HOME 国内、大学

2024.08.30

国際武道大が主催競技会で不適正行為 同競技会の記録抹消および主催を禁止に
国際武道大が主催競技会で不適正行為 同競技会の記録抹消および主催を禁止に

日本学連「競技会の適正な実施」について

陸上競技は、記録のスポーツです。

ルールに則った正しい計測は、その大前提となります。公認された競技場で正しく実施される競技会において、共通の方法で計測がされることによって、場所や時代を超えて記録を比較することが可能となります。この大前提が崩れれば、陸上競技がスポーツとして成立せず、そして、陸上競技の魅力も失われてしまいます。

今回の事案に限られず、風速の測定やファウルの判定等についても、正しく実施される必要があることは、いうまでもありません。

広告の下にコンテンツが続きます

記録会を開催する全国の各大学や、競技審判等を務める学生の皆さんにおかれましては、ご自身方が陸上競技の大前提を支えていることを改めて認識の上で、引き続き、正しい計測や判定に、常に意を払っていただきたく、よろしくお願い申し上げます。

日本学生陸上競技連合(日本学連)は8月29日、国際武道大が同大競技場で実施した陸上競技部主催の競技会において、不適正行為があったことを明らかにした。 日本学連によると、国際武道大陸上競技部主催の競技会において、少なくとも2014年4月以降、2023年10月まで、以下の不適正行為があったという。 ・同大競技場は逆走の公認を得ていないにもかかわらず、ホームストレートが向かい風になった場合などに100m、110mハードル(混成競技を含む)のレースを、ホームストレートを逆走する方法でレースを実施した。 ・110mハードルはスタート地点から1台目のハードルまでの距離(13.72m)が10台目のハードルからフィニッシュ地点までの距離(14.02m)よりも30cm短い。そのため、逆走の場合はすべてのハードルを本来の設置位置よりもフィニッシュ地点に30cm近づけた位置に設置していた。その際、30cmをメジャーで計測し、テーピングテープをレーンライン上に貼って目印にしていた。 ・逆走の場合に電動計時システムを使用せず、ハイスピードカメラにて撮影したレース動画を用い、「スタート時のピストルの光(煙)が映ったコマ」と「フィニッシュのコマ」とのコマ数からタイムを算出していた。 以上3つの方法で実施されたレースは、いずれも公認記録とはならない。 加えて、これらの不適正行為は当時の監督の発案で始まったこと、および、当時の監督や担当コーチを含めて記録が公認されないことを認識したうえで、指導者の判断で実施していたこと。さらに、2019年以降は国際武道大の選手だけが参加する競技会のみで上記方法を採用し、他校の選手が参加する競技会では行っていない、ということも判明しており、不適正な実施方法と認識していたことは明らかだと日本学連は判断した。 そのため、このことが発覚したあと、判明している対象レースについて公認記録の取り消し措置が実施された。また、対象のレースの記録を資格記録として日本インカレ等の日本学連主催競技会に出場した選手もいたことも判明しており、その選手の当該競技会における競技成績はすべて取り消される。 加えて、以下の処分を課すことも発表した。 ・8月29日までに開催された国際武道大主催の競技会における同大所属選手の100m、110mハードル、および男子混成競技の記録は、日本学連主催の今後の競技会において参加資格記録としては認めない。 ・8月29日から2年間、国際武道大が競技会を主催することを禁止。 ・元監督が日本学連主催競技会への2年間の参加禁止(来場を含む)、および日本学連における委員の解任。総監督、ハードル担当コーチは2年間、監督は1年間の日本学連主催競技会への参加禁止(来場を含む)。 今回の一件を踏まえ、日本学連は以下のように改めて「競技会の適正な実施」を訴えた。

日本学連「競技会の適正な実施」について

陸上競技は、記録のスポーツです。 ルールに則った正しい計測は、その大前提となります。公認された競技場で正しく実施される競技会において、共通の方法で計測がされることによって、場所や時代を超えて記録を比較することが可能となります。この大前提が崩れれば、陸上競技がスポーツとして成立せず、そして、陸上競技の魅力も失われてしまいます。 今回の事案に限られず、風速の測定やファウルの判定等についても、正しく実施される必要があることは、いうまでもありません。 記録会を開催する全国の各大学や、競技審判等を務める学生の皆さんにおかれましては、ご自身方が陸上競技の大前提を支えていることを改めて認識の上で、引き続き、正しい計測や判定に、常に意を払っていただきたく、よろしくお願い申し上げます。

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.13

編集部コラム「あっという間の2025年」

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]

NEWS 早大のルーキー・鈴木琉胤「少しずつトラックの頃に戻ってきた」 往路希望で「区間賞を狙う走りを」

2025.12.13

早大のルーキー・鈴木琉胤「少しずつトラックの頃に戻ってきた」 往路希望で「区間賞を狙う走りを」

箱根駅伝で15年ぶりの総合優勝を狙う早大が12月13日、埼玉・所沢キャンパスで合同取材会を開いた。 出雲駅伝、全日本大学駅伝で出走したルーキー・鈴木琉胤は「ハーフは走ったことがなくて、箱根でいきなりという不安はあります。 […]

NEWS 箱根駅伝15年ぶりV狙う早大が合同取材会 花田勝彦駅伝監督「状態上がっている」 山口智規「大手町を楽しみにしてほしい」

2025.12.13

箱根駅伝15年ぶりV狙う早大が合同取材会 花田勝彦駅伝監督「状態上がっている」 山口智規「大手町を楽しみにしてほしい」

箱根駅伝で15年ぶりの総合優勝を狙う早大が12月13日、埼玉・所沢キャンパスで合同取材会を開いた。 この日は撮影と共通取材、個別取材を実施。共通取材で花田勝彦駅伝監督は「今年もかなり良いかたちで準備ができたと思っています […]

NEWS 連覇か、V奪回か?「ニューイヤー駅伝2026」に挑む強豪3チームの意気込み/旭化成・トヨタ自動車・富士通
PR

2025.12.13

連覇か、V奪回か?「ニューイヤー駅伝2026」に挑む強豪3チームの意気込み/旭化成・トヨタ自動車・富士通

2026年の幕開けを飾る全日本実業団対抗駅伝(通称・ニューイヤー駅伝)は、第70回の記念大会として1月1日、前橋市にある群馬県庁前をスタートし、上州路をぐるりと回って県庁に戻る7区間・総距離100kmのコースで行われる。 […]

NEWS ロス瑚花アディアが60m7秒48のユタ州立大新記録 東京・城西高出身で今秋から留学中

2025.12.13

ロス瑚花アディアが60m7秒48のユタ州立大新記録 東京・城西高出身で今秋から留学中

【画像】大学デビュー戦で大学記録を塗り替えたロス瑚花アディア この投稿をInstagramで見る Utah State University T&F / XC(@usutf_xc)がシェアした投稿

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top