HOME 学生長距離

2023.12.21

【Playback箱根駅伝】第58回/往路、復路ともに2位の順大が連覇 早大25年ぶり復路V
【Playback箱根駅伝】第58回/往路、復路ともに2位の順大が連覇 早大25年ぶり復路V

第58回箱根駅伝/順大は9区で神田修(右)が大逆転。2分近い差をひっくり返し、1分46秒差をつけた

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第58回(1982年/昭和57年)
日体大は9区でまさかのブレーキ 早大は9区坂口泰が区間賞

順大が11時間30分00秒で2年連続4回目の総合優勝を果たした。だが、順大は往路、復路とも2位。往路も復路も優勝せず、総合優勝をしたのは第50回大会の日大以来8年ぶり5回目のことである。

順大は1区の吉田富男が区間賞を獲得して、2位の日体大を46秒リードするが、2区で日体大の大塚正美が区間賞の走りを見せて先頭に立った。3区で2校の差は2分5秒に広がったが、4区で順大の中島修三が区間賞で追い上げ、小田原でその差は8秒に詰まった。

広告の下にコンテンツが続きます

5区では日体大の岡俊博が区間賞で箱根の山を駆け上がり、順大を引き離して2年ぶりの往路優勝。順大も26秒差で粘り、復路に望みをつないだ。

逃げる日体大は6区で谷口浩美が58分04秒の区間新記録をマークして、順大との差を2分51秒に広げる。

7区で1分31秒差に詰まるが、8区でも藤井修が区間賞で引き離し、戸塚中継所の時点での差は1分53秒になっていた。

広告の下にコンテンツが続きます

距離にして約500mの差があり、日体大の逃げ切りが有力と思われたが、日体大の9区を走る前田直樹のペースが上がらない。それを順大の神田修がじりじりと追い上げると18kmの東神奈川で前田をとらえて逆転。鶴見中継所では逆に1分46秒の差をつけた。

日体大は10区で差を詰めたが、9区でのビハインドは大きく、56秒差で順大が振り切った。復路優勝は往路7位から5位まで順位を上げた早大。9区区間賞の坂口泰をはじめ、復路5区間は全員が区間7位以内と安定した走りを見せた。

惜しくも優勝を逃した日体大の岡野章監督はこの年を最後に退任。熱心な指導でスピード駅伝の先駆けとなり、監督在任19年間で5連覇を含む優勝8回、準優勝5回の成績を残した。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第58回(1982年/昭和57年) 日体大は9区でまさかのブレーキ 早大は9区坂口泰が区間賞

