◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)5日目
アジア選手権の5日目がタイ・バンコクで行われ、男子200mは鵜澤飛羽(筑波大)が優勝した。
大器が世界へ羽ばたく大いなる一歩をバンコクで踏みしめた。今季、日本選手権を初優勝した鵜澤。スタート直後は内側にいた謝震業(中国)に先行される。「ビビりました。やっぱ世界で戦っている選手。国内のレースよりも前に出られて焦りました」。ただ、鵜澤は「自分の走り」に集中していた。
圧巻だったのは直線。他の選手たちが軒並み力んで失速していくなか、まるで加速してるかのような伸びやかな走り。フィニッシュラインまでその勢いは途切れず、大きな差をつけた。胸を叩き、自らの存在を高らかに示す。期待のホープから男子短距離の中心選手へと躍り出た瞬間だった。
向かい風0.4m、高温多湿、チップ気味のトラック。それらをはねのけて20秒23の自己新は、日本歴代8位タイ、学生歴代2位の快記録で、さらにはフェミ・オグノデ(カタール)が15年に出した大会記録(20秒28)も塗り替えた。
「タイムにこだわらず勝ちを狙って臨みました。走りの感覚はめちゃくちゃいいかと言われればそうではないですが、勝負できる身体ではありました」
決勝になって、「スイッチが入った」。レース前に一人つぶやき、「カッコイイ。対戦したい」と話していたノア・ライルズ(米国)を意識して『かめはめ波』もスタート前に披露。いよいよ世界と戦う準備が整ってきた。
野球から転向し、宮城・築館高2年時にインターハイ2冠。高3時には一度は陸上から距離を置いた時期もあった。筑波大に進学してからは右脚を故障。今でも「リハビリの途中」と言うように万全ではない。それでも、やはりその輝きを放ち始めた。
「タイムはまだまだ上げられる感じはあります。世界選手権はもっとレベルの高い。あと1ヵ月くらい、やっと練習が積めるので、もう少し高いパフォーマンスを出して、ブダペストに出られれば、そこでパリ五輪の参加標準記録(20秒16)を切りたい」
初めての世界選手権。次は鮮烈な世界デビューを飾りそうだ。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.04
パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」
2025.12.04
飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催
-
2025.12.04
-
2025.12.04
-
2025.12.03
-
2025.12.02
-
2025.12.02
2025.11.28
青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表
-
2025.11.29
-
2025.12.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.04
パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」
24年パリ五輪男子20km競歩代表の濱西諒が12月1日に自身のSNSを更新し、所属していたサンベルクスを11月末で退社したことを発表した。 濱西は大阪府出身で、履正社高から競歩に取り組み、国体優勝など早くから頭角を現した […]
2025.12.04
飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催
東京世界選手権男子200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が11月30日から12月3日まで、ラオスを訪問。4日にリモートで現地で行った活動について報告会見を行った。 飯塚はJICA(国際協力機構)が進める「スポーツを通じて世界平 […]
2025.12.04
世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く
世界陸連(WA)が検討していた走幅跳のルール変更案について、選手からの反発などを受けて撤回されたことを英ガーディアン紙が報じた。 走幅跳では、20cmの踏み切り板とその先に10cmの粘土板が敷かれ、踏み切り板と粘土板の境 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025