HOME 特集

2024.07.31

サニブラウン「世界一しか興味がない」2度目の五輪で本領発揮し、92年ぶりの快挙なるか/パリ五輪
サニブラウン「世界一しか興味がない」2度目の五輪で本領発揮し、92年ぶりの快挙なるか/パリ五輪

サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)

男子100mに出場するサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は常々こう言っている。

「世界一しか興味がない」

広告の下にコンテンツが続きます

100mで22年オレゴン世界選手権は7位、昨年のブダペスト世界選手権では6位。世界一を公言して当たり前だろう。もっと言えば、高校時代に18歳未満の世界最速の称号を手にしているのだから。

昨シーズン後から「ケガなく順調にできた」。2サイクル、大きな故障なく過ごすのは久しぶりのこと。今季屋外初戦で10秒02(+0.5)を叩き出すと、5月末にはダイヤモンドリーグ(DL)オスロ大会で9秒99(+0.4)をマークし、パリ五輪参加標準記録を突破して早期内定を得た。

好調の要因はスタートからの加速にある。長く課題としていた局面だが、昨年11月のある日、スターティングブロックを使った練習で脚の運びで「これだ」と感じた瞬間があったという。その“自動化”とともに、次は「記憶があまりない」という40~60m付近の部分で「リラックスしてしまう」ところを改善できれば、9秒8台が見えてくる。

「最後はメンタル」

広告の下にコンテンツが続きます

世界トップの練習環境に身を置く者だけがたどり着く境地。日本人で五輪の100m決勝に立てば、1932年ロス五輪6位だった“暁の超特急”こと吉岡隆徳以来、実に92年ぶりだ。

3年前の地元開催だった東京五輪は200mで出場したが、腰のヘルニアからくる神経痛に悩まされて走り切るのが精一杯で「参加賞をもらっただけ」。再びの世界一へ。サニブラウンが花の都に立つ。

パリ五輪の陸上競技は8月1日から11日まで行われる。男子100mは日本時間8月3日18時45分から予選、4日深夜3時に準決勝、4時50分に決勝が行われる。

文/向永拓史

男子100mに出場するサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は常々こう言っている。 「世界一しか興味がない」 100mで22年オレゴン世界選手権は7位、昨年のブダペスト世界選手権では6位。世界一を公言して当たり前だろう。もっと言えば、高校時代に18歳未満の世界最速の称号を手にしているのだから。 昨シーズン後から「ケガなく順調にできた」。2サイクル、大きな故障なく過ごすのは久しぶりのこと。今季屋外初戦で10秒02(+0.5)を叩き出すと、5月末にはダイヤモンドリーグ(DL)オスロ大会で9秒99(+0.4)をマークし、パリ五輪参加標準記録を突破して早期内定を得た。 好調の要因はスタートからの加速にある。長く課題としていた局面だが、昨年11月のある日、スターティングブロックを使った練習で脚の運びで「これだ」と感じた瞬間があったという。その“自動化”とともに、次は「記憶があまりない」という40~60m付近の部分で「リラックスしてしまう」ところを改善できれば、9秒8台が見えてくる。 「最後はメンタル」 世界トップの練習環境に身を置く者だけがたどり着く境地。日本人で五輪の100m決勝に立てば、1932年ロス五輪6位だった“暁の超特急”こと吉岡隆徳以来、実に92年ぶりだ。 3年前の地元開催だった東京五輪は200mで出場したが、腰のヘルニアからくる神経痛に悩まされて走り切るのが精一杯で「参加賞をもらっただけ」。再びの世界一へ。サニブラウンが花の都に立つ。 パリ五輪の陸上競技は8月1日から11日まで行われる。男子100mは日本時間8月3日18時45分から予選、4日深夜3時に準決勝、4時50分に決勝が行われる。 文/向永拓史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.27

桐生祥秀と山縣亮太が激突 走幅跳に泉谷駿介 トップ選手が続々 エントリー状況発表/JAG大崎

2026年2月14日、15日に開催される「Japan Athlete Games in Osaki 2026」(鹿児島県大崎町・ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅)の12月25日時点でのエントリー状況が12月26 […]

NEWS 名古屋アジア大会のマラソン、競歩の日程案が発表 マラソンは9月26日

2025.12.26

名古屋アジア大会のマラソン、競歩の日程案が発表 マラソンは9月26日

愛知・名古屋アジア大会組織委員会は、26年9月に開催される名古屋アジア大会のマラソンと競歩種目の日程と会場案を発表した。 マラソンは男女とも9月26日(土)に実施を予定。時差スタートで、男子は7時30分、女子は7時50分 […]

NEWS 箱根駅伝Stories/創部111年の年で「1位」に挑む早大 強力な主軸擁し「間違いなく前回より強い」

2025.12.26

箱根駅伝Stories/創部111年の年で「1位」に挑む早大 強力な主軸擁し「間違いなく前回より強い」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 One早稲田のスローガンで 創部111年と「1」並びの年に、早大は「 […]

NEWS 瀬古利彦氏と渡辺康幸氏がトークショー!第102回箱根駅伝に向けて優勝は?見どころは?「5強」だけど「わからない」

2025.12.26

瀬古利彦氏と渡辺康幸氏がトークショー!第102回箱根駅伝に向けて優勝は?見どころは?「5強」だけど「わからない」

「第102回箱根駅伝見どころ先取り!スペシャルトークショー」が12月26日、新宿・京王百貨店のミズノ「第102回箱根駅伝オフィシャルグッズショップ」で行われ、瀬古利彦氏(DeNAアスレティックスエリートアドバイザー)と渡 […]

NEWS 宮古島大学駅伝に青学大、國學院大、中大など箱根出場の14校参加! ダイジェスト放送も実施予定

2025.12.26

宮古島大学駅伝に青学大、國學院大、中大など箱根出場の14校参加! ダイジェスト放送も実施予定

「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は12月26日、来年2月8日に実施する大会要項を発表した。 今回で6回目を迎える大会。前回発表よりも出場校が追加され、来年1月の箱根駅伝で3連覇を狙う青学大、宮古島で2 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top