りをして世界に臨みたい。その強い気持ちを持って春からやってきました」

今大会は2年前に金メダルを取ったアジア選手権の代表選考会。「監督から『アジア選手権がないと世界選手権はないぞ』と言われていたので、絶対に自分が出るんだと思って走りました」。

これで代表入りは濃厚で、アジア選手権は連覇を目指すこととなる。「セイコーゴールデングランプリや日本選手権でしっかり結果を出して、自己ベストをもっと出していきたい」。涙になって表れた強い思い。山本は次こそ自信を持って世界大会のスタートラインに立つ。

◇第33回金栗記念(4月12日/熊本・えがお健康スタジアム) 日本グランプリシリーズ第1戦の金栗記念が行われ、女子5000mはジャネット・ジェプコエチ(倉敷高3岡山)が15分00秒92の大会新記録で優勝した。24年パリ五輪代表の山本有真(積水化学)が15分12秒97の自己新で日本人トップの5位に入った。 レース後、1500mの後に4000mまでペースメーカーを務めてくれた田中希実(New Balance)に抱きついて何度も感謝した。 「実業団に入ってから世界選手権やオリンピックを経験しましたが、自分の納得いく走りができなくて……。自分の最高の走りは大学4年の国体で出した自己ベスト。あの時がピークだったのかなって」 そう言うと感情があふれた。実に2年半ぶりの自己新。「やっと思い通りの走りができました」と涙を浮かべて喜んだ。 「今日は田中さんの後ろ姿を見ながら“世界”を想像して走りました」。ラスト1000mで田中から「ここからだよ!」と声が飛ぶと、「うれしくて」背中を押された。終始、「余裕を持って走れた」と言い、「15分20秒くらい出せればと思っていましたが、まさか15分12秒くらいとは思いませんでした」。 ただ、「自己ベストを出せるくらいの力はあるって練習から感じられていたので、自信がありました」と充実したトレーニングを積めた。 そうした背景には気持ちの変化がある。世界大会を経験し、傍から見れば順調に映るが、「たまたま出られただけ」。過去の自分を超えられないもどかしさに不安が募った。 「本当に殻を破って、自分の最高の走りをして世界に臨みたい。その強い気持ちを持って春からやってきました」 今大会は2年前に金メダルを取ったアジア選手権の代表選考会。「監督から『アジア選手権がないと世界選手権はないぞ』と言われていたので、絶対に自分が出るんだと思って走りました」。 これで代表入りは濃厚で、アジア選手権は連覇を目指すこととなる。「セイコーゴールデングランプリや日本選手権でしっかり結果を出して、自己ベストをもっと出していきたい」。涙になって表れた強い思い。山本は次こそ自信を持って世界大会のスタートラインに立つ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.26

【大会結果】日本学生個人選手権(2025年4月25日~27日)

【大会結果】日本学生個人選手権(2025年4月25~27日/神奈川・平塚、ハンマー投のみ東海大) ●男子 100m   200m   400m   800m   1500m  前田陽向(環太平洋大4)  4分03秒64 […]

NEWS 乙津美月が女子走幅跳6m33で逆転V!! 男子110mH阿部竜希は東京世界陸上標準突破/日本学生個人

2025.04.26

乙津美月が女子走幅跳6m33で逆転V!! 男子110mH阿部竜希は東京世界陸上標準突破/日本学生個人

◇日本学生個人選手権(4月25日~27日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)1日目 ワールドユニバーシティゲームズ代表選考会を兼ねた日本学生個人選手権が行われ、女子走幅跳は乙津美月(日女体大)が6m33(+1.6)で逆転 […]

NEWS 編集部コラム「どこよりも早い!?アジア選手権展望」

2025.04.25

編集部コラム「どこよりも早い!?アジア選手権展望」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 選考レース10000m伊藤蒼唯が強烈スパートでトップ! 「1番を取れてすごくうれしい」/日本学生個人

2025.04.25

選考レース10000m伊藤蒼唯が強烈スパートでトップ! 「1番を取れてすごくうれしい」/日本学生個人

◇日本学生個人選手権(4月25日~27日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)1日目 日本学生個人選手権内でワールドユニバーシティゲームズ代表選考会の男子10000mが行われ、伊藤蒼唯(駒大)が28分53秒75でトップだっ […]

NEWS 前田彩花が選考レース10000m1着! ハーフの悔しさ晴らし「余裕持って走れた」/日本学生個人

2025.04.25

前田彩花が選考レース10000m1着! ハーフの悔しさ晴らし「余裕持って走れた」/日本学生個人

◇日本学生個人選手権(4月25日~27日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)1日目 日本学生個人選手権内でワールドユニバーシティゲームズ代表選考会の女子10000mが行われ、前田彩花(関大)が33分10秒60で1着だった […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top