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2024.01.12

編集部コラム「データで見る都道府県対抗女子駅伝」
編集部コラム「データで見る都道府県対抗女子駅伝」

今年で42回大会となる都道府県対抗女子駅伝

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第230回「データで見る都道府県対抗女子駅伝(大久保雅文)

1月14日に第42回都道府県対抗全国女子駅伝が開催されます。この大会は女子長距離のレベルアップを目指して1983年にスタート。コロナ禍で第39回大会(21年)は中止となりましたが、前回まで40回のタスキリレーが行われてきました。

今年も郷土の誇りを胸に選手たちが都大路を駆け抜けますが、これまでの大会をデータで振り返って見たいと思います。

男子は昨年の大会前に記したコラムがありますので、あわせてご覧ください。

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・優勝回数
18回 京都
4回 大阪、兵庫
3回 千葉
2回 神奈川、愛知
1回 宮城、埼玉、岡山、福岡、長崎、熊本、鹿児島

都道府県女子駅伝といえば、京都。京都といえば都道府県女子駅伝。というくらいに地元の京都の圧倒的な強さが光ります。全国高校駅伝で皆勤出場を続ける立命館宇治高の現役生やOGたちが多く活躍するほか、中学時代から出場していた早狩実紀(一時期、兵庫代表としても出場)などが都大路を沸かせてきました。2位には4回の大阪、兵庫が並び、この3府県で大会の半分以上となる26回の優勝を占めています。

・メダル回数
32回 京都
14回 兵庫
11回 千葉
8回 福岡、熊本
7回 大阪、岡山
5回 宮城、神奈川、長崎、鹿児島
3回 埼玉、愛知
2回 群馬、広島
1回 山形、茨城、東京

メダル回数でも京都が圧倒し、2位も兵庫が続いていますが、11回の千葉、8回の福岡、熊本が健闘しています。岡山は第1回が45位、第2回は46位と苦戦したものの、新谷仁美が高校2年生の時に出場した第23回(05年)で5位に入ってから躍進。第25回(07年)から第29回(11年)までは第28回の優勝を含め、5年連続3位以内と安定した成績を残しました。

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・入賞回数
37回 京都
29回 兵庫
25回 千葉、福岡
20回 大阪
18回 神奈川、愛知、熊本
16回 埼玉
14回 東京、長崎
12回 岡山、鹿児島
10回 宮城、宮崎
9回 広島
8回 静岡
7回 群馬
4回 茨城
3回 福島、長野
2回 山形、和歌山、山口
1回 三重、愛媛

京都が入賞を逃したのは過去に3回だけ。そのうち2回は9位で、ふたケタ順位は第18回(00年)の11位の1回のみとなっています。29回の兵庫、25回と千葉、福岡続き、大阪は大会の半分にあたる20回となっています。京都以外は強いと言われる県でも入賞するのは簡単ではなく、大会の激戦ぶりを示しています。一方、これまで入賞経験があるのは26道府県。のこる21道県はまだ入賞経験がありません。

・都道府県別平均順位
※棄権、失格は47位として計算。右は最高順位
京 都 2.53(1)
兵 庫 6.60(1)
千 葉 8.73(1)
福 岡 8.95(1)
大 阪 9.68(1)
熊 本 10.40(1)
神奈川 10.70(1)
愛 知 11.20(1)
東 京 12.25(3)
埼 玉 13.05(1)
鹿児島 13.60(1)
長 崎 15.08(1)
宮 崎 15.28(4)
静 岡 15.40(5)
岡 山 17.35(1)
宮 城 17.65(1)
広 島 18.45(3)
茨 城 19.03(2)
群 馬 19.70(2)
山 口 20.48(7)
福 島 23.13(4)
三 重 23.23(6)
長 野 23.98(4)
愛 媛 24.18(8)
栃 木 24.45(10)
大 分 27.48(10)
岐 阜 28.18(13)
新 潟 28.98(11)
滋 賀 29.30(12)
山 形 29.43(3)
北海道 29.45(15)
佐 賀 30.13(11)
石 川 31.23(10)
鳥 取 32.18(12)
和歌山 32.85(5)
奈 良 33.45(12)
徳 島 34.50(12)
秋 田 34.55(22)
福 井 35.38(15)
富 山 35.95(14)
岩 手 36.48(18)
香 川 36.65(13)
高 知 37.13(16)
山 梨 37.18(11)
島 根 38.28(23)
青 森 39.73(17)
沖 縄 44.68(36)

京都の平均順位は2.53と驚異的な数字となっており、6.6の兵庫を大きく引き離しています。仮定として今後、兵庫が連勝街道を突っ走り、京都が2位となり続けた場合でも、逆転するには160年以上掛かる計算です。入賞回数でも触れましたが、3位の千葉で8.73と入賞ラインには届いておらず、この大会での入賞の難しさが現われています。上位進出が難しい都道府県も、今回はこの平均順位を上回ることを期待したいところです。

