2023.12.23
新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。
初めての箱根で感じた悔しさ
「終盤まで粘って、最後、ラストスパートで勝負する、それが自分の持ち味です。高校のときから粘りの走りを意識し、大切にしてきました」
久保田徹(4年)は自身のランナーとしての長所を力強く語る。12月2日の日体大長距離競技会10000mでは、その強みを存分に発揮。28分09秒93のタイムを出し、大学記録を更新した。
1学年後輩の西川千青(3年)が7月に28分25秒33で大東大記録を更新したときから、「自分も記録を破りたい」と狙っていた。8000mまでは力をため込み、残り2000mから仕掛けるというレースプラン通りに走り切った。
「前半の5000mを14分10秒を切るペースで進めて、後半の5000mを14分フラットぐらいで走ることができました。8000mまでは余裕を持っていけたのがよかったです。体調もコンディションもよく、条件がそろった中でいいレースができました」
真名子圭監督就任2年目の今季、大東大は全日本大学駅伝でも7位と18年ぶりにシード権を獲得した。今回の箱根駅伝では、2015年の第91回大会以来9年ぶりのシード権獲得を目指し燃えている。上昇気流に乗る長距離チームの中で、久保田は強い存在感を発揮している。
中学まではサッカーをプレーしていた。ポジションは左サイドバック。守備に攻撃にと、タッチライン際を往復していたことが現在の走力の源になっている。体力作りのために出場した地元の駅伝で好走したのをきっかけに、聖望学園高から誘いの声をかけられたことで、本格的に陸上競技に取り組むようになった。
高校2年時には都道府県対抗駅伝の埼玉県代表に選れ、4区区間19位。翌年の夏には5000mでインターハイにも出場した。多くの大学からスカウトを受けたが、早くから注目してくれていた大東大への進学を決める。
大学3年生だった昨季が飛躍のシーズンになった。トラックでは1500m、3000m、5000m、10000mで自己ベストを更新。10月の予選会でも自己ベストの1時間3分15秒でゴールし、大東大は1位通過で4年ぶり本大会出場を決めた。
1区を任された初めての箱根駅伝では、1時間3分24秒のタイムで区間15位。トップとは40秒差と粘りを見せたが、久保田にとっては悔しさの残るレースとなった。
「箱根駅伝に出場できたという喜びやうれしさもありましたけれど、悔しさの方が大きかったです。上のチームに勝っていくには、もっと練習や経験を積まないといけないと、改めて感じました」
初めての箱根で感じた悔しさ
「終盤まで粘って、最後、ラストスパートで勝負する、それが自分の持ち味です。高校のときから粘りの走りを意識し、大切にしてきました」 久保田徹(4年)は自身のランナーとしての長所を力強く語る。12月2日の日体大長距離競技会10000mでは、その強みを存分に発揮。28分09秒93のタイムを出し、大学記録を更新した。 1学年後輩の西川千青(3年)が7月に28分25秒33で大東大記録を更新したときから、「自分も記録を破りたい」と狙っていた。8000mまでは力をため込み、残り2000mから仕掛けるというレースプラン通りに走り切った。 「前半の5000mを14分10秒を切るペースで進めて、後半の5000mを14分フラットぐらいで走ることができました。8000mまでは余裕を持っていけたのがよかったです。体調もコンディションもよく、条件がそろった中でいいレースができました」 真名子圭監督就任2年目の今季、大東大は全日本大学駅伝でも7位と18年ぶりにシード権を獲得した。今回の箱根駅伝では、2015年の第91回大会以来9年ぶりのシード権獲得を目指し燃えている。上昇気流に乗る長距離チームの中で、久保田は強い存在感を発揮している。 中学まではサッカーをプレーしていた。ポジションは左サイドバック。守備に攻撃にと、タッチライン際を往復していたことが現在の走力の源になっている。体力作りのために出場した地元の駅伝で好走したのをきっかけに、聖望学園高から誘いの声をかけられたことで、本格的に陸上競技に取り組むようになった。 高校2年時には都道府県対抗駅伝の埼玉県代表に選れ、4区区間19位。翌年の夏には5000mでインターハイにも出場した。多くの大学からスカウトを受けたが、早くから注目してくれていた大東大への進学を決める。 大学3年生だった昨季が飛躍のシーズンになった。トラックでは1500m、3000m、5000m、10000mで自己ベストを更新。10月の予選会でも自己ベストの1時間3分15秒でゴールし、大東大は1位通過で4年ぶり本大会出場を決めた。 1区を任された初めての箱根駅伝では、1時間3分24秒のタイムで区間15位。トップとは40秒差と粘りを見せたが、久保田にとっては悔しさの残るレースとなった。 「箱根駅伝に出場できたという喜びやうれしさもありましたけれど、悔しさの方が大きかったです。上のチームに勝っていくには、もっと練習や経験を積まないといけないと、改めて感じました」「初志貫徹」を示す最後の箱根
最終学年になり、それまで以上に食事や栄養面に意識を置くようにし、サプリメントなども活用するようになった。10月の予選会ではピーター・ワンジル(3年)が途中棄権するというアクシデントに見舞われたが、冷静に自分の走りに集中し、全体で16位、日本人6位、チーム内で2位の1時間2分23秒。2年連続のトップ通過に貢献した。 11月の全日本大学駅伝では3区を走り、ひとケタ順位の9位でタスキをつないだ。 大学を卒業後は実業団で競技を続ける。「トラック、ニューイヤー駅伝で結果を残した中で、将来的にはマラソンにも挑戦してみたい」と目標を語る。 2年間、成長を見守ってきた真名子監督は「久保田は『超』がつくほど真面目で気持ちの強い男。地道に努力して力をつけてきた。実業団でも、派手さはないけどいぶし銀みたいに息長く続け、最後にチャンスをつかむような選手になると思います」と教え子に大きな期待を寄せる。 最後の箱根駅伝、久保田は2区を希望している。各校のエースが集まる注目の区間で、区間10番以内が目標だ。表情を引き締め、意気込みを語る。 「箱根駅伝に出られる喜びをかみしめながら、自分のベストコンディションで走れるようにしていきたいです。2区は失速が一番怖い。しっかり自分の走りをして相手についていって、最後まで追い込める走りをしていく」 座右の銘は「初志貫徹」。「自分の名前の『徹』という字も入っているし、自分に合っている言葉だなと思いました」とその理由を語る。高校3年の秋、大東大の予選会敗退を見て、「自分が大東大を復活させて箱根駅伝を走るんだ」と心に誓い、その志を貫き通した。 最後の箱根路、今度は自分の走りで大東大に9年ぶりのシード権を手繰り寄せてみせる。 [caption id="attachment_124211" align="alignnone" width="800"]
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