◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)
ブダペスト世界選手権に出場していた日本代表選手が8月29日午後に帰国。女子5000mで8位入賞を果たした田中希実(New Balance)が成田空港で取材に応じた。
1500mと5000mの2種目に出場した田中。「非常に長い世界陸上でした」と開口一番に飛び出した。
「昨年のオレゴン大会は800m、1500m、5000mの3種目に出場したため、気づいたらあっという間に終わっていました。今大会は1500mと5000mで1本1本のレースに気持ちを作って臨んだので、体感としては1ヵ月くらいに感じました」と大会を総括した。
昨年のオレゴン大会では「本当の意味での自信がまだ持てていなかった」という。レース前に繊細な気持ちになり、「何のために走っているのかわからず、でも結果は残さないといけないという繰り返しでしんどくなったこともありました」と明かす。
日本記録(3分59秒19)を持つ最初の1500mは準決勝で1組12着(4分06秒71)と決勝に進めなかったが、この時も「『決勝に残らないといけない』と感じてしんどかった」と振り返る。
しかし、準決勝敗退後に関係者との対話を通じて「本当に自分は決勝に残りたかったのか」と自問自答し、「実際は『怖い』という気持ちが大きかった」ことに気づいた。
父の健智コーチをはじめ多くの人から背中を押してもらい、「自分ならできる」と切り替えて臨んだ5000m予選で、従来の日本記録(14分52秒84)を14秒以上も更新する14分37秒98をマーク。3大会連続の決勝進出を果たし、決勝では1997年アテネ大会の弘山晴美以来、日本勢では26年ぶりの8位入賞を果たした。
「自信を持つことや感謝の気持ちを持つ部分で、今後変えていきたいなと考えるきっかけになりました。今回の経験を思い出しながら、ここで乗り越えられたことが、ちょっとずつ変わっていくための拠り所になっていくのだと思います」と田中らしい言い回しで大会を総括した。
田中はブダペストから帰国して束の間、2日後にドイツで開催される1マイルのレースに出場する。
今大会の5000m予選でパリ五輪の参加標準記録(14分52秒00)も突破済み。「次も2種目で狙いたい」と、すでに来年のパリへ切り替えている。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.17
U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に
-
2025.12.17
-
2025.12.17
-
2025.12.16
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.14
中学駅伝日本一決定戦がいよいよ開催 女子11時10分、男子12時15分スタート/全中駅伝
-
2025.12.14
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.17
世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も
日本陸連は12月17日、ボツワナ・ハボローネで26年5月2日~3日に開催される世界リレーの日本代表選考要項を発表した。 2027年北京世界選手権の出場権獲得、および世界選手権でのメダル獲得のため、戦略的に選手団をは編成す […]
2025.12.17
U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に
日本陸連は12月17日、米国・オレゴンで8月5日~9日に開催されるU20世界選手権の日本代表選考要項を発表した。 世界で活躍できるU20カテゴリートップレベルの競技者を派遣し、金メダル獲得を目指す選手団を編成する方針。参 […]
2025.12.17
26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考
日本陸連は12月17日、第106回理事会を開き、来年の第110回日本選手権の参加資格について発表した。 今回は「参加標準記録」と「申込資格」の2つの参加資格を設定し、参加標準記録は高く定められている。ターゲットナンバー( […]
2025.12.17
今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任
全国高校駅伝や箱根駅伝でヒーローになった村澤明伸(SGホールディングス、34歳)が今年度限りでの「引退」を表明した。実業団では故障に苦しみながら、マラソンにも挑戦。北海道マラソンで優勝して、MGCにも出場した。来年度から […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