HOME 学生長距離

2023.12.21

【Playback箱根駅伝】第59回/2区から独走の日体大が3年ぶり優勝 6区・谷口浩美またも区間新!
【Playback箱根駅伝】第59回/2区から独走の日体大が3年ぶり優勝 6区・谷口浩美またも区間新!

第59回箱根駅伝/6区では日体大・谷口浩美が2年連続の区間新。優勝の決定打となった

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第59回(1983年/昭和58年)
2区で大塚正美、米重修一が区間賞争い 早大が2年連続復路V

2年連続で2位と順大の後塵を拝してきた日体大が11時間6分25秒で3年ぶり9回目の総合優勝を果たした。

広告の下にコンテンツが続きます

1区では東洋大の佐藤和也が1時間3分30秒の区間新記録をマーク。2位の日体大に1分3秒差をつけ、3連覇を狙う順大は3分1秒差の9位と出遅れた。

2区はこの年から現行距離(当時の計測では22.7㎞)に変更。日体大・大塚正美と大東大・米重修一が激しいデッドヒート。最後は大塚が抜け出して、1時間7分34秒と現代でも十分に通用する好タイムで先頭を奪った。

日体大は3区以降も首位を独走すると、5区の岡俊博が1時間11分44秒の区間新記録をマークして往路2連覇。2位の早大は5区で木下哲彦が区間2位と好走して順位を2つ上げたが、日体大とは6分39秒の大差がついた。

順大は4区で中島修三が区間新記録を樹立したが、序盤の出遅れが響いて9分05秒差の3位。3連覇はかなり厳しい状況となった。

広告の下にコンテンツが続きます

そして、優勝争いにとどめを刺したのが6区の谷口浩美。57分47秒の驚異的な区間新記録で後続を大きく突き放し、小田原中継所では2位の早大と11分31秒差がついていた。

日体大はこのまま悠々と逃げ切って総合優勝を果たす。日体大はこの年、退任した岡野章監督に代わり11月から中山隆治氏ら6人のOBコーチが共同で選手を指導。選手たちは「勝って再出発を」を合言葉に挑み、OBたちも募金活動など物心両面で支えていた。

2位の早大は日体大を2秒上回って復路優勝。9区・坂口泰、10区・遠藤司が連続で区間賞を獲得して、翌年の優勝への足掛かりを作った。王者の順大は復路で順位の変化はなく、3位に終わった。

また、今大会で激走を見せた谷口は旭化成に進み、1991年に東京で行われた世界選手権で金メダルを獲得するなど、マラソンで活躍を見せた。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第59回(1983年/昭和58年) 2区で大塚正美、米重修一が区間賞争い 早大が2年連続復路V

2年連続で2位と順大の後塵を拝してきた日体大が11時間6分25秒で3年ぶり9回目の総合優勝を果たした。 1区では東洋大の佐藤和也が1時間3分30秒の区間新記録をマーク。2位の日体大に1分3秒差をつけ、3連覇を狙う順大は3分1秒差の9位と出遅れた。 2区はこの年から現行距離(当時の計測では22.7㎞)に変更。日体大・大塚正美と大東大・米重修一が激しいデッドヒート。最後は大塚が抜け出して、1時間7分34秒と現代でも十分に通用する好タイムで先頭を奪った。 日体大は3区以降も首位を独走すると、5区の岡俊博が1時間11分44秒の区間新記録をマークして往路2連覇。2位の早大は5区で木下哲彦が区間2位と好走して順位を2つ上げたが、日体大とは6分39秒の大差がついた。 順大は4区で中島修三が区間新記録を樹立したが、序盤の出遅れが響いて9分05秒差の3位。3連覇はかなり厳しい状況となった。 そして、優勝争いにとどめを刺したのが6区の谷口浩美。57分47秒の驚異的な区間新記録で後続を大きく突き放し、小田原中継所では2位の早大と11分31秒差がついていた。 日体大はこのまま悠々と逃げ切って総合優勝を果たす。日体大はこの年、退任した岡野章監督に代わり11月から中山隆治氏ら6人のOBコーチが共同で選手を指導。選手たちは「勝って再出発を」を合言葉に挑み、OBたちも募金活動など物心両面で支えていた。 2位の早大は日体大を2秒上回って復路優勝。9区・坂口泰、10区・遠藤司が連続で区間賞を獲得して、翌年の優勝への足掛かりを作った。王者の順大は復路で順位の変化はなく、3位に終わった。 また、今大会で激走を見せた谷口は旭化成に進み、1991年に東京で行われた世界選手権で金メダルを獲得するなど、マラソンで活躍を見せた。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第59回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 日体大 11時間06分25秒 2位 早大  11時間13分02秒 3位 順大  11時間21分26秒 4位 日大  11時間28分27秒 5位 東海大 11時間31分11秒 6位 大東大 11時間35分52秒 7位 東洋大 11時間37分44秒 8位 筑波大 11時間39分57秒 9位 東農大 11時間40分40秒 10位 中大  11時間45分52秒 11位 国士大 11時間50分55秒 12位 駒大  11時間50分59秒 13位 亜細亜大12時間02分31秒 14位 専大  12時間03分01秒 15位 法大  12時間06分18秒 ●区間賞 1区 佐藤和也(東洋大)1時間03分30秒 2区 大塚正美(日体大)1時間07分34秒 3区 保田教之(筑波大)1時間04分52秒 4区 中島修三(順大) 1時間02分40秒 5区 岡俊博(日体大) 1時間11分44秒 6区 谷口浩美(日体大)   57分47秒 7区 中沢栄(日体大) 1時間05分15秒 8区 中井良晴(順大) 1時間06分28秒 9区 坂口泰(早大)  1時間09分53秒 10区 遠藤司(早大)  1時間06分49秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.15

編集部コラム「私のインターハイ地区大会」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 広告の下にコンテンツが続きます 攻め(?)のアンダーハンドリレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃 […]

NEWS NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会

2025.06.15

NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)の2日目が6月15日に行われ、最終種目のNCG男子5000mはB.キプトゥー(麗澤大)が13分46秒77で1着を占め […]

NEWS 小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

2025.06.15

小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

6月14日に米国・ポートランドで行われたポートランド・トラックフェスティバルの男子3000m障害で、小原響(GMOインターネットグループ)が日本歴代8位の8分22秒64をマークした。 大会は世界陸連コンチネンタルツアー・ […]

NEWS 久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

2025.06.15

久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都)4日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の4日目が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛3大阪)が昨年自らがマークした大会記録を0.7 […]

NEWS 青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

2025.06.15

青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NDG)の1日目が6月14日に行われ、雨のなか、各組で好レースが繰り広げられた。 男子10000mでは2組で1着(28分53 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top