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大久保雅文(おおくぼ・まさふみ)
月刊陸上競技編集部
1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)

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第230回「データで見る都道府県対抗女子駅伝(大久保雅文)

1月14日に第42回都道府県対抗全国女子駅伝が開催されます。この大会は女子長距離のレベルアップを目指して1983年にスタート。コロナ禍で第39回大会(21年)は中止となりましたが、前回まで40回のタスキリレーが行われてきました。 今年も郷土の誇りを胸に選手たちが都大路を駆け抜けますが、これまでの大会をデータで振り返って見たいと思います。 男子は昨年の大会前に記したコラムがありますので、あわせてご覧ください。 ・優勝回数 18回 京都 4回 大阪、兵庫 3回 千葉 2回 神奈川、愛知 1回 宮城、埼玉、岡山、福岡、長崎、熊本、鹿児島 都道府県女子駅伝といえば、京都。京都といえば都道府県女子駅伝。というくらいに地元の京都の圧倒的な強さが光ります。全国高校駅伝で皆勤出場を続ける立命館宇治高の現役生やOGたちが多く活躍するほか、中学時代から出場していた早狩実紀(一時期、兵庫代表としても出場)などが都大路を沸かせてきました。2位には4回の大阪、兵庫が並び、この3府県で大会の半分以上となる26回の優勝を占めています。 ・メダル回数 32回 京都 14回 兵庫 11回 千葉 8回 福岡、熊本 7回 大阪、岡山 5回 宮城、神奈川、長崎、鹿児島 3回 埼玉、愛知 2回 群馬、広島 1回 山形、茨城、東京 メダル回数でも京都が圧倒し、2位も兵庫が続いていますが、11回の千葉、8回の福岡、熊本が健闘しています。岡山は第1回が45位、第2回は46位と苦戦したものの、新谷仁美が高校2年生の時に出場した第23回(05年)で5位に入ってから躍進。第25回(07年)から第29回(11年)までは第28回の優勝を含め、5年連続3位以内と安定した成績を残しました。 ・入賞回数 37回 京都 29回 兵庫 25回 千葉、福岡 20回 大阪 18回 神奈川、愛知、熊本 16回 埼玉 14回 東京、長崎 12回 岡山、鹿児島 10回 宮城、宮崎 9回 広島 8回 静岡 7回 群馬 4回 茨城 3回 福島、長野 2回 山形、和歌山、山口 1回 三重、愛媛 京都が入賞を逃したのは過去に3回だけ。そのうち2回は9位で、ふたケタ順位は第18回(00年)の11位の1回のみとなっています。29回の兵庫、25回と千葉、福岡続き、大阪は大会の半分にあたる20回となっています。京都以外は強いと言われる県でも入賞するのは簡単ではなく、大会の激戦ぶりを示しています。一方、これまで入賞経験があるのは26道府県。のこる21道県はまだ入賞経験がありません。 ・都道府県別平均順位 ※棄権、失格は47位として計算。右は最高順位 京 都 2.53(1) 兵 庫 6.60(1) 千 葉 8.73(1) 福 岡 8.95(1) 大 阪 9.68(1) 熊 本 10.40(1) 神奈川 10.70(1) 愛 知 11.20(1) 東 京 12.25(3) 埼 玉 13.05(1) 鹿児島 13.60(1) 長 崎 15.08(1) 宮 崎 15.28(4) 静 岡 15.40(5) 岡 山 17.35(1) 宮 城 17.65(1) 広 島 18.45(3) 茨 城 19.03(2) 群 馬 19.70(2) 山 口 20.48(7) 福 島 23.13(4) 三 重 23.23(6) 長 野 23.98(4) 愛 媛 24.18(8) 栃 木 24.45(10) 大 分 27.48(10) 岐 阜 28.18(13) 新 潟 28.98(11) 滋 賀 29.30(12) 山 形 29.43(3) 北海道 29.45(15) 佐 賀 30.13(11) 石 川 31.23(10) 鳥 取 32.18(12) 和歌山 32.85(5) 奈 良 33.45(12) 徳 島 34.50(12) 秋 田 34.55(22) 福 井 35.38(15) 富 山 35.95(14) 岩 手 36.48(18) 香 川 36.65(13) 高 知 37.13(16) 山 梨 37.18(11) 島 根 38.28(23) 青 森 39.73(17) 沖 縄 44.68(36) 京都の平均順位は2.53と驚異的な数字となっており、6.6の兵庫を大きく引き離しています。仮定として今後、兵庫が連勝街道を突っ走り、京都が2位となり続けた場合でも、逆転するには160年以上掛かる計算です。入賞回数でも触れましたが、3位の千葉で8.73と入賞ラインには届いておらず、この大会での入賞の難しさが現われています。上位進出が難しい都道府県も、今回はこの平均順位を上回ることを期待したいところです。
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)
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