2024.05.04
◇第108回日本選手権10000m(5月3日/静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム)
パリ五輪代表選考会となる日本選手権10000mが行われ、男子は葛西潤(旭化成)が日本歴代4位の27分17秒46をマークして優勝した。
会心のレースだった。終盤まで先頭争いで進めると、9000mで葛西が満を持して前に出た。「ちょっとずつリズムを上げながら逃げられればいい」と、プラン通りに進めると、ラスト1周の鐘を合図に、粘る前田和摩(東農大)を突き放す鮮烈なスパートを繰り出した。フィニッシュ後は何度も手を叩き「自分を称えました」とおどける。
大阪・関西創価高から創価大へ。チームの主力として活躍し、特に4年時は全日本大学駅伝で2区区間新・区間賞、箱根駅伝7区区間賞と実績を残した。
社会人2年目だが、ケガにも泣かされてきた。そのため、昨年は「かなり練習量を抑え、5、6割くらいでやっていました」。秋頃から徐々に上げていくと、ここに来て状態が一気にアップ。ともに練習するチームメイトの相澤晃が「練習から強くて、絶対に勝つと思った」と舌を巻くほどの好調ぶりだったという。葛西も「ケガなくできたのが一番です」と言う。
「本当にうれしい気持ち。無事に勝てて良かったです」と笑顔を見せた葛西。パリ五輪の参加標準記録(27分00秒00)には届かなかった。しかし、「2週間後にもう1レース出て、ポイントをそろえてパリ五輪の出場権を獲得できるように頑張りたい」とあきらめないつもりだ。
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