順大が11時間30分00秒で2年連続4回目の総合優勝を果たした。だが、順大は往路、復路とも2位。往路も復路も優勝せず、総合優勝をしたのは第50回大会の日大以来8年ぶり5回目のことである。 順大は1区の吉田富男が区間賞を獲得して、2位の日体大を46秒リードするが、2区で日体大の大塚正美が区間賞の走りを見せて先頭に立った。3区で2校の差は2分5秒に広がったが、4区で順大の中島修三が区間賞で追い上げ、小田原でその差は8秒に詰まった。 5区では日体大の岡俊博が区間賞で箱根の山を駆け上がり、順大を引き離して2年ぶりの往路優勝。順大も26秒差で粘り、復路に望みをつないだ。 逃げる日体大は6区で谷口浩美が58分04秒の区間新記録をマークして、順大との差を2分51秒に広げる。 7区で1分31秒差に詰まるが、8区でも藤井修が区間賞で引き離し、戸塚中継所の時点での差は1分53秒になっていた。 距離にして約500mの差があり、日体大の逃げ切りが有力と思われたが、日体大の9区を走る前田直樹のペースが上がらない。それを順大の神田修がじりじりと追い上げると18kmの東神奈川で前田をとらえて逆転。鶴見中継所では逆に1分46秒の差をつけた。 日体大は10区で差を詰めたが、9区でのビハインドは大きく、56秒差で順大が振り切った。復路優勝は往路7位から5位まで順位を上げた早大。9区区間賞の坂口泰をはじめ、復路5区間は全員が区間7位以内と安定した走りを見せた。 惜しくも優勝を逃した日体大の岡野章監督はこの年を最後に退任。熱心な指導でスピード駅伝の先駆けとなり、監督在任19年間で5連覇を含む優勝8回、準優勝5回の成績を残した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第58回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 順大  11時間30分00秒 2位 日体大 11時間30分56秒 3位 日大  11時間32分32秒 4位 大東大 11時間37分02秒 5位 早大  11時間38分57秒 6位 東洋大 11時間47分22秒 7位 筑波大 11時間47分42秒 8位 中大  11時間50分44秒 9位 専大  11時間52分28秒 10位 国士大 11時間55分17秒 11位 東海大 11時間58分13秒 12位 亜細亜大12時間02分35秒 13位 駒大  12時間13分03秒 14位 拓大  12時間25分03秒 15位 東農大 12時間25分25秒 ●区間賞 1区 吉田富男(順大) 1時間04分30秒 2区 大塚正美(日体大)1時間14分43秒 3区 宗像寛(日大)  1時間05分42秒 4区 中島修三(順大) 1時間04分09秒 5区 岡俊博(日体大) 1時間12分57秒 6区 谷口浩美(日体大)   58分04秒 7区 倉橋賢二(日大) 1時間06分37秒 8区 藤井修(日体大) 1時間08分25秒 9区 坂口泰(早大)  1時間14分39秒 10区 山本隆司(日大) 1時間06分40秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.17

青森山田10年連続男女V 男子は2時間5分27秒で31回目の都大路 女子は1時間10分08秒で33連覇/青森県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた青森県高校駅伝が10月17日、青森市の新青森県総合運動公園陸上競技場を発着点とする周辺周回コースで行われ、青森山田が10年連続の男女Vを遂げた。男子(7区間42.195km)は2時間5分27秒 […]

NEWS 花巻東がオール区間賞で4連覇 男子は一関学院2時間9分53秒で2年連続34回目のV/岩手県高校駅伝

2025.10.17

花巻東がオール区間賞で4連覇 男子は一関学院2時間9分53秒で2年連続34回目のV/岩手県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた岩手県高校駅伝が10月16日、花巻市特設高校駅伝コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は花巻東が1時間13分13秒で4年連続16回目の優勝を果たした。男子(7区間42.195km)は […]

NEWS 後藤大樹が300mH再びU18日本新の35秒44! 中盤にアクシデント「34秒台を目標にしていた」/U18・16大会

2025.10.17

後藤大樹が300mH再びU18日本新の35秒44! 中盤にアクシデント「34秒台を目標にしていた」/U18・16大会

◇第19回U18・第56回U16大会(10月17~19日/三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場)1日目 U18・U16大会の第1日目が行われ、U18男子300mハードル決勝は後藤大樹(洛南高1京都)が35秒44で優勝し、 […]

NEWS 日本陸連キャリア支援プログラムの第6期受講生が決定 佐々木哲、大西勧也ら9名

2025.10.17

日本陸連キャリア支援プログラムの第6期受講生が決定 佐々木哲、大西勧也ら9名

日本陸連は10月17日、主に大学アスリートを対象としたキャリアサポート支援の「ライフスキルトレーニングプログラム」の第6期受講生を発表した。 今回決まった受講生は9名。男子3000m障害で今年のアジア選手権4位に入賞した […]

NEWS ヴィンセント、池田耀平が故障のため欠場 近藤、飯田、森井らも調整不良のためキャンセル/東京レガシーハーフ

2025.10.17

ヴィンセント、池田耀平が故障のため欠場 近藤、飯田、森井らも調整不良のためキャンセル/東京レガシーハーフ

10月19日に行われる東京レガシーハーフマラソンの主催者は10月17日、招待選手の男子でイェゴン・ヴィンセント(Honda)、池田耀平(Kao)が欠場することを発表した。いずれも故障が理由という。 このほか、エリート男子 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top