2023.12.20
日本陸連の年間表彰を発表する「日本陸連 アスレティックス・アワード 2023」が12月20日、都内で開かれた。
2023年においてその活躍が最も顕著であった競技者に贈られる「アスリート・オブ・ザ・イヤー」には、女子やり投の北口榛花(JAL)が選出された。
北口は今夏のブダペスト世界選手権において、女子トラック&フィールド種目において史上初の金メダルを獲得。自身が持つ日本記録も2度塗り替え、ダイヤモンドリーグ・ファイナルでは日本人初優勝を成し遂げた。
式典を終え、「2015年に新人賞を取ってから、次に取れるのは優秀選手賞と最優秀選手賞しかなかったので、取れて良かったです」と北口。いろいろな表彰を受けているが、「陸上の中で一番を決める賞」の受賞に笑顔がこぼれる。
11月から国内で冬季練習を行い、例年通り山登りをするなど基礎体力向上に努める。1、2週間に1回はスイミングも実施。五輪メダリストの松田丈志さんに師事したことも話題となっていたが、「2年前から教えていただく機会がある」と明かす。
元々、水泳でも全国大会出場クラスだった北口。「バタフライの動きがやり投の動作に役立つと思っていて、ずっとテレビで見ていた選手で、どうせなら日本で一番速かった“ホンモノ”の選手に教えてもらいたい」と連絡を取ったことから始まったという。
「まだやりも持ってきっちり投げていないのでなんとも言えませんが、練習がしっかり積めているのは間違いない。技術的な練習をするのが楽しみです」
記者からの「モチベーションを保つためには」という質問に、「正直、モチベーションが下がるって感じたことがなくて」と笑い飛ばす。北口にとって、アスリートとして道を歩むと決めた以上、さまざまな犠牲を払いつつ、日々の練習をして、トップを目指していくことこそが、「当たり前」であり、だからこそ世界一にたどり着いた。
この日、12月31日の紅白歌合戦(NHK)の審査員に選ばれたことも発表。「すごく光栄ですし、人生で何度もできることではないと思うので、人生一度の大イベントと思って楽しみたいです」と話す。
メディアや式典に引っ張りだこだが、年が明けたらチェコに渡る。日々のトレーニングに妥協はない。目に見えない努力を積み重ね、地に足着けてパリの金メダルへと突き進む。
